にげうまメモ

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16/04/29 日本酒

*日本酒

飲んだ日本酒に関する雑記というか個人的な感想。

 

秋田県 栗林酒造 春霞 栗ラベル 白 酒こまち 生

酒こまち50%、亀山酵母仕込み。びっくりするくらい綺麗な酸の飲み口から、立ち上がるのは酸味を基底に持つ米の柔らかく、ふくよかな甘味。ここに米の嫌味は勿論のこと、渋味や苦味といった一種の飲みにくさを誘引するような要因は一切感じられない。残るのは米の味から来る自然な渋みといった程度で、これも綺麗に抜けていく。まさに酒こまちの美しさを存分に引き出した酒だろう。純米大吟醸と言って飲まされたら騙される酒。とにかく食事を邪魔しないので、蔵元さまのコンセプトどおり、極上の食中酒と言っていいだろう。

 

・神奈川県 大矢孝酒造 残草蓬莱 Queeen 純米吟醸槽場直詰生原酒

麹米に山田錦、掛米に出羽燦々を使用したもの。精米歩合は60%/60%というスペック。アルコール分は12%と比較的低め。びっくりするくらい軽快な甘酸っぱい飲み口から、甘味がふわりと優しく広がる。どちらかというと酸味よりも甘味が勝ったタイプだが、米から来る自然な甘味というよりは中々に存在感を主張するしっかりとしたもの。後味が綺麗に抜けていく。低アルコール酒にありがちな「薄さ」というものはここには一切感じられず、とにかくしっかりとした甘酸っぱさをしっかりと主張してくる。この甘酸っぱさには好みが分かれるだろうが、甘党には溜まらない酒だろう。一種の米臭さも感じられず、これは中々に美味い。飲み口はとにかく軽いので、飲みすぎに注意と言ったところだろうか。

 

・栃木県 せんきん クラシック仙禽 亀ノ尾

ドルーヌさくら・亀ノ尾50%。軽やかな甘味が際立つ口当たりに、ジワリと忍び寄る仙禽らしい爽やかで主張しすぎない酸味が主旋律となり、ここに亀ノ尾らしい綺麗な渋みと底にある苦味が絡みついているボディ。比較的米の味を主張しすぎず綺麗に抜けていくが、杯を重ねると心地の良い苦味と渋味が口の中に残るようになる。とにかくこの亀ノ尾の味が緻密で、そして仙禽らしい酸味との調和が美しい。雑味や嫌味はもちろん全くない。一口飲んで特別華やかと感じる酒ではないが、しっかり味わうほどその完成度の高さと奥深さが感じられる傑作。冷でも常温でもいける。むしろ冷から初めて、少しずつ温度の上昇に伴う顔つきの変化を楽しむくらいでも面白いと思う。

 

秋田県 新政酒造 新政 No.6 X-type 2016

掛米・麹米ともに40%/40%。使用酒米は不明。微かに炭酸を含んだ飲み口が印象的な口当たりは比較的柔らかい酸味。ここから強めの酸味と辛味の混ざったボディがガツンと来る。残るのは苦味と渋味の混ざった米の味。比較的雑味はなく綺麗な後味だが、飲んだのが4月と早かったせいか、以前飲んだとき(8月頃)よりもどこか後味が尖っていて硬い印象を受けた。もしかすると製造年によっても違うのかもしれない。個人的には昨年度夏に飲んだものはやや淡白に過ぎる印象を受けたので、X-typeとしてはこちらの方が好みだが、もしかすると夏頃に出ているものはまた味が変わってきているかもしれない。

 

・埼玉県 南陽醸造株式会社 花陽浴 美山錦 瓶囲い無濾過生原酒

美山錦の48%磨き。口当たりはがっつりとした華やかな甘味が来る。ここにじわじわと酸味が忍び寄ったと思いきや、美山錦の苦味、渋味が混ざった複雑な味が主旋律である甘味に襲い掛かる。後味はこれらの複雑な味わいがある程度の余韻を残しつつ、綺麗に抜けていくが、どこか甘味の立体的な余韻が残るのが印象的と言ったところだろうか。この立体的な甘味は美山錦のものではないと思うので、この辺りは好き好きかもしれない。最近評価が急上昇し、入手が困難になっている酒だが、まさにその評価通りの言ったところだろう。これは美味い。それなりに苦労してでも手に入れたいと思える酒である。

 

奈良県 油長酒造 風の森 愛山 純米しぼり華

まさかの愛山80%磨き。今年から一般にも流通するようになったものらしい。口当たりは風の森らしい強めの炭酸の混じった酸味が特徴的。裏ラベルにあるとおりマスカットを思わせる軽快な味わい。しかしここからが愛山80%の真骨頂。若干の綺麗な渋味を感じさせつつ、口の中に綺麗で立体的な世界が広がっていく。80%のため若干の苦味・渋味はあるが、この雑味のなさと透明感は素晴らしいの一言。風の森というと強い炭酸を伴った特徴的な味わいというイメージがあるが、この緻密なまでの愛山の活かし方は蔵元の高いポテンシャルを感じさせるもの。かなり旨い。愛山という酒米が好きならば外せない一品だろう。

 

滋賀県 笑四季酒造 マニアックラヴ #1 星空シネマパラダイス

玉栄の磨き50%。軽快な酸の口当たりから立ち上がるのは星空の如く多様で立体的な味覚の饗宴。そこには甘さ、酸っぱさ、苦味、渋味、多様な味覚が複雑に入り混じり、奥深く緻密な世界を構成する。後味は酸味と渋味が合わさって抜けていく。冷酒であると比較的酸味が際立っていたが、常温に戻すとよりこの立体感と膨らみが強調されていく。何やら奇をてらったような名前の酒だが、中身はかなりしっかりと作られた食中酒と言ったところだろう。料理は比較的相手を選ばないと思う。強烈な個性という点ではやや物足りないが、その完成度の高さは特筆すべきものがあるだろう。

 

・長野県 尾澤酒造場 十九 Diciannove

美山錦・ひとごこちの65%精米。長野B酵母という特殊な酵母を用いた酒らしい。口辺りは比較的鮮烈な酸味と辛味。冷酒だとこれが主体となって、最後にどこか米臭さを感じさせる苦味を残していく。常温に戻すとどこか土臭さを感じさせるようなアルコールの風味と、苦味、渋味が混ざった複雑な味わいが主体となる。キノコというとそんなイメージだろう。口当たりから想像するに比較的辛口で切れていくかと思いきや、意外にも主体は米臭い苦味という中々にプログレッシヴな味わい。この独特の臭みは好き好みが分かれるだろうが、個人的にはなかなか面白い酒であると感じた。

 

秋田県 新政酒造 ヴィリジアンラベル

美郷錦の40%/55%磨き。昨シーズンはかなり入手困難だったが、今シーズンは比較的入荷数が多く、入手が容易になっているようだ。もっとも、入手容易と言っても難易度の高さは相変わらずだが。口辺りは新政らしい酸味の勝った爽やかなもの。ここから立ち上がるのは美郷錦らしい綺麗で複雑な、かつ立体的で緻密なボディ。すなわち苦味、渋味を含みながら、どこか甘酸っぱく可憐な、それでいて力強い、まるで大和撫子のイメージのような多様な因子を含んだ美しい味わい。後味は特に雑味もなく綺麗に抜けていく。まさに美郷錦の良さを思う存分に引き出した傑作。これは美味い。可憐だが力強く、食中酒としても単独でもいける。ここまでの完成度を誇る酒は中々ないだろう。一見して派手さや華やかさを感じるような酒ではないが、飲み進めるごとにその完成度の高さに感嘆せざるを得ない。コスモスと双璧を成す逸品。見つけたら即買いして損はしないだろう。

 

高知県 西岡酒造 久礼 あらばしり

吟の精の50%磨き。口当たりは甘酸っぱさを含んだ軽やかな味わいだが、ここから米臭さがガツンと来る。この苦味と渋味を含んだ米の味が口いっぱいに広がり、後味まで残る。確かに酸っぱさと辛味が僅かに存在するが、どちらかというと吟の精の米臭さを中央に出してきた酒。これはこれとして完成度は高く、好みは分かれるだろうが、緻密な味わいというよりはどちらかというと米臭さをドカンと中央に出してきた力強い酒なので、繊細な味わいを感じにくくなってくる酔っ払ってからの方が良いだろう。個人的には残念ながら前述のヴィリジアンと飲んだせいか、その大雑把な味わいと雑味が目立ってしまった。リピートはない。

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