にげうまメモ

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15/8/8 New Zealand Racing

Canterbury Racing-Canterbury J.C. @ Riccarton Park Slow8

昨夜の段階ではGoodまで良化した馬場であったが、その後雨でも降ったのだろうか。当日はSlow8まで悪化した状態でのレースとなった。とはいえ重馬場で行われることの多いあちらのレースとしては、比較的予想がつきやすくなったのではないだろうか。

なお中の人が二日酔いで死んでいたため、Grand National Steeplechase (PJR)の下馬評の記事は無しで。

 

Speight's Mid Ale Premier Hurdle 0-1 Win HDL 3100m

Race 1: SPEIGHT'S MID ALE PREMIER HURDLE / RaceInfo / NZRacing

人気薄のRevengeが逃げる展開。Shamal、San Pedroあたりの人気どころは好位から。それをみるようにSir Manawa。中盤で先頭集団を走っていたSeeking Redemptionが落馬。この空馬が終始先頭集団をうろうろ走っており、そのあたりにいた馬はこの空馬に悩まされることになる。最終コーナーを回ってShamalが抜け出しを図り、それを好位の内にいたSan Pedroが追う。しかしその大外から凄い足で追い込んできたのがReady Eddie。最後はReady Eddieが前の2頭を差しきったところがゴール。

Ready EddieはMDN勝ちがあり、RST OPNでは入着程度の馬。今回は展開が嵌ったと考えるべきだろう。Shamalは強気な競馬で見せ場を作った。どちらかというとこちらを上にとった方がいいと思う。加えて、Shamalは8/1、8/5と連続で重賞を使ってきており、その疲労も少なからずあったと考えられる。日本では非常識な程度にきついローテーションだけに、少々大事をとって休養してもらいたい。San PedroもMDN勝ちのみながら頑張ったが、Shamalとは差があると考えたほうが良さそう。

 

Racecourse Hotel & Motor Lodge 141st Grand National Steeplechase PJR OPN STP 5200m

Race 7: RACECOURSE HOTEL & MOTOR LODGE 141ST GRAND NATIONAL STEEPLECHASE / RaceInfo / NZRacing

泣く子も黙るGrand National Steeplechase。ニュージーランドSTP路線における最高峰のレースである。スタンド前と向こう正面に設置された2つの二連続障害を初め、非常に見ごたえのあるレースが展開される。

序盤から昨年の勝ち馬Eric The Vikingが積極的に引っ張るレース。好位にHezanakilad、No Quata、Wotabuzz、Faintes Vos Jeuxなど。人気のHigh Fortyは中段から。それをみる形でMr Mor。後方からMister Deejay、Kick Backなど。一時期は後続に7馬身の大差をつけたEric The Vikingであるが、1周目の終わりからスタンド前にかけて後続が差をつめてきて、そのリードは無くなる。2周目の途中から好位にいたWotabuzzは後退。代わってHezanakilad、Faintes Vos Jeuxなどが差をつめてくるが、それでもEric The Vikingが先頭を死守する。展開が動いたのは二回目の向こう正面にある2連続障害。内からするすると抜け出してきたHezanakiladが先頭に立ち、Faites Vos Jeux、Eric The Vikingらがこれを追う。さらに後方にいたKick Backが一気に先頭集団まで取り付く。そのままHezanakiladが抜け出すかと思ったところに襲い掛かったのが人気のHigh Forty。最終障害前でHezanakiladを競り落とすとあとは差を広げる一方。最後は12馬身差の圧勝劇。2着にはさりげなく追ってきたMr MorがHezanakiladを交わして入った。

着差どおりの力差と言っていいだろう。High Fortyは69kgを背負いながらこの着差。展開面でも決して恵まれたわけでもなく、むしろEric The Viking、Hezanakiladらの積極的な競馬運びによって地力が問われる素晴らしいレースとなった。STPではこれで6連勝と今非常に勢いに乗っている馬である。飛越も非常に安定しており、無事にいけばしばらくはこの馬の天下が続くのではないだろうか。

重賞を2連勝して挑んだMr Morは70kgを背負いながら2着と頑張った。ただしこの馬自体展開面に少々助けられた部分もあり、さらに勝ち馬との差を考えるとあまり強調できない。11歳と高齢な点も懸念材料だろう。ベテラン健在ということでまだまだ頑張って欲しいところだが。Hezanakiladは積極的な競馬で見せ場を作った。まだ5歳で、前走(8/5)に初勝利を上げたばかりという馬。今回はローテーション的にかなり厳しいものがあり、余裕を持って挑めばOPNでは十分に勝負になるだろう。

Get Flashも8/1、8/5とレースに出走しながらも4着と頑張った。ただしこの馬もローテーションはかなり厳しい。3着のHezanakiladと比較して展開面では恵まれた感もあるので、やや同馬と比べると割り引いてみたほうが良さそう。Eric The Vikingも積極的な競馬で見せ場を作ったが、流石に今回は相手が悪かったか。ただし最後までしぶとく粘っているので、このような競馬が合っているのだろう。Kick Backは途中で一気に動くも最後は余力をなくし大敗。ここまで持久力勝負になると小細工程度では厳しい。ただしこの馬、やや飛越に不安定な部分があり、前回のミスで若干馬が自信をなくしていたのだろうか。いずれにせよ、まだ改善の余地のある馬だろう。

結果としては、High Fortyの一強状態という感想でいいと思う。Hezanakiladなど、やや厳しいローテーションで挑んできた馬もいるので、それらの馬のこれからの台頭が楽しみである。