にげうまメモ

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15/3/11 Betway Queen Mother Champion Chase (Grade 1)

*Betway Queen Mother Champion Chase (Grade 1) (C1) 2m Good to Soft-good in places

2miles Chase路線におけるチャンピオン決定戦。紆余曲折あったが、今年は非常に面白いメンバーが揃った。特に怪物Sprinter Sacreと昨年のチャンピオンSire De Grugy。何はともあれ、この2頭が同時に走ることを見れること、回復に尽力された関係者に心から感謝したい。

まずは怪物Sprinter Sacre。Chase転向後はCue Card、Sizing Europeなど一流馬を相手に圧勝に次ぐ圧勝劇を繰り広げ、10連勝を飾った馬。不整脈で一昨年PUした後、今年の1月に復帰。しかしながら精彩を欠き、Dodging Bulletsの2着に敗れている。とはいえ一度叩いて良化してくる可能性もあり、またSpecial Tiaraがいることにより流れが速くなるのもこの馬にとってプラス。潜在能力では歴代でもトップクラス、かつてのパフォーマンスを発揮すれば圧勝してもおかしくない。

対するは昨年のチャンピオンSire De Grugy。夏に膝の骨片を除去する手術を行ったのことで、復帰した初戦は飛越が安定せず落馬競争中止。長期休養明けはどうも飛越が安定しない馬のようだ。しかしその後のハンデ戦では抜けたトップハンデを背負いながら7馬身差の圧勝。昨年の2m路線では敵なし状態であっただけに、トップパフォーマンスに戻ればこの馬も圧勝してもおかしくない。

さらにそのSire De Grugyを破ってきたMr Mole。Chase転向後は落馬を除き4戦4勝。前回は相手が落馬したとはいえ13馬身差の圧勝。新たなスターホースの誕生となるか。また、Sprinter Sacreを破ってきたのはDodging Bullets。昨シーズンNoviceを使ってきた同馬は、今期初戦こそ精彩を欠いたものの、ここに来てG1を2勝。特にTingle Creek Chaseでは2m路線の主役級相手に完勝している。

アイルランド、勢いのあるMullins厩舎とWalsh騎手が送り出すのはChampagne Fever。昨シーズンのArkle Challenge TrophyはWestern Warhorseに惜敗、3m路線はさすがに長かったようだが、2mに戻って今期はG2を2勝している。ただし、2mの主役級と当たっていないのが課題か。古豪Sizing Europeはスピードが課題になる。今期もG1を勝利するなど気を吐いているが、前走はChampagne Feverに完敗。トップパフォーマンスのSprinter SacreやSire De Grugyには歯が立たなかっただけに、相手関係が課題か。同じく古豪のSomersbyもやはり相手関係が課題。特に前走はDodging Bulletsに完敗。飛越が安定しない馬だけに安定した飛越が求められる。

おそらく展開の鍵を握るであろうSpecial Tiaraは前走G2でまさかの逃げ切り勝ち。気分よく行けたのが良かったとは思うが、さすがに今回は相手が強すぎるか。Savello、Simply Nedはここに入ると格下。昨日走っているClarcamはおそらくNR。

 

大方の予想通りSpecial Tiaraが逃げる展開。一時は後続に6馬身差をつける大逃げとなった。好位にSizing Europe、Dodgind Bullets。その後ろにSomersby、Mr Mole、Sprinter Sacre。Sire De Grugyは後方に構えた。Mr Mole、Sizing Europeは早々についていけなくなり脱落。代わってSomersbyがスムーズに進出。Sprinter Sacreは進出を試みるもさほど進んでいかない。Sire De Grugyも手を動かしながら進出。スムーズに先頭に並びかけていったのがDodging Bullets。最後の3頭の叩きあいはDodging Bulletsが1馬身出て勝利。2着にSomersby、3着に逃げたSpecial Tiaraが入った。Sire De Grugyは離れた4着。Sizing Europe、Mr Moleは全くついていけず大敗。Sprinter SacreはPU。

Dodging Bulletsはこれで今期3勝目。いずれもG1で着差はわずかだが強い内容であった。Somersbyは戦前の低評価を覆す好走。元々力のある馬だけに飛越さえスムーズであればこれくらいやれる。Special Tiaraも前走がフロックでないことを示して見せた。スピード決着で、スムーズに行かせればこれくらいは走れる。むしろスピード決着に対応できなかったのがSire De Grugy。今後は距離を伸ばしたほうが良いのかもしれない。心配なのがSprinter Sacre。精神的なものを含めて何もなければよいのだが。