にげうまメモ

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16/01/14 National Hunt Racing

*Catterick Soft (Heavy in Places)

Fillies' Juvenile Hurdle (C4) 1m7f156y

前走圧勝のPembaが人気を集める前評判。Lucie RieやOur Kylieが逃げ、PembaやMiss Rangerが好位で構える展開。レースは残り2障害から先頭に立ったPembaがMiss Rangerに6馬身をつけ圧勝。

PembaはこれでHurdle4戦2勝。最後まで余力が残っており快勝と言っていいだろう。課題とされた重馬場も克服。ただし相手が相手なだけにさほど強調できない勝利か。

 

Novices' Hurdle (C4) 3m1f71y

Noviceの長距離らしい非常にゆったりとしたスタートから、第4障害辺りから先頭に立ったQuintoがそのまま逃げ切り勝ち。2着にはGully's Edgeが入った。

勝ち馬と2着馬の差はスムーズに運んだ分の差か。QuintoはこれでHurdle初勝利。距離を伸ばしたのが良かったのかもしれない。2着のGully's Edgeも初の3m戦ながら好走した。唯一距離経験のあったBryden Boyは離れた3着。ただしこの馬は10戦未勝利、大敗こそしてはいないがいずれも勝ち馬には離されていることには注意しておいた方がいいだろう。

 

Christie Memorial Trophy Handicap Chase (C3) 1m7f145y

第4障害辺りから先頭に立ったCloudy Jokerが向こう正面から一気にスパート。最終コーナーでは後続に決定的な差をつけるも、残り2障害辺りから脚色が一杯に。追い込んできたUno Valorosoを僅差で凌いで勝利した。

Cloudy Jokerは前走C4でUno Valorosoを11st12lbを背負って下してきた馬。結果としてそのときの上位馬が今回も1、2着を争う結果となった。Cloudy JokerはC3ではさほど結果の出ていなかった馬だが、今回は積極的な競馬が生きたか。Uno ValorosoはまたしてもCloudy Jokerの前に惜敗。ハンデ差も1stほどと変わっていないので、このハンデならば差がないと考えるべきか。ただし、3着の11st12lbのGery LifeもC3ではさほど結果が出ていない馬であることには注意したほうがいいだろう。

なおAWで6勝を上げ、今シーズンChaseに転向してきたMr Burbidgeは向こう正面で落馬、残念ながら安楽死の処置が取られた模様。同馬のご冥福を祈る。

 

Novices' Hurdle (C4) 1m7f156y

好位を追走していた人気のAlways Resoluteが悠々と直線抜け出し、楽勝かと思われたところでまさかの最終障害で落馬。番手で一杯一杯になっていたWilliam of Orangeが勝利した。

Irving、Annie Power、Kiama Bay... などなど、最終障害で落馬して勝ち星を逃した悲しい馬たちのリストにまた一頭名前が刻まれることになった。Always ResoluteはMDNを勝っての2戦目。やや鞍上が押して飛越を試みたところ、馬が一完歩手前で踏み切ってしまったのが原因と思われる。いずれにせよ、後続は脚が上がっているので力は抜けていると考えていいだろう。

 

North Yorkshire Grand National Handicap Chase (C3) 3m5f214y

Gorgehous Lliege、Barton Giftといった軽量馬が軽快に引っ張る展開。馬群としてはかなり隊列が長くなる。Pete The Feat、人気のNail 'mは好位から。Jac The Legendは中段、スタートでややズブいところを見せたLackamonは後方から。第16障害から先頭に立ったAlto Des Mottesが残り3障害では決定的な差をつけるも、最後の直線で猛追してきたLackamonが僅差交わし去ったところがゴール。離れた3着には逃げたGorgehous Lliegeが入った。

Lackamonは超長距離ハンデ戦のベテラン。11歳ながら今シーズンはRoyale Knight、Emperor's Choiceの2着に入るなど、調子を上げてきているようだ。良馬場ではスピード負けする馬だけに、今回はやや馬場が渋ったのも良かったか。それにしても、何度も飛越でミスをしながらもその度に追い上げ、最後まで逃げた馬を猛追する精神力と持久力は凄まじいの一言。飛越のミスにより脚をぶつけたり位置を下げてしまうと、それだけで精神的に萎えてしまう場合がある。また、飛越のミスによってリズムを崩し、それを立て直すというのはスタミナを大いに消費する。ある程度前が飛ばす展開となりLackamonにとってはややペースは速くなったため、飛越のミスを連発する結果となったが、それを克服した精神力と持久力は特筆に価するだろう。

2着のAlto Des MottesはChase5戦目ながらも力を見せた。11st4lbを背負って、軽量馬が飛ばす中を好位で追走する持久力とスピードは今後も要注意である。最終障害でミスが見られたようにやや若いところのある馬。ある程度苦しくなった際にいかに飛越でミスをしないか、ということは今後大レースを戦っていくときに重要なファクターとなる。まだ6歳と若い馬であり、今後の成長に期待と言ったところだろう。

10st2lbのGorgehous LliegeはここのところPUが続いていたものの3着と好走。気分よくいけたのが良かったのだろうか。

 

*Thurles Soft (Heavy in Places)

Kinlock Brae Chase (G2) 2m4f

Rubi Lightが引っ張る展開。人気のDon Cossackはやや集中力を欠いて鞍上に促して飛越を行う場面が散見されるも、残り2障害辺りで先頭に立つと、Rubi LightとMount Colahが接触する事象などを尻目に9馬身差の快勝。

Don Cossackは今年のCheltenham Gold Cup (G1)の有力馬と目されている一頭。King George VI Chase (G1)では余力をなくして落馬という結果に終わったが、中距離で相手関係も相当弱化したここでは貫録勝ちを見せた。ただし道中集中力を欠く場面があったのは気がかりである。チークピーシーズをつけるとの話だが。さらに、レースとしては非常に楽なものであり、かつ得意の中距離。長距離のタフなレースでどこまでやれるかは未知数であろう。また、鞍上はDon Poliとの二択になるらしい。鞍上の選択にも注意である。

Rubi Lightは残り2障害でミス。どうもこの馬は余力を無くすと脆い所がある。