にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/10/09 Velká Pardubická / Crystal Cup Guide

*はじめに

チェコ障害競馬における最高峰、Pardubice競馬場で行われるVelká pardubická s Českou pojišťovnou (Steeplechase-Crosscountry L)の簡単な解説。コースや障害、昨年の結果など。詳しいことはPardubice競馬場のHPなどを参照されたし。

 

【2019/11/20 追記】

なぜか注目記事に上がっていたのですが、以下に書いてあることはほぼ下記のホームページに移しました。当記事は2016年時点の情報に基づく内容があるので、注意してください。

worldjumpfan.jimdo.com

 

チェコ障害競馬

チェコ障害競馬はProutky (=Hurdle, PP)、Steeplechase (Stch)、Steeplechase-Crosscountry (Stcc)の3種類に分けられる。日本障害競馬にこのようなカテゴリー分けは存在しないが、たいていの障害競馬を開催する国(イギリス、アイルランド、フランス、チェコ、イタリア、ポーランドスウェーデンノルウェー、オーストラリア、ニュージーランドアメリカなど)では飛越する障害の形態に応じてHurdle、Chaseの区分が存在する。イギリス、アイルランドではCross CountryはChaseに含むが、イタリア、フランス、チェコなどではChaseとは別にCross Countryの区分が存在する。

チェコ障害競馬の規模は日本障害競馬に比べるとやや大きい。チェコ競馬(パートⅢ国)自体の規模は比較的小さいため、全体の競馬に対する障害競馬の割合はかなりのものを占める。チェコダービー勝ち馬が障害競馬に転向することは頻繁にあり、Velká pardubickáを2012-14年と3連覇した女傑Orphee des Blinsが3年連続でチェコ年度代表馬に選ばれていることからも、チェコ競馬界における障害競馬の重要性は分かるだろう。障害競馬はPardubice競馬場のほか、Brno競馬場、Lysá nad Labem競馬場、Most競馬場、Karlovy Vary競馬場などで行われているが、その中心となるのはPardubice競馬場である。Hurdle、Steeplechaseも数多く行われているが、最も人気を博すのがSteeplechase-Cross Country (以下Stcc)である。その中でもVelká pardubická s Českou pojišťovnou (Stcc L)は最高峰のレースであり、Stccを使う馬は基本的にこのレースを目指してくることになる。

 

注1. Proutky

Cena za podpory Olympijského parku Pardubice 2016

Proutky II.kat. - 3900 m, cena, 4letí a starší 120.000 Kč

チェコでは他の障害競馬開催国と比較するとHurdle競争は盛んではない。ただし、Hurdle競争が開催される競馬場自体はそれなりに多く、レースの数自体はそれなりにある。Pardubice競馬場では外周を囲むコースがHurdle / Steeplechaseに用いられる。障害の形態としては比較的ニュージーランドに近く、イギリスやオーストラリアなどと違って馬が脚をぶつけても障害が倒れないようになっている。

 

注2. Steeplechase

Stříbrná trofej skupiny Profireal Group

Steeplechase NL - 4400 m, cena, 4letí a starší 300.000 Kč

他国のChaseに比べるとやや地味なSteeplechase競争。Stchを主に使う馬はそれなりに存在し、イタリアなどへの遠征もある。水準としてもチェコ競馬(パート3)としてはかなり高く、イタリア辺りの障害競馬でも十二分に勝負になる。ちなみにポーランドではチェコ調教馬が無双している。ただし、イタリア遠征を行う場合はHurdle競争 (Siepi)を使うことが多いようだ。障害としては斜めに立てかけられた柵の後ろに生垣が設置されたもの。難易度は国際的に見るとかなり低いほうである。なお、障害は見ての通り可動式。このような可動式のSteeplechaseはニュージーランドの一部やオーストラリアでも見ることが出来る。

 

注3. Steeplchase Cross Country

Cena společnosti VCES a.s. - Cena Labe

Steeplechase crosscountry L - 5200 m, cena, 6letí a starší 700.000 Kč

チェコ障害競馬においてやはり最も有名なのがSteeplechase Cross Country。基本的には何回かHurdleやSteeplechaseを使ってからこのクラスに挑戦してくることが多い。チェコ調教馬の他国への挑戦は比較的多く、イタリアやポーランドへは積極的に遠征している。

 

・前哨戦とVelká pardubická開催

Velká pardubickáに向けては4つの前哨戦が存在する。5月の段階で一次登録があり、その後の前哨戦で権利を取ることで改めてVelká pardubickáへの出走が可能になる。前哨戦は5月、6月、8月、9月にPardubice競馬場にて行われ、それぞれでVelká pardubickáを目指す有力馬が出走する。

Velká pardubickáは10月の第二日曜日に行われる。同開催はチェコ障害競馬における最大の開催であり、多くの大レースが行われる。例えば4歳限定のCena ČASCH podporovaná společností Bělecký Mlýn (Stcc NL)、5歳限定StccであるCena firmy Chládek a Tintěra, Pardubice, a.s. - Cena Jana Kašpara (Stcc NL)。牝馬限定戦であるCena Pivovarů Staropramen - Cena Laty Brandisové (Stcc NL)も行われる。他にも5歳以上短距離StccのPoplerův memoriál skupiny Profireal Group (Stcc NL)、5歳以上中距離StccであるCena hejtmana Pardubického kraje - Cena Vltavy (Stcc NL)。6歳以上Stccであり、同日の準メインであるCena společnosti VCES a.s. - Cena Labe (Stcc L)もまた数多くの強豪を集める。そして、同日のメインレースは何と言ってもVelká pardubická s Českou pojišťovnou (Stcc L)である。その熱狂は最高潮に達し、普段は長閑で小さなParduice競馬場もこの日は満員御礼、大きな歓声に包まれる。

 

*Velká pardubická s Českou pojišťovnou

条件は6歳以上、距離は6900m。飛越する障害は31。斤量は牡馬(セン馬)は68kg、牝馬は66kgである。総賞金は5.000.000 Kč、一着賞金は2.000.000Kč(ちなみにチェコダービーの総賞金は2.500.000 Kč、一着賞金は1.000.000Kč)。毎年20頭以上の出走馬を集めるが、かつては完走馬が10頭を切ることが殆どであった。完走馬がいなかったことや、コースを間違えたとして失格になった馬もいる。そのため、ヨーロッパにおいて最も過酷なCross Country競馬とすら言われている。ただし最近は飛越能力の向上か、完走馬が増えている傾向にある。出走馬の殆どはチェコ調教馬だが、イギリスやアイルランド、フランスなどからの参戦もある。例えばアイルランドで14歳まで活躍したCross Countryの大ベテランUncle Juniorは2012年に同レースに挑戦し、同レース3連覇を達成した女傑Orphee des Blinsの6着に健闘している。

 

・Obstacles

コースの中には森もある広いPardubice競馬場の中に複雑に存在する障害を飛越する。馬場は芝が基本だが、中にはかなり深いダートコースも走破する必要があり、6900mという距離も相まって非常にタフなレースとなる。また、障害としてはイギリス・アイルランドやイタリアと異なり、比較的飛越時にスピードを要求するものが多い。一方で、中にはIrish Bankのようにスピードを殺して飛越する必要があるものも存在し、ただワンペースで突っ切ればよいというものではない。経路としては急カーブも存在し、そのたびにスピードを落とす必要がある。スピードを持ったまま曲がろうとしてバランスを崩して転倒する馬も時々いる。このような要因も相まって、完走には高い飛越能力と精神力、持久力、パワー、器用さを必要とする非常に厳しいレースとなっている。

障害の詳細と写真はPardubice競馬場のHP(下記リンク)を参照のこと。色々とぐちゃぐちゃ書いてあるが、おそらく第4障害のTaxis Jumpだけ抑えてあとはレース映像を見てもらった方が早いと思う。

Překážky | Dostihový spolek, a.s.

1. Živý plot (po startu) / railed hedge

スタート直後に存在する障害。高さ80cmの白い柵を手前に置いた、高さ120cm、幅130cmの生垣障害である。障害としては非常に平易であり、ここで落馬する馬は殆ど居ない。

2. Živý plot s příkopem / railed hedge and ditch

同様の白い柵を手前においた、高さ130cm、幅290cmの生垣障害。この後ろに深さ60cmの空壕が存在する。飛越の幅が要求されるため、スピードを持って飛越する必要がある。なおヨーロッパにおいてはこのように障害の後ろに空壕を設置している障害は数多く見られる。

3. Malý vodní příkop / small water jump

いわゆる水壕だけ障害。深さ60cm、幅300cm。さすがにVelká pardubickáに出走するようなチェコ障害競馬における一流馬がここらで落馬することは殆どない。この辺りから次の最難関障害、Velký Taxisův příkopに向けてギアを上げていくことになる。

4. Velký Taxisův příkop / Taxis Jump

Velká pardubickáにおける最難関障害。Taxis JumpとかTaxis Ditchとか呼ばれている。障害としては高さ150cm、幅180cmの生垣障害の後ろに、深さ100cm、幅400cmもの空壕を設置したという恐ろしいもの。数多くの障害が設置されているPardubice競馬場でも1年に一度、このVelká pardubickáの第4障害でしか用いられない。相当なスピードと高さを持って飛越する必要があるため、着地が非常に難しい。踏み切りでのミスは当然のことながら落馬に直結する。障害としての高さと幅は勿論、巨大な空壕が存在することによりかなりのスピードをもって大きく飛越する必要があること、これは些細なミスで落馬を誘発する要因になっている。これまでに28頭もの馬がこの障害での事故が原因で亡くなっている。

5. Irská lavice / Irish Bank

Cross Country競馬を見慣れない人には想像が付きにくい障害だと思うが、要するに小さな塚だと思ってもらってよいと思う。塚の前後に深さ50cm、幅100cmの空壕を設置し、塚自体は高さ200cm、幅450cm、最高地点の幅は250cmである。すなわち、馬の動作としては空壕を飛び越えたのち、塚を登り、さらに下って空壕を飛び越えるというものになる。Taxis Jumpまでの障害は高いスピード能力を要求するものであったが、この障害はスピードを落として越える必要がある。この障害を特に苦手とする馬は多い。また、逃げたい馬にとっては馬群が密集し巧拙がはっきりと出やすいここは難所である。この障害を越えた後はダートコースを走る。

6. Popkovický skok / railed hedge with ditch

高さ130cm、幅200cmの生垣の後ろに幅200cmの空壕を設置したもの。Irish Bankで一端スピードを落とした馬はこの障害に向けて再度スピードを上げることになる。ただしこの障害の直後は急カーブになっており、重複落馬が発生しやすい。

7. Francouzský skok / double hedge

高さ120cm、幅110cmの生垣が二つ、幅110cmの空壕を挟んで設置されたもの。映像からはわかりにくいが、これもスピードを持って飛越する必要がある障害である。この障害のあともダートコースになる。ちなみにMerano競馬場にも同様に二つの生垣が並べて置かれた障害が存在する。

8-9. Malé zahrádky / small gardens, double railed hedge

いわゆる2連続障害。高さ120cm、幅140cmの障害が850cmの幅を持って設置されているもの。馬の動作としては、最初の障害を飛んだ直後、前肢での着地の直後に後肢で踏み切って次の障害を飛越するというものになる。一見派手だが、下級条件戦でも数多く使われる障害であり、意外と落馬は起こらない。ただし着地・踏み切りの動作を着実に行う必要がある障害である。この障害のあともダートコースになる。

ニュージーランドの一部の競馬場やイギリスのSandown競馬場に存在する二連続障害はこれとは異なり、通常の障害が比較的狭い間隔で並べられたものである。ちなみにイタリアのMerano競馬場のCross Country Courseには3連続障害が存在する。だいたい3つ目で落馬する。

10. Anglický skok / English Jump - ditch and hedge

高さ70cmの柵のあとに幅150cmの空壕を設置し、その後ろに幅120cmの生垣が存在する障害。この障害のように、障害の前に空壕が存在する障害はイギリスではOpen Ditchと呼ばれる。

11. a Prodloužený taxisův příkop / railed hedge and ditch

Anglický skokを飛んでから大きくカーブしてこの障害に挑む。80cmの柵を生垣の手前に置き、生垣障害は高さ130cm、幅200cm、その後ろに深さ30cm、幅200cmの空壕を置いたもの。

12. Živý plot s příkopem / railed hedge and ditch

60cmの柵を生垣の手前に置き、生垣障害は高さ130cm、幅170cm。この後ろに深さ60cm、幅200cmの空壕を置いたもの。

13. Živý plot – seskok / railed hedge and jump

60cmの柵を生垣の手前に置き、生垣障害は高さ120cm、幅130cm。障害自体の難易度は非常に低いが、着地地点が踏み切り地点よりも50cmほど低くなっている。従って比較的着地時に前足でしっかりと踏ん張る必要があり、バランスを取るのが難しい。同様のタイプの障害で有名なのが英Grand Nationalに存在するBecher's Brookである。

14. Živý plot / railed hedge

高さ80cmの柵の後ろに高さ130cm、幅130cmの生垣障害を置いたもの。Živý plot – seskokのあとに急カーブを曲がる必要があり、この辺りから各馬ペースを落とすことになる。

15. Poplerův skok / timber rail

高さ80cmの柵だけの障害。

16. Drop / drop fence

スタンド前の障害。ひときわ盛り上がりも大きくなる。障害としては第5障害のIrish Bankと同様。深さ20cm、幅40cmの空壕を前後に、高さ110cm、傾斜面の幅220cmという小塚。第5障害のIrish Bankよりも高さは抑え目であるが、同様にスピードを落とす必要がある。

17. Kamenná zeď / stone wall

高さ85cm、幅180cmの石垣の手前80cmに目印となる丸木を置いたもの。高さは非常に低いが、脚をぶつけると確実に落馬に繋がるため、確実に飛越する必要がある。

18. Hadí příkop / snake ditch, water jump - jump down

深さ95cmの水壕。着地点はゆるやかな傾斜面になっており、どちらかというと飛び降り台という側面が強い。Dropを越えるためにペースを一度抑えていた馬はこの辺りから再度ペースを上げていく必要がある。

19. Velký vodní příkop / big water jump

いわゆる水壕だけ障害。深さは45cmと抑え目だが、幅400cmとかなりのものがある。バテた馬はこの辺りの障害で水しぶきを上げることになる。

20. Malý Taxisův příkop / small taxis jump

高さ60cmの柵を前に置き、高さ140cm、幅200cmの生垣の後ろに幅170cmの空壕を置いたもの。それ自体の難易度はさほどでもないが、ここまで激しくペースを上下させ、難易度の高い障害をスピードを持って越えることによって消耗した馬にとっては、比較的難易度が高い。

21-22. Velké zahrádky / gardens, double railed hedge

いわゆる2連続障害。高さ130cm、幅150cmの障害が900cmの幅を持って設置されている。

23. Suchý příkop (za lesem) / dry ditch

こんなのあったっけ(笑) 深さ90cm、幅300cmの空壕。空壕の前に目印となる丸太が置いてある。

24. Proutěná překážka (Steeplechase skok) / steeplechase plain fence

通常のSteeplechase。幅120cmの柵の後ろに高さ130cm、幅60cmの生垣を置いたもの。

25. Živý plot (u hangáru) / railed hedge

80cmの柵の後ろ60cmに高さ130cm、幅130cmの生垣障害を置いたもの。

26. Velký anglický skok / big english jump - ditch and hedge

高さ150cm、幅160cmの生垣障害の手前60cmに高さ80cmの白い柵を置いたもの。さらに踏み切り地点に比べて着地地点が40cmほど高くなっている。やや着地時に器用さが要求される障害となっている。

27. Suchý příkop (mezi břízkami) / rail and ditch

高さ50cm、幅60cmを持って立てかけられた柵の後ろに幅240cmの空壕を設置したもの。後半の勝負どころということでスピードを上げていく場合としては飛越しやすいものだが、レースも終盤になって脚が上がった馬にとってはそれなりに厳しい障害となる。

28. Havlův skok / Havel's Jump - railed hedge and ditch

高さ80cmの柵の後ろ50cmに、高さ140cm、幅190cmの生垣を設置し、その後ろに深さ50cm、幅250cmの空壕をつけたもの。ややこしい。要するに比較的小型の生垣の前後に空壕があるものだと思ってもらえばよい。この障害もレース終盤で苦しくなってきた馬にとっては非常に厳しいものとなる。

29-31. Proutěné překážky / hurdles

Steeplechase Courseから最後の直線にかけて設置されたHurdle障害。難易度は低いが、最後の勝負どころということで最大限のスピードを持って越えていく必要がある。

 

・Crystal Cup

いわゆる欧州クロスカントリーシリーズ。イギリス・アイルランドチェコ・フランス・イタリア・ベルギーで行われる特定のクロスカントリー競争における着順に対して付与されるポイントを競うもの。要するに日本のサマー2000シリーズなどの欧州クロスカントリー版だと思ってもらえれば良い。スウェーデンポーランドがサブメンバーとして入っていた年もある。Velká PardubickáはCrystal Cupの一部として行われ、他のレースで良績を残してきた馬が登録している場合も多い。当ブログのタグ"Crystal Cup"にてレース回顧と映像を貼り付けていたりするので、宜しければどうぞ。国によって障害の形態が大きく異なり、見ているだけでも面白いと思う。

 

*見どころ

・返し馬

日本障害競馬における返し馬では、騎手が障害を「馬に見せる」光景が散見されるが、チェコやイタリア、フランスの返し馬では平易な障害を飛越することがある。Velká pardubickáの返し馬でもこの障害飛越は行われている。飛越能力に長けた各馬が平易な障害を日常茶飯事のように続々と飛越していく光景はなかなか素晴らしいものがある。

・スタート

スタートは日本のゲート式と異なり、バリヤー式を用いる。これは見ればわかると思うが、馬があるエリアに並び、スターティングバリヤーが上がることによってスタートする。しかしながらVelká pardubickáにおいては出走馬が20頭近くもいることから、しばしばスタート失敗(False Start)が生じる。この原因としては、一部の馬が適切な位置に並んでいなかったこと、または適切な方向を向いていなかったことなどが挙げられる。大歓声の中スタートし、やり直しの旗が振られたときのがっかり感というか、残念な感じはもはや筆舌に尽くし難いので是非期待して欲しい(生じないほうがいい)。

・Josef Váňa

チェコの伝説的ジョッキーJosef Váňaおじさん。1952年生まれだが未だに現役でジョッキー兼調教師である。Velká pardubickáはŽelezníkで4回(1987-1991)、Vronskyで1回(1997)、Tiumenで3回(2009-2011)、合計8回の優勝を誇る。調教師としてもCipísek(1996)、Chalco(2001)、Decent Fellow(2006)、Sixteen(2007-2008)のほか、自身で調教した馬に自ら跨り制覇する(Vronsky 1997, Tiumen 2009-2011)という偉業も達成している。チェコを代表する調教師であり、海外遠征も積極的に行い2016年のイタリア障害競馬における最大のレース、Gran Premio Merano (G1)を制覇するという快挙も成し遂げている。その活躍ぶりはJosef Váňaおじさんに密着した映画が作成されるほど。今年もRabbit Wellを始め、数多くの有力馬を登録させている。

・Marek Stromský騎手

2008年にAmant Grisにて一位入線も走路を間違えたとして失格、2015年はNikasと一位入線を果たすも同馬から禁止薬物が検出されたとして失格の憂き目にあった騎手。Amant Grisとはその後もVelká pardubická制覇を目指すも、2009年は惜しくも2着、2010年は8着に終わっている。2016年はそのNikasと悲願のVelká pardubická制覇を目指すことが予定されている。

・Dušan Andrés騎手

チェコを中心に、イタリアやポーランドでも活躍する騎手。何といってもその特色は追うときの派手なアクションだろう。1971年生まれの素敵なおじさま。České derbyもVelká pardubická (Stxteen)も勝っている相当な名ジョッキー。直線を向いてからの迫力あるアクションは力が入ること請け合いである。

(追記:残念ながら2016年のVelká Pardubickáは騎乗しない模様)

・Malá Velká pardubická minikoní

かわいい。

 

*レース情報

・スケジュール

当日のレーススケジュール。全て現地時間表記。カッコ内に日本時間を表記しておく。ちなみにサマータイム適用でチェコの現地時間は日本と比較すると7時間遅くなる。

Velká pardubická | Dostihový spolek, a.s.

11:30 (18:30)     Cena firmy Chládek a Tintěra, Pardubice, a.s. – Cena Jana Kašpara (Stcc NL - 5 - 4400 m - 200 000 Kč)

12:10 (19:10)    Cena Pivovarů Staropramen – Cena Laty Brandisové (Stcc NL - 4+ klisny - 4200 m - 200 000 Kč)

12:50 (19:50)    Cena portálu Kudy z nudy – Cena ČASCH (Stcc NL - 4 - 4200 m - 200 000 Kč)

13:30 (20:30)    Cena podporovaná firmou ELTON hodinářská, a.s. PRIM MANUFACTURE 1949 (Stcc (handicap) III.kat. - 5+ - 4700 m - 90 000 Kč)

14:10 (21:10)    Cena hejtmana Pardubického kraje - Cena Vltavy (Stcc NL - 5+ - 4500 m - 400 000 Kč)

14:55 (21:55)    Cena společnosti VCES a.s. - Cena Labe (Stcc L - 6+ - 5200 m - 700 000 Kč)

15:40 (22:40)    Poplerův memoriál skupiny Profireal Group (Stcc NL - 5+ - 3300 m - 300 000 Kč)

16:40 (23:40)    126. VELKÁ PARDUBICKÁ S ČESKOU POJIŠŤOVNOU (Stcc L - 6+ - 6900 m - 5 000 000 Kč)

・出走馬

個別で記事を書く予定。ひとまず公式サイトのリンクを貼り付けておく。

9. října - 126. Velká pardubická s Českou pojišťovnou | Dostihový spolek, a.s.

・レース中継

Česká televize(チェコ国営テレビ)にて中継がある。

http://www.ceskatelevize.cz/

基本的にはチェコ国内限定だが、一部の番組は日本国内からも視聴可能。カメラワークは結構頑張っている。映像も比較的綺麗。また、オンデマンド配信は日本国内からも視聴できる。

なお、youtubeなどで上がっているほとんどの映像はČeská televizeのものなので注意されたし。このクソブログでもリンクは貼り付けているが、いつ消えるかはわからない。Pardubice競馬場公式チャンネルは全てのレース映像を上げてくれている。

dostihy Pardubice - YouTube

また、dostihy.netでも中継はあるが、画質は悪い。あとチェコ国内限定。

http://www.dostihy.net/?language=en

海外馬券の発売に伴い海外競馬への関心も高まっていると思うが、中には怪しいサイトやグレーな行為を勧めているところもあるので注意されたし。当クソブログでは可能な限り怪しいサイトへのリンクは張っていない。はず。

 

・2015 Velká Pardubická

恒例の去年の見てみようぜみたいなアレ。あとは参考記事程度に。

出走馬の短評とか参考レースとか。

レース結果と映像。

そのほかのレース結果とレース映像。

 

2012-2014にかけて三連覇したOrphee des Blinsの話。