にげうまメモ

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16/08/29 日本酒

*日本酒

飲んだ日本酒の雑感とか感想とか。

 

・2016年度新政酒造特別頒布会 「日本酒古典技法大全」

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去年に引き続き新政酒造特別頒布会。昨年に比べるとかなり製造本数が少なくなっており、昨年は一般向けに予約を受け付けていたところでも今年は飲食店向けのみなど、相当窓口が狭くなっていたようだ。とりあえず運よく予約できたが来年は分からない。今年は過去日本酒の製造技術として使われていたものの、現在では使われていない技法を復活させたものらしい。どう考えても困難な酒造りだと思うのでこの入荷本数の少なさは仕方ないものがあるだろう。

なお全て使用米は酒こまち。特別な記載がない限り精米歩合は40%/60%。パンフレットに詳しい製法は載っている。

 

1-1 九割四分磨き精米

その名のとおり94%精米という超低精米酒。写真がパンフレットに乗っているが、米がびっくりするくらい茶色い。そして酒自体もやや茶色掛かっている。冷酒であると、その口当たりの爽やかさに比して低精米らしい重さがやや酒自体のバランスを後方に置きすぎている感があるが、これが常温になってくるとそのふくよかな世界観が花開いて来る。非常に軽快でエレガントな口当たりから、冷であると単なる重みと感じられた味わいが柔らかで立体的な酸味へと美しく花開く。この味わいは単なる甘酸っぱさだけではなく、渋味、苦味、旨味などを若干内に秘めた非常に複雑で調和のとれたもの。特にこの柔らかさと味わいの複雑さは特筆すべきものがあるだろう。しかしただ膨らみのある世界であるだけでなく、その中心にしっかりした酸味が存在し、味わいに軸を作り出しているのが素晴らしい。全体としては94%とは思えないほど綺麗で軽快な、そして透明感のある世界を作り出している。まさに芸術品と言うしかない日本酒である。

1-2 天然酵母仕込み純米

通常のきょうかい6号酵母ではなく蔵付天然酵母を用いたもの。天然酵母の中から酒造りに適した酵母を選択淘汰する過去の技術を用いて作られた。口に含むと新政とは思えないほどの軽快な飲み口。この透き通るような世界観は一四代など非常に綺麗な日本酒を思わせるそれである。そのまま特徴的な味わいや旨味、苦味などを主張することもなく、味わいも爽やかに抜けていく。若干の酸味が感じられると言ったところだろうか。物凄く綺麗な純米大吟醸というイメージであり、精米歩合20%と言われても騙される酒だろう。常温まで戻すとやや酸味が目立ってくるが、渋味などが出てくることもなく、とにかく飲みやすく爽やかな酒。雑多な酵母が存在する中からここまで美しい酒を作ることが出来る酵母を選択するメカニズム、その完成度の高さには畏敬の念を禁じ得ない。

 

2-1 鼎発酵純米

通常の酒造りにおける「複発酵」に加え、乳酸発酵を同時進行で行わせる手法。非常に爽やかでありながら重層的な酸味が強く、若干の甘みがある。とはいえとにかく口当たりには酸味が強く、これは若干の旨味を含みつつ甘味を絡ませながら襲い掛かってくるため、軽やかというよりは鉈のキレ味と言った印象。若干の苦味が遅れてくる。ここに辛味は混じっていないのは不思議な感覚だろう。二口目以降はおそらく旨味や甘味の底に存在する渋味が少しずつ口の中に残る。常温に戻してくると、おそらく酸味を構成する中に存在していた苦味がそれ自体で存在を主張してくる。とはいえ飲み口は非常に強く、厚みのある酸味が主体。後味には若干の苦味が残るとはいえ酸味から出た自然なもの。とにかく、この重層的かつ複雑でありながら強烈に主張してくる酸味が面白い。酸味が基調となった酒が好きな人にはその製法も含めて間違いなく興味深い酒であるだろう。

2-2 元禄仕込み純米

元禄時代に行われていた製法を再現したもの。当時は濃厚甘口酒がほとんどだったそうだが、これ自体の飲み口はまるでフルーツを思わせるほど軽やかかつ爽やかな甘酸っぱさが特徴的である。まるで杏子のようだ、よいう感想を頂いた。後味は綺麗に抜けていき、非常に飲みやすい。常温ではやや酸味は引っ込み、甘味が主体となっていく。とはいえこの甘味はべたべたしたしつこいものではなく、とても軽やかでジューシーなもの。まるで果実酒か何かだと錯覚するほどの甘酸っぱさである。その中には苦味や渋味といった日本酒にありがちな、また底に存在してその世界観を複雑にするような味は感じられず、とにかく瑞々しい甘酸っぱさを前面に押し出してきている酒である。これは美味い。もはやその気になればいくらでも飲める酒だろう。ちなみにこの日本酒会では一番最初に売り切れた。

 

3-1 生米麹仕込純米

蒸米ではなく生の米を用いてそこから麹を作ったもの。冷酒であると、新政に特徴的な酸味はあまり感じられず、やや苦味が強いものの比較的軽やかな甘味を持った爽やかな味わい。この甘味は決して厚ぼったいものではなく、どちらかと言うとさっぱりと抜けていくもの。遅れてやってくる苦味と旨味がそれなりに主張するので、後味としてはどちらかと言うとその辺りの味わいが残る。常温に戻すと、ややこの味わいがふっくらと開いてきて、口当たりは柔らかでふくよかな甘味。ここから苦味をそれなりに強く伴った旨味が若干の酸味を連れてやってくる。とはいえこの味わいは非常に透明感に満ちたものであり、その要素一つ一つは勿論、味わいのバランスと移り変わりまでが素晴らしく完成されたものである。旨味がしっかりとありながらもとにかく綺麗な酒。いわゆる日本酒のイメージに近い酒かもしれないが、その完成度は驚嘆すべきものがあるだろう。

3-2 再仕込み貴醸酒

陽乃鳥オークを加えて醸した酒。一見した飲み口はあまり貴醸酒らしくもない爽やかな味わい。酸味を主体としながら、そこに甘味が絡みついて来る。この爽やかさに騙されかけるが、二口目に来る甘味の深さがこの酒が再仕込み貴醸酒であることを饒舌に物語っている。他の味わいをさほど含まないながらも非常に立体的でどこかそれ自体で完成された甘味の世界。その甘味も決して人工的な角ばったものではなく、非常に柔らかでふわりと口の中に広がる美しく、そして芳醇な世界である。やや口当たりの酸味が強いため刺激があるが、その刺激の余韻がまた甘酸っぱさの膨らみに素晴らしい花を添えている。かつて紫八咫に惚れた人間にとっては涙が出るほど嬉しい一品。そしてその完成度は比類なき高さを誇っていると言えるだろう。

 

泡盛

ちょっとお土産で買ってきたので。

 

・識名酒造 時雨 43度

香りはさすがにアルコール臭さが鼻につくも、これに慣れると華やかな香りが漂ってくる。ストレートであるとややアルコール度数の高さが辛いが、ロックであると口に含んだ途端、黒糖を想わせる非常にコクと旨味、そして奥深さを持った甘味が感じられる。後味には若干の渋味と苦味を残しつつも、辛味と酸味を混ぜつつ爽快に切れていく。若干の旨味が残るのがまたよい余韻を響かせている。アルコール度数こそ高いが、その中には非常に薫り高く、そして芳醇な味わいが秘められている。沖縄に行くのならば再度手に入れたい逸品。

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