にげうまメモ

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15/4/25 National Hunt Racing

*Sandown Good to Soft

Juvenile Handicap Hurdle (C2) 2m110y

中団から進出したLil RockerfellerがSternrubinを競り落とし勝利。トップハンデのOld Guardは遅れた3着に敗れた。Lil Rockerfellerはこれが嬉しい初勝利。

なお鞍上のSean Bowenは今年度のConditional Jockeyとチャンピオンとなった。同騎手はまだ10代と非常に若い。今後が楽しみな騎手である。

 

Oaksey Chase (Listed) 2m6f

なかなか面白いメンバーが揃ったハンデ戦。Novice G1勝ち、その他G2勝ちなどもあるAl Ferofだが、今期はSomersbyをG2で7馬身千切る勝利。その後の2レースはさすがに相手が強かったようだが、今回はかなり相手も落ちる。ここは面白い一頭。なぜかその同じハンデを背負ってしまったArgocat。今シーズンの初めこそぱっとしなかったものの、元々はBowl ChaseでSilviniaco Contiの3着のある実力馬、ここに来てFelix Yongerの2着とようやく調子を上げてきた。ここも面白い一頭。今期はFoildubhを下したListed勝ちのみというのがHome Farm。その後の3戦はやや相手が強すぎた感もある。メンバーを落としての今回は見直してもよいか。人気になっているのがMenorah。3m路線の常連だが、今期のBetfair ChaseではSilviniaco Contiの2着のある実力の持ち主。ここでも面白い。Rolling Acesは今期はいまいち完敗続きで波に乗り切れていない。こちらもMelling ChaseでBoston Bobの2着がある実力馬なのだが。

ここまでは11st10lbのトップハンデである。

Third Intentionは2m5fの一線級と比べるとやや力が落ちる。斤量も今回は見込まれた。Rebel RebellionはGrand Nationalで積極的な競馬を見せるもPU。疲労が懸念される。Off The Groundは近走の成績から鑑みるにやや格下か。Raajihも復帰戦となった前走のListedで僅差の4着。よい復帰戦を使えたといえるが、実績的にはやや心もとない。牝馬Pepite Roseは斤量的にはかなり楽。Sire De Grugyの2着があるほどの実力馬だが、近走はいまいち。

 

Rolling Acesがゆるいペースで引っ張る展開。Al Ferof、Menorah、Argocatなどは後方から。勝負どころで馬群に突っ込んだAl Ferofに対して、スムーズに外を回したMenorah。前者は前が詰まる不利が合ったのに対して、Menorahはロスなく進出。その利を生かしてMenorahがAl Ferofの追撃を抑えきって勝利した。3着には好位にいたThird Intentionが入った。Rebel RebellionはやはりGrand Nationalの疲れが残っていたのか大敗。いずれにせよ、レースのレベルとしてはやや疑問が残る。

なおRolling Acesはレース後死亡したとのこと。原因はわからないが、ご冥福を祈る。

 

AP McCoy Celebrantion Chase (Grade 1) 2m

今期で引退するトップジョッキーA.P. McCoyの名が冠されたレース。当然同騎手も騎乗予定がある。同騎手はこれが最後のG1の騎乗ということで、優秀の美を飾れるか、大変注目されている。今回は伝説的ジョッキーAP McCoyの名の下に、それに相応しい素晴らしいメンバーが揃った。

McCoy騎乗予定のMr Mole。今期の上がり馬で、二走前のGame Spirit Chase(G2)ではUpsilon Bleu、Sire De Grugyらを13馬身千切る圧勝劇を見せている。しかしながら、ここのところの4連勝、ほとんどが馬場がsoftでの条件下、また前走のCheltenhamのQueen Mother Champion ChaseではGoodな馬場のもと、Special Tiaraが作り出したハイペースに全く抵抗できずに大敗している。今回も同馬は出走するだけに、馬場とスピード対応がどうか。

対するは復活を期す怪物Sprinter Sacre。かつてはChaseを10連勝、その全てが圧倒的な強さでの勝利と、短距離Chase路線では無敵の強さを誇った馬である。一昨年の12月に心疾患でPUし、今年の1月に復帰したのちはいまいちその強さを発揮できてはいない。しかしながら、かつての輝きを取り戻せばここも圧勝まであり得るくらいの馬である。その復活を願いたい。

他にも興味深い馬が揃った。Queen Mother Champion Chase2着の古豪Somersby。飛越の安定しない馬だけにどうしても成績にムラがあるのだが、その実力は間違いなく一線級である。また同レース3着の個性派Special Tiara。Desert Orchid Chaseを大逃げして勝利した後、前走は短距離Chaseの最高峰Queen Mother Champion Chaseでも果敢に逃げ、結果Dodging Bulletsの僅差の2着と、前々走の勝利がフロックではないことを示した。この馬はとにかく気分良く逃がしたときに真価を発揮する馬。間違いなくペースを握るであろうし、かつハイペースで行く馬。この馬の動向には注意が必要である。

その他Haldon Gold Cup ChaseでBalder Succesを破ったGod's Own。この馬は上のクラスで、かつペースが上がった際に真価を発揮する馬なのでNovice馬だからといって侮れない。Court Minstrel、Vibrato valtatは同様にNovice馬だが、両者Un de Sceauxが勝利し、最後までGod's Ownは抵抗したArkle Challenge Trophyでは対照的に、全く見せ場を作ることが出来ずに完敗。さすがにいきなりここは厳しいか。

  

早々にGod's Ownが落馬する展開。 Special Tiaraが逃げる展開も、途中からMcCoyのMr Moleが絡みに行く。Sprinter Sacre、Smersbyは好位。Noviceの二頭はペースに戸惑ったのか後方から。Special Tiaraは絡まれたにも関わらずペースを崩すことなく、第7障害で先頭を取り戻し、Mr Moleを振り切ったあとはもはや一人旅。最後は脚が上がったSprinter Sacreに6馬身差をつけて快勝した。McCoyのMr Moleは3着。Somersbyは飛越が安定せず大敗した。

ある意味Queen Mother Champion Chaseの結果どおりといえるだろう。Mr Moleはやや渋った馬場で、またスピードが出にくい連続障害が存在するSandownではと期待したが、やはりSpecial Tiaraのスピードについていくことは出来なかった。Special Tiaraはやや渋った馬場が懸念されたが、今回の結果を見るにその力はやはりホンモノだといっていいだろう。これまでは無理に抑えて結果としてこの馬のよさを殺す騎乗をしていたが、やはりハイペースで引っ張って消耗戦に持ち込んでこその馬。平地の脚もある。これからも短距離Chaseで楽しみな一頭だろう。

Somersbyは飛越が安定せず大敗。Noviceの2頭はペースについていけず。心配なのがSprinter Sacre。調教師は馬場といっているが、ここ3走とも完敗続きである。精神的なものではないと良いのだが。

 

 

bet365 Gold Cup Chase (Grade 3 Handicap) 3m5f110y

超長距離のハンデ戦だが、今年も興味深いメンバーが集まった。人気はLe Reve、Paint The Clouds、Grand Jestureあたり。続いてUnioniste、Bobs Worth、The Packageあたりか。

トップハンデのRocky CreekはJnwine.com Champion ChaseでRoad To Richesの2着があるほか、昨年のGrand National5着、今年も完走するなど、非常に持久力と飛越に長けた馬。ただし今年はGrand Nationalで大敗後の参戦であり、疲労が心配である。ハンデに関してはBetbright Chaseで11st11lbを背負ってLe Reveを下しているだけに問題はないだろう。2013年Cheltenham Gold Cupの勝ち馬Bobs Worth。実績としてはこの馬が断然だが、今期の2戦は全く見せ場なく敗れており、馬の調子が心配である。ここらで復活の狼煙を上げて貰いたいが。今年のGrand Nationalでは期待されながらも早々に落馬したUnioniste。実力的にはこちらもDenman ChaseでConeygreeの3着に入るなどある程度のものはあるものの、本来であればBobs Worthらには太刀打ちできない馬。Bobs Worthの調子次第ではあるが、そうは言っても超長距離ハンデ戦の経験は十分、ここも期待したい。Wonderful Charmは前走こそ3mのListed戦で僅差の3着に入ったが、本来であれば2m5f路線を使っている馬。距離的にはやや心許ない。今回のハンデも11st8lbとやや見込まれたか。

ここからは10st台になる。Grand Jestureは前走の長距離ハンデ戦を10st11lbを背負って2着、ただし3m5fは未経験である。馬の調子的には良さそうだが、距離延長がどうか。面白いのがThe Package。前走のアマチュア騎手限定戦は11st4lbを背負ってまさかの12馬身差の圧勝。Grand Nationalも完走している馬で、全盛期のBobs Worthの4着もある。ここは期待したい。人気となっているのがRe Leve。長距離ハンデ戦の経験は十分、前走こそRocky Creekに完敗しているが、同馬がGrand National明けで疲労が心配な点から狙ってみるのも面白いか。ただし意外と3m超えの実績はないことに注意。Bally Legendは近走よりもかなりハンデは楽になるが、いずれも大敗続きとやや調子の面から押しづらい。侮れないのがVics Canvas。前走こそ落馬しているが、前々走はC1のハンデ戦で同様の斤量を背負って僅差の3着。3m5fの経験もある。ただし年齢的にGoodな馬場がどうか。Lost Legendはやや距離に不安を抱える。Just A Parは前々走The Packageに完敗。さすがに厳しい。Grandads Horseも近走の馬の調子という面からは押しづらい。今年のGrand National6着のRoyale Kightは馬の疲労が心配である。実績面では問題はないが。前走のGrand Nationalでは早々に落馬したEly Brown。Novice G2勝ちなどの実績はあるが、相手関係が問題だろう。Roalco De Farges、Return Springは近走よりもハンデははるかに楽ではあるが、馬の調子という点からは押しづらい。面白いのがDuke of Lucca。Grand Nationalこそ除外になったが、前走はその鬱憤を晴らす勝利。距離実績、馬場実績もありハンデが楽な今回は侮れない。C2のアマチュア騎手限定戦を圧勝してきたPaint The Cloudsもここでは面白い存在か。ハンデも近走背負ってきた12stよりも2stも楽になる。昨年の春に調子を上げたGuess Againは相手関係と距離に不安を抱える。NoviceのAlgeronon Pazhamはここでは荷が重いか。

 

まさかのJust A Parの豪脚炸裂。Vics Canvas、Le Reve、Paint The Cloudsが叩き合うところ、これらを並ぶ間もなく交わしさった。Noviceから上がった後はC2で2着が最高の馬だが、今回は軽量も味方したのだろうか。Vics Canvasはやや馬場が渋ったのもよかっただろうか。Le Reveはさすがこの路線の常連である。Paint The Cloudsも力を見せた。それだけにJust A Parの劇走は驚きである。

なおUnionisteは途中から先頭に立つも最後は失速し大敗。Ely Brown、Royale Knight、Bobs Worth、Duke Of Lucca、The Packageらも良いところが無かった。このあたりは前走にピークを持ってきてしまっているので馬が本調子ではなかったのだろう。それにしてもBobs Worthの今期のパフォーマンスは非常に残念であった。やや今後が心配である。

 

Handicap Hurdle (C2) 2m4f

AP McCoy最後の騎乗となるレース。当然のことながらMcCoy騎乗の馬から売れている。しかしながら当のBox Officeは3戦して未勝利、いずれもいいところなしという馬。常識的に考えれば厳しいが、なんといってもMcCoy最後の騎乗。奇跡を起こすか。

相手として注目されている馬を何頭か。3戦2勝のWiberdrangon。いずれもC4のNoviceという点が気がかりだが、調子と未知の魅力という点では面白い馬。G3を2着のあるRayvin Black。ただし短距離での実績で、今回は2m4f。距離不安はある。前走待望の初勝利を上げたGo Odee Goだが、10st0lb、C3でのもの。あまり強調できる材料ではない。Brother TeddはSouthfield Vicの2着はあるが、今回はハンデも11st7lbと厳しい。

いずれにせよ、あまり実績的に強調できる馬は少ない。このメンバーであればMcCoy最後の騎乗に希望を託すのもありか。

 

McCoy最後の騎乗となった同レース。McCoy騎乗のBox Officeは中団のうちから。途中で進路を外に切り替え、先頭を追ったが見せ場はそこまで。3着に終わった。勝ったのはBrother Tedd。

 

Josh Gifford Novices' Chase (C2) 2m4f110y

Cocktails At Dawnがかなり早いペースで引っ張る展開。Horizontal Speedが途中から絡みにいくも、逆に振り切られ、最後はCocktails At Dawnの楽勝で終わった。同馬はこの形があっているのかもしれない。最後はやや脚が上がってたように見えるだけに、距離はこれが限界だろう。いずれにせよ、なかなか楽しみな一頭である。

 

Select Hurdle (C1) 2m6f

OLBG Mares' Hurdleで2着と涙を飲んだPolly Peachumがその鬱憤を晴らす勝利。中段から徐々に進出し、最後はAqalimの追撃を抑えきった。

ただし、Aqalimこそ上のクラスでどうこう、というほどの馬ではない。OLBG Mares' Hurdleを勝ったGlends Melodyは引退したし、ややこの路線はレベルに疑問符がつく。