にげうまメモ

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16/07/13 日本酒

*日本酒

相変わらず飲んだ日本酒の感想。

 

秋田県 新政酒造 エクリュ 別誂え 中取り

今年から出たエクリュの中取り。磨きは酒こまちの40%/60%。仄かに甘さを感じるフルーティな香り。口に含むとまずやってくるのは比較的軽やかな酸味。ここに甘味を軸に持ちながら、酸味を表に出したしっかりとした味わいがやってくる。微妙に渋味を底に感じさせながら、その味はエクリュノーマルと比較するとやや濃厚でしっかりとした甘酸っぱさである。後味は若干の渋味と甘味を残しながら、しかしこの比較的濃厚な味わいにも関わらずさっぱりと引いていく。嫌味や米の臭みといった要素は全く感じられない。常温まで戻しても甘味が前に出てくることはなく、あくまで酸味を支えるといった味の構成。それにしても、一つ一つの味、その構成バランス、どれを取っても一級品。そのどれもが非常に緻密であり、濃厚でありながら女性的な柔らかさと軽やかさを持つ素晴らしいものである。エクリュが好きな人にとっては見つけたら即購入して間違いないだろう。

 

秋田県 新政酒造 ラピス 別誂え 中取り

 こちらは去年も出たラピスの中取り。美山錦の40%/50%。口に含むと若干の辛味を混ぜ合わせたような、女性的で軽やかな酸味がしっかりとやってくる。続いてやって来るのは美山錦らしい複雑な味わいをベースに含んだ甘味だが、ここに苦味や渋味がそれなりに主張してくるので、味わいとしては甘味を中央に置きながらもその余韻を美山錦の味によって響かせているというもの。後味は綺麗に抜けていくが、若干の渋味が残る。昨年度のものよりは比較的すっきりとした印象。それにしても、この芸術的なまでに洗練された飲み口から、立体的で膨らみのある重層的なボディ、この一連のメロディは流石と言うしかない。一口飲んで華やかと感じられるような酒であり、その緻密なまでの味の構成とバランスはもはや芸術品の域に達しているだろう。

 

・栃木県 せんきん 仙禽一聲

ドメーヌさくら・山田錦の35%/35%。冷酒であると口に含むと仙禽らしい軽やかな酸味。しかしこの酸味は意外なほど爽やかで、かつ幽かに消えていく。ボディは比較的しっかりとした甘みを基調に、山田錦らしいクセと立体感・複雑かつ緻密でふくらみのある世界観を前面に出しつつも実にフルーティで瑞々しい軽やかさを出してくる。渋味と苦味は存在するがあくまでこの酒の軽やかさに花を添えつつも、ベースラインを奏でるといったもの。常温まで戻すと酸味は控えめに、やや辛味を主張しながらも甘味を主体にしながら山田錦のよさを前面に出してくると言った印象。山田錦の35%として単に綺麗な酒だと侮ってはいけない。緻密なまでに設計された芸術的な味の移ろいがここにはある。飲めば飲むほどにその美しさと華やかさが感じられるだろう。

 

・栃木県 せんきん Dolce Aroma

日本酒とすら思わせない派手なラベルは一見の価値あり。夜天使「流れ星のように降りてきた小さな太陽」とのこと。スペックはドメーヌさくら・ひとごこちの50%磨き。ボルドー培養ワイン酵母・X5を用いた12%の低アルコール酒。口当たりはもはや白ワインを思わせる甘酸っぱくフルーティな味わい。そのまま自然な甘酸っぱさが軽やかに流れていき、若干の渋味によって立体的な世界を作り出す。どこかしらに白ワインとは異なる風味が流れており、これが日本酒ならではのものなのだろう。ボディはしっかりと甘酸っぱさが主張してきており、実に果実味溢れる爽やかなものとなっている。低アルコール酒ならではの飲みやすさと爽快さを持ちながら、主張の強さを残した逸品。ワイン酵母を用いた酒は数多く存在するが、これはその中でも最高ランクに完成度の高い作品だろう。

 

・栃木県 せんきん 仙禽 ナチュール・ドゥ

亀の尾の90%以上磨き、酵母無添加、蔵付酵母、生もと酵母という超古代製法で作られた変態酒。ナチュールシリーズはタンクごとに販売されるらしいが、その第二弾。ナチュール・アンと異なるのはやはりその口当たりか。ナチュール・アンでは軽やかな甘酸っぱさを感じたが、ナチュール・ドゥでは米の渋味や苦味を底に持ちながら辛味と酸味が緻密に絡み合ったような味わい。軽やかというよりは芯をしっかりと持つものである。そして、ここからがこの酒の真骨頂。優しく身体にしみこむような甘味を主体としながらも、亀の尾らしい綺麗な渋味と苦味をふわりと醸しだしながら、口の中で柔らかく立体的な世界が広がる。この自然な膨らみはもはや日本酒の域を超越しているだろう。後味は比較的この曲線的な世界観が残っていく。決して軽やかに杯を重ねられる酒ではないが、このふくよかな世界を体験する価値は十二分にあるだろう。

 

秋田県 新政酒造 新政 No.6 S-type Essence

秋田県産米40%/50%。S-typeを圧力をかけずに絞ったものとのこと。一瞬市場に流通して一瞬にして消えたレアもの。口当たりは微炭酸の混じった比較的酸味と辛味が主体だが、比較的渋味と甘味が混じっているためかなり柔らかい印象。ここから綺麗な渋味と甘味が主旋律になりながら、ふわりと軽やかな余韻を残しながら消えていく。以前飲んだS-typeよりも曲線的かつふくらみのある世界観を演出している。それでいながらS-typeらしい主張の強さがあるため、非常に立体的でかつ芯のある味わい。個人的にはやや綺麗に過ぎるX-typeよりもやや複雑な味わいを残したS-typeが好みなので、この非常に柔らかで様々な味わいを混在させた立体的な世界観は非常に美しく感じた。常温まで戻すと酸味と辛味は薄れ、より柔らかな味わいになる。S-typeの主張の強さが好みな人には間違いなく面白い酒だろう。入手困難なのが心から悔やまれる。

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