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にげうまメモ

障害競馬と艦隊これくしょんの個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/09/30 日本酒

日本酒

*日本酒

 

・栃木県 せんきん モダン仙禽 亀ノ尾 火入れ 2016

今年から製法が変わったモダン仙禽。亀ノ尾の35%/50%。香りは比較的フルーティなもの。冷酒であると口に含むと優しげな酸味がトップに来る。これを若干の苦味を含んだ非常に膨らみのある甘味が覆いつくし、そのまま綺麗に抜けていく。常温まで戻すとこの酸味が少し抑えられ、甘味がよりふくよかな立体性をもって広がり、そして若干の辛味を主張しながら抜けていく。この柔らかな広がりはどちらかと言うとドライな酒質を作り出す亀ノ尾からは考えにくいほどの美しさを持っている。その中にも亀ノ尾特有の透明感とクリアな酒質、そして綺麗なまでの酸味と苦味を共存させていることは特筆してよいだろう。まさに新たな仙禽の始まりを予感させる酒。この味の移り変わりはもはや芸術品の域に達していると言ってよいものである。

 

・栃木県 飯沼銘醸株式会社 姿 純米吟醸無濾過生原酒(ブラックインパク黒ラベル

山田錦・雄町の55%磨き。なかなかにフルーティな香りが特徴的である。口に含むとびっくりするほどの綺麗な酸味とともに、比較的強い甘味が襲ってくる。ここから雄町らしいやや独特のえぐみを出しながら抜けていく。口当たりの酸味こそ非常に爽やかだが、連れてやってくる甘味はかなり主張が強く、またボディの中には苦味がはっきり存在しているためさほど軽快な酒と言った印象はない。これはこれで非常に完成度が高いが、個人的にはここまでのクセは出さない方が好み。どちらかというと他の酒米を用いたものを飲んでみたいと思わせる一品だった。

 

佐賀県 富久千代酒造 鍋島 雄町 純米吟醸

雄町の50%磨き。香りはなかなかフルーティ。口に含んだ時はそれなりに主張のある甘酸っぱさ。ここから雄町特有のしっかりした米臭さが遅れて存在感を出してきて、それは後味までしっかりと残る。常温に戻すとやや口当たりの甘酸っぱさの中で酸味が引っ込み、代わりに辛味が出てくるようになる。トップは辛味と甘味へと分離し、雄町の米臭さと苦味がボディのなかでかなりの割合を占めるようになる。口当たりの軽さと、雄町の重い甘味とクセを同居させた逸品だが、個人的にはやや重さが気になったので別の酒米を用いたものを試したいところ。

 

・栃木県 せんきん 仙禽 ナチュール・キャトル

亀の尾の90%以上磨き、酵母無添加、蔵付酵母、生もと酵母、木桶仕込みという超古代製法。ナチュールシリーズはタンクごとに販売されるらしいが、その第4弾。今回から火入れバージョンとなる。口に含むと広がるのは淡く透明な酸。とにかくフルーティな甘酸っぱさを基調としながら、低精米らしい複雑な余韻を微かに響かせつつ綺麗に抜けていく。ここには若干の辛味と渋味を含むが、口当たりの甘酸っぱさのメロディーが強く存在し、決して重たさや嫌味は感じない。常温まで戻すとこの膨らみが花開いて来るが、仙禽のじゃじゃ馬の如き複雑で躍動的な世界観を持たせながら、その豊潤さは口当たりの碧み掛かった甘酸っぱさに立体性と奥深さを持たせるというもの。ラベルのクレヨン画「重なる碧」のイメージそのままの世界観だろう。火入れすることによって生酒ではやや発散しがちであった世界観に統一性と志向性が顕著に顕れている。もはや見つけたら即買いして損はしない酒だろう。

 

・栃木県 せんきん 霧降 純米吟醸 槽場詰め無濾過原酒 山田錦

山田錦の50%/50%。仙禽で有名な株式会社せんきんの別ブランドとなる。口当たりはせんきんらしい酸味があるが、ここに比較的ドライな辛味が若干遅れてやってくるのが特徴。甘味はあまりなく、どちらかというとクリアで硬質かつ上品な酒質。比較的強めに山田錦のクセがあり、苦味と渋味を残しながら若干の余韻を残しながら抜けていく。常温まで戻すと酸味が引っ込み、より辛味を主体としたドライな味わいが目立ってくる。仙禽に見られたようなじゃじゃ馬の如き複雑な味わいと言うよりは、どちらかと言うとエレガントで澄んだ印象の味わいだろう。しかしその中にも山田錦の複雑な味わいを一つの方向性へとまとめた上、よくありがちな磨いて綺麗にしただけの淡泊な味わいへと矮小化しているわけではないことは高評価。ただしもう少し山田錦のクセは抑えめの方が個人的には好み。

 

・栃木県 せんきん 霧降 純米大吟醸 亀口詰め火入れ 亀ノ尾

亀の尾の35%/50%。まろやかでフルーティな香りがわずかに漂ってくる。口当たりは仙禽らしい酸味があるが、山田錦と同様にどちらかというとドライな辛味が若干遅れてやってくる。甘味は冷酒であると後味の方に感じられるが、常温だとこれは引っ込み、渋味や苦味を底に持たせつつまろやかな余韻を響かせつつ抜けていく。複雑かつ躍動的な味わいを持つ仙禽と異なり、エレガントで澄んだ綺麗な酒質。しかし酒米のクセを抑えきれていなかった山田錦とは異なり、亀の尾を使いながらもその後味には立体的かつ調和のとれた余韻を響かせる。非常に完成度の高い酒。山田錦よりも個人的には好みだが、やはり仙禽らしい躍動するような多様な味覚の饗宴という点ではやや見劣るかもしれない。

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