にげうまメモ

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16/09/25 Italy Racing

*Merano Tempo Bello - Terreno Morbido

UNIPOLSAI ASSICURAZIONI Euro 7.000 TRIO 3000m

per cavalli di 4 anni ed oltre (Cross-Country -  CONDIZIONATA  - G.R.-AMAZZONI-PATENTATI F.I.S.E.)

アマチュア騎手によるレース。どちらかというと乗馬用の服のような赤の外套を着た人とかもいる。

Monti Realeが軽快に逃げる展開も、途中の二連続障害をミス。番手にいたAll About Cossioがそこで先頭に代わると、そのまま逃げ切り勝利した。人気のChic Anti Shockは3着まで。

レースとしては駆けっこの類だろう。All About Cossioは2013年にPremio Ezio Vanoni (Steeplechase G2)勝ちのある実力馬だが、その後はやや勝ち星からは遠ざかり、ここのところはポーランドのPartyniceを使っていた。今回は比較的難易度の低い障害が連続するコース、おそらくMilanoのCross Countryが良いだろう。Chic Anti Shockは元々2013年にMeranoのCross Countryで結果を残してきた馬だが、2015年に復帰してからは精彩を欠く。特に短距離戦ばかりを使っている点は気になるところ。

 

CORSA SIEPI DEI 4 ANNI-TROFEO Euro 44.000 TRIO 3500m

per cavalli di 4 anni (Siepi -  GRUPPO II  - FANTINI)

葦毛のNadatとKifaayaが並んで引っ張る展開。これをRed Shirt、Tamasが追いかける。Kifaayaは少しずつペースを上げ、残り2障害ではやや丁寧に飛ぶ余裕を見せながら、そこからNadatを突き放すと最後は4馬身差の快勝。Nadatが2着に粘った。

KifaayaはCriterium di Primavera (Siepi G2)でNadatを下してきた馬。ほぼその再戦のようなメンバー構成になった今回はさすがの力を見せた。残り2障害を丁寧に飛んでから再度加速したパフォーマンスは、着差こそわずかだがスピード能力という点では抜けているだろう。これからチェコのStccかイタリア障害かどちらを使うかはわからないが、いずれにせよ楽しみな馬である。

 

GR.CRIT.D'AUTUNNO-TR.IL PIDO Euro 60.500 TRIO 3300m

per cavalli di 3 anni (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI)

カメラに虫がついてる件。頑張ろうぜ中継。

人気のSanto Cerroが軽快に逃げる展開。これをSevilla Realがぴったりとマーク。対抗角のAmaranthusも好位に構える。Santo Cerroは少しずつペースを上げ、徐々に位置を上げてきたGolden Helloを残り2障害辺りから振り切ると、最後は差を広げて5馬身差の快勝。Amaranthusは3着まで。

Santo CerroはWroclowにて頭角を現し、前走のEttore Tagliabue (Siepi G3)にて、楽勝かと思われたところで鞍上のFerhabov Sertashがコースをミスして競争中止という不運に見舞われた馬。今回はきっちりとその借りを返す勝ち星を上げた。やや飛越に雑なところは見られたが、スピードの持久力という点ではここでは抜けているだろう。同レースの2着に入ったGolden Helloはまたしても勝ちきれない2着。さほどトップスピードに優れた馬ではないだけに、今後も勝ちきれないレースが多いかもしれない。Amaranthusはこのペースでは最後脚が上がり3着。やや力差があるだろう。

 

LXXVII GRAN PREMIO MERANO ALTO Euro 250.000 TRIO 5000m

per cavalli di 4 anni ed oltre (Steeple-Chase -  GRUPPO I  - FANTINI)

本日のメインレース。アイルランドからAlelchi Inois、フランスからAllen VoranとChiffre d'Affaires、ドイツからFalconettei、そのほかお馴染みの地元のイタリア勢及びチェコ勢と、総勢5か国から参戦馬を集めた。

レースは思ってもみなかった形で幕を開ける。スタート直後からフランスから参戦したChiffre d'Affairesが大逃げを打つ。イタリア障害としてはかなりのハイペースで飛ばし、後続に大きな差をつける。スタート直後の障害でFalconettei、続いてDominatoが落馬。大逃げを打つChiffre d'Affairesを追いかけていったのがLarsen Bay。さらに遅れてHigh Master、Alelchi Inoisと続く。Allen Voran、Mazhilis、Alycydon Fanは後方から。Alpha Twoは早々に遅れる。Chiffre d'Affairesは軽快に逃げるも、中盤の巨大生垣にて着地を失敗する形で落馬。Larsen Bayのリードは少しずつなくなり、途中からMazhilisが先頭に。Allen Voran、Alelchi Inois、Fafintadenientがこれを追う。High Master、Nelly Darrierなどは遅れる。生垣でミスをしたAlelchi Inois、さらに余力をなくしたFafintadenientを残してMazhilisがペースアップ、これをAllen Voranが追う。しかし最後までAllen Voranの追いこみをMazhilisがしのぎ切って勝利。Alelchi Inoisは最後盛り返すも3着まで。

これは驚いた。Mazhilisはほぼ最低人気に近い馬。チェコからの参戦になるが、前走初めてMeranoのListedを勝利とイタリアではほとんど実績がなかった。しかし、Chiffre d'Affairesがかなりのペースで飛ばすことによってイタリアのペースに慣れた馬が次々と脱落する中、フランスSteeple(Prix General Christian d'Arbonneau)に挑戦し2着と健闘、チェコでもStříbrná trofej skupiny Profireal Group (Stch NL)にてKhalshaniに3着と、イタリアに比してペースが速くなりがちな中で踏ん張ってきた経験は生きただろう。比較的飛越も安定しており、最後までAllen Voran、Alelchi Inoisなどの強豪相手に踏ん張った能力は高いものがある。これは新たなスターホースの誕生と言ってもよいのではないだろうか。

Allen Voranは力を見せるも2着まで。Meranoでは2012 Grande Steeplechase d'Europa (Steeplechase G1)にてAlpha Twoの2着のある馬であり、これが途中に2年近い休養を挟んで久々のイタリア遠征となる。母国でも安定した成績を残している馬であり、その飛越能力・スピード持続能力ともに高いものがある。再度のイタリア遠征が楽しみだろう。アイルランドから参戦したAlelchi Inoisは3着まで。やや後半の生垣障害にて着地をミスする場面があり、アイルランドと違った障害に戸惑った可能性が考えられる。最後まで差は詰めているだけに、やや障害にてブレーキをかけてしまった点は悔やまれるだろう。Fafintadenientは比較的SteeplechaseよりもSiepiにて好走歴のある馬だが、今回は比較的後半まで見せ場を作った。この4着は評価してよいものではないだろうか。2013-14 Gran Premio Merano (Steeplechase G1)を連覇したAlpha Twoは全くペースについていけずPU。Gran Steeplechase D'Europa - Sportforyo (Steeplechase G1)にてLe Costaudの3着に入ってきたAlcydon Fanも見せ場を作れず。ドイツから参戦したFalconetteiはなんでもないSiepiでの落馬。やや残念な結果となってしまった。台風の目玉となったChiffre d'Affairesも勿体ない落馬。かなり高いMeranoのSteeplechaseでよくあるミスであり、この馬がどこまでやれるかは興味深い点であった。