にげうまメモ

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16/03/28 National Hunt Racing

*Fairyhouse Yielding to Soft

REA Grimes Property Consultants Juvenile Hurdle (G2) 2m

Jer's Girlの回避でやや寂しくなってしまったが。

非常にゆっくりしたスタートから逃げるのはTocororo。番手のNewberry Newをかなり引き離して逃げる。Slowmotionは3番手から。Tocororoはやや飛越に乱れがあったりと、若馬らしく引っ掛かり気味に逃げていたようだ。残り4障害辺りから後続が少しずつ差をつめてくる。Newberry Newの手ごたえは早々に悪くなる。代わってSlowmotion、RashaanがTocororoに襲い掛かる。残り2障害で先頭に立ったSlowmotionがRashaanを突き放し快勝。大きく離れた3着にNewberry New。

Slowmotionはフランスからの移籍馬。愛国初戦こそ2着に敗れたが、今回はさすがの安定した飛越を見せつけた。ただし2着のRashaanはApple's Jadeには完敗している馬なので、相手関係が課題だろう。

 

Rathbarry & Glenview Studs Novice Hurdle (G2) 2m

Attributionがスローで行く展開。このペースに業を煮やしたのか、Jettが代わって途中から先頭に。残り5障害辺りの下り坂辺りから少しずつペースは上がる。残り3障害辺りから中段にいたGeneral PrincipleとSutton Placeが外を回って進出。Royal Caviarは馬群の中から。残り2障害でSutton Placeが一気に先頭に立つも、これを外からRoyal Caviarが猛追。最終障害を越えた辺りでRoyal Caviarが先頭に立つも、これに猛然と反撃したSutton Placeが最後はゴール前で差し切り勝利。大きく離れた3着にはMoon Over Germanyが入った。

Sutton PlaceはこれでHurdle3戦2勝。前回はListedで同じくRoyal Caviarを下している。Royal CaviarはこれでHurdle6戦1勝2着5回ととにかく詰めの甘い馬のようだ。Sutton Placeが最終障害でミスをしたこともあり、今回こそはというところだっただけに残念な敗戦だろう。G2を2着から挑んだMoon Over Germanyは好位につけるも最後は突き放されての敗戦。上位馬とはやや力差があるか。

それにしても、B. GeraghtyとR. Walshという英愛を代表する障害騎手の追い比べはもの凄い迫力である。

 

Keelings Irish Strawberry Hurdle (G2) 2m4f

Sheamusが逃げる展開。英国のValue At Riskが好位から。ペースは人気薄のWalshらしくスローで進行。スタンド前ではこれに絡んで行ったGwencily Berbasが先頭に立つ。2周目に入るところから少しペースを上げたのか、やや馬群がばらける。2周目の途中からValue at Riskが先頭にたつ。番手にGwencily Berbas、Marchese Marconi。Dedigout、Plinth、Taglietelleは後方から。ペースはその後の下り坂でもさほど上がらず、スローで進行。しかし後方からの押し上げもさほど見られず。ペースは直線に向いたところで一気に上がり、そのままValue At RiskがMarchese Marconi、Dedigoutの追撃を振り切って勝利した。

Value At RiskはC2で2着がある程度の馬。本命と目されたDedigoutの仕掛け遅れもあり、他にもさほど実力馬がいないという相手関係にも恵まれた勝利だろう。またハンデも11st3lbと比較的楽だった点は否めない。

 

Irish Grand National Chase (Grade A Extended Handicap) 3m5f

本日のメインレース。スタートでRiverside Cityが大きく遅れるハプニング。さすがの大レースらしくそれなりに流れるスタートであり、第1障害で後方にいたCaptain Von Trappeが大きなミス。なんとか騎手が馬の首にしがみついて事なきを得る。とりあえずはRogue AngelとSub Lieutenantが先頭に出てくる。好位から昨年の勝ち馬Thunder And Roses、Portrait King、Folsom Blueなど。そのままRogue Angelが後続に5馬身ほどのリードをつける。ペースは流石の大レースらしく、それなりに流れる。第5障害で後方に居たRusse Blancが大きなミス。一周目の後半からペースは落ち、Rogue Angelのリードはなくなる。好位にいるのがSub Lieutenant、Kilford、Ballyadam Approach。中段からMy Murphy、Portrait King、Bless The Wings、Raz De Mareeなど。スタンド前の第11障害で後方にいたAnother Heroが落馬。この辺りからRusse Blacはやや馬群から置かれていた。2周目に入ってもレースは淡々と進行。やや逃げるRogue Angelが後続を引き離す。2周目の途中の丘の上の障害は誰かが派手に壊したのか迂回することになる(おそらくRusse Blac)。残り6障害辺りから少しずつペースが上がるも、Rogue Angelの逃げ足は衰えない。むしろ好位にいた昨年の勝ち馬Thunder And Rosesの手ごたえが悪くなり、同馬は後退。残り3障害ではRogue Angelが番手のBallydam Approachに大きなリードをつけるも、残り2障害辺りからBallydam Approach、そして馬群をスルスルと抜けてきたBless The Wingsが追ってくる。大外から追ってきたBearly Legalは飛越をミスし後退。満を辞して飛んだ最終障害ではBless The Wingsが完全に前に出るも、これをRogue Angelが差し返し、Ruby Walshの豪腕に応えて猛追してくるBless The Wingsを僅差凌ぎきり勝利した。3着にはBallydam Approach。

Rogue AngelはKerry National (Grade A)の勝ち馬。長距離Chaseで軽ハンデであれば馬場不問で走る馬だが、今回はとにかく気分よくいけたのが良かったのだろう。飛越にも大きなミスはなく、早めのスパートから最後尋常ならざる粘り腰を発揮する強いパフォーマンス。やや展開に注文は付きそうだが。2着のBless The WingsはここのところCross Countryを使っており、そちらでも結果を出していた。ここでも安定した飛越と、唯一後方から追い詰めるという立派なパフォーマンス。あの馬群を捌いてくるRuby Walshの手腕は流石の一言である。勝ち馬の粘り腰にこそ屈したが、Cross Country、長距離Chaseのいずれでも面白い馬であることは間違いない。Crystal Cupに参戦してくれると面白いのだが。3着のBallydam Approachは積極的な競馬で見せ場を作った。ただし9st12lbという軽ハンデが味方したことは否めない。11st台の馬があまりいなかったという点はあるが、さすがに上位2頭と比べると力差があるだろう。