にげうまメモ

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16/09/14 National Hunt Racing

*Listowel Heavy

Guiness Kerry National Handicap Chase (Grade A) 3m

Gas Line Boyがやや注文を付けて逃げる展開。これにYour Busy、Rightville Boy、Ballycaseyなどが好位置から。早々にShesaportraitは後方に遅れる。2周目の入り口からYour BusyがGas Line Boyに絡んでいき、Gas Line Boyがこれを受けてペースアップ。馬群はかなり長くなり、Heavyの長距離戦としてはかなりしっかりとしたペースで流れる。第5障害で中団にいたPhil's Magicが落馬、これに躓いたKiller Crowも落馬。3周目辺りから好位置で追走していたBallycaseyがGas Line Boyに絡んでいき、ペースは緩まずに進行。残り5障害からBallycaseyが先頭に立つも、ここからGas Line Boyが抵抗、先頭をすぐに奪い返す。残り3障害辺りからこれを内から救ったRightville Boyが先頭に。さらに抵抗を試みるGas Line Boyを筆頭に、Wrath of Titans、Lord Scoundrelが追う。残り2障害でLord Scoundrelが落馬、Rightville Boyは逃げ込みを図るも、最終障害を越えて一気に加速したWrath of Titansがこれを交わし去り5馬身差の勝利。3着にはGas Line Boyが入った。遅れて4着にThree Kingdoms。Ballycaseyは最後脚が上がり5着まで。

鞍上のLisa O'Neillは女性騎手としては初のKerry National (Grade A)制覇となった。Wrath of Titansは大レース勝ちこそないが、長距離のハンデ戦で軽量ながら完走を続けてきた馬。今回は9st3lbという裸同然の軽量、また持続的なスピードを要求する展開も向いたのだろう。斤量が今後の課題となるだろうが、少なくともこのような展開を追走し、最終障害を越えてからもう一伸びを見せた高い持久力は評価したい。Rightville Boyは前々で運び見せ場を作った。この馬も9st5lbという軽量で、重馬場とペースの速さが向いたのだろう。英国からの挑戦馬Gas Line Boyは勇敢に立ち回っての3着。競ってきた馬はほぼ潰しているだけに力は見せている。Grand National (G3)への挑戦歴がある馬であり、やや前半から鞍上が押していくところがあっただけに今後はペースが課題だろうが、このような大レースでは侮れない一頭か。惜しかったのがLord Scoundrel。Galway Plate (Grade A)を軽量で勝ってきた馬だが、11st4lbとなったここでもこれだけ走れれば次走は怖いところだろう。