にげうまメモ

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16/11/26 National Hunt Racing

*Newbury Good to Soft

bet365 Novices' Chase (G2) 2m7f86y

Thistlecrackが例によって逃げる展開。これをIbis du Rheu、Bigbadjohnが追いかける。Pinnacle Panda、Tajseerは早々に遅れる。Bigbadjohnは第10障害辺りからやや前の二頭に置かれる。Thistlecrackは軽快に逃げるが、これを残り4障害辺りからIbis Du Rheuが並びかける。しかしこれをThistlecrackが軽く突き放すと、手ごたえの悪くなったIbis Du Rheuを置き去りにして快勝。2着には盛り返してきたBigbadjohnが入った。

ThistlecrackはこれでChase転向後3戦3勝とした。全体的に大きな飛越をする馬であり、前走のCheltenhamではOpen Ditchでのミスが目立っていたが、今回はOpen Ditchも器用にこなしていた。前走は調整不足もあったそうで、その辺りの進境もあったのだろう。とにかくスピードの持続力や持久力、瞬間的な加速力を始め、運動神経に関してはトップクラスのものを持つ馬。ややその運動神経に任せて大きな飛越を繰り返すところが気になるが、Chase3戦目としては素晴らしいパフォーマンスだろう。RSA Chase (G1)であれば最有力の一頭。Cheltenham Gold Cup (G1)に向かうプランもあるそうだが、それに向けて良い前進が見られたレースではないだろうか。Bigbadjohnは全く実績がない馬だが、苦しくなってから再度盛り返して勝ち馬を追いかける味のあるレースを見せた。トップスピードでは一線級を相手にするのはやや苦しいだろうが、苦しくなった時の踏ん張りがモノを言うハンデ戦であれば楽しみはある馬。Ibis Du RheuはChase初戦ながらもThistlecrack相手に食らいついていくレースを見せた。この馬もNoviceの重賞くらいであれば十分に勝ち負けになるだろう。

 

Intermediate Hurdle (Listed Limited Handicap) 2m69y

Makethedifferenceが思い切った逃げを打つ展開。好位置からTheligny、Tommy Silver、Ozzie the Oscar。Who Dares Win、Ritual of Sences、Omessa Hasなどは後方から。Makethedifferenceは残り4障害辺りまでは後続にリードを保つが、残り2障害辺りから苦しくなる。これを残り3障害くらいから追ったWho Dares Winが残り最終障害で先頭に。そのままリードを広げ快勝した。2着には追い上げたTheligny。

Who Dares WinはSummit Juvenile Hurdle (G2)勝ちのある馬だが、夏場はやや期待外れのレースを続けていた。平地でもそれなりに走ってはいるが、どうやらこの時期もよいのだろう。11st10lbを背負っての快勝は立派の一言。ただしメンバー的には少々小粒感が否めない。

 

Hennessy Gold Cup Chase (G3 Handicap) 3m1f214y

例によってSmad Placeが先頭を伺う構えも、これにHolywell、Native River、Double Rossなどが積極的に絡んでいく。結局Native River、Double Rossの2頭で引っ張り、Smad Placeは好位から。第4障害で早々にSaphir Du Rheuが落馬。Un Temps Pour Tout、Coologueなどが好位。Triolo D'Aleneは後方から。ハイペースで淡々と進行し、少しずつ脱落馬が出てくる。2周目からDouble Rossが積極的に先頭に立ちレースを引っ張る。Double Rossは軽快に引っ張るが、残り3障害辺りからNative Riverがこれに並びかけ先頭に。抜け出したNative Riverを最終障害を越えてからCarole's Destrierが猛追するも、半馬身ほどNative Riverがこれを凌ぎ切って勝利した。Double Rossは3着。Smad Placeは7着。

名誉あるハンデ戦ということで、非常に見ごたえのあるレースとなった。Native RiverはMildmay Novices' Chase (G1)の勝ち馬。32f戦である146th Year of the National Hunt Chase Challenge Cup (Listed)でもMinella Roccoの2着があるように、非常にスピード能力と持続力に長けた馬である。一瞬のスピード能力という点ではやや物足りないものがあるものの、このくらいのハイペースを追走し脚を伸ばす能力という意味ではやはり一流のものを持っている。Smad Placeが抜けたハンデを背負う中、11st1lbの斤量を背負っての勝利は立派だろう。今後はG1路線かハンデ戦かはわからないが、いずれにせよハイペース耐性のある馬として注意したい一頭。London National (C2)の勝ち馬Carole's Destierも見せ場を作った。元々持っていた高い持久力に加え、今シーズンに入ってはハイペースを追走する能力も向上しているのだろう。ただしやはり勝負所で前と十分に差を詰められなかった辺りが勝ち馬と決定的な差となった。ベテランDouble Rossも一時の不調は脱したようだ。距離はギリギリだろう。RSA Chase (G1)の勝ち馬Blaklionは5着まで。ピッチで加速する馬だけにややレースとしては苦手な部類に入ってしまったが、ここでは力が上なのだろう。Smad Placeはいつも通り走っているのだが、11st12lbの斤量と道中散々絡まれたことに尽きる。

 

*Newcastle Soft (Good to Soft in places)

Fighting Fifth Hurdle (G1) 2m98y

Hidden Cycloneが逃げる展開。これをPetit Mouchoirが追いかける。その後ろからApple's Jade、Irving、Sceau Royal。Mirsaaleは早々に遅れる。Hidden Cycloneは軽快に逃げるが、これにPetit Mouchoirが並びかけ先頭を伺う。残り4障害辺りからIrvingの手ごたえがやや怪しくなる。しかし残り3障害でPetit Mouchoirが落馬。そのまま逃げ込みを図るHidden CycloneにIrivingが並びかけ、残り2障害で抜け出す。これに外から迫ったApple's Jadeが並びかけたところがゴールとなった。

Irvingは2014年の同レースの勝ち馬。昨年は使い詰めの影響か大敗していたが、今シーズンはフレッシュな状態で使ってきた。メンバー的にも比較的経験の浅い馬が多く、飛越動作のロスのなさという点でも勝っていた。ただし、これ以上上積みが見込める馬ではないため、あくまでこの辺りのメンバー相手ならではといったところだろう。Champion Four Year Old Hurdle (G1)などG1を2勝しているApple' Jadeは残り3障害でPetit Mouchoirの落馬の煽りを食らった不利はあったのだが、それ以上に飛越動作にロスが多くスピードに乗り切れない面が見られた。瞬間的な加速力に優れた馬ではないだけにやはりSoftな馬場でこそといったところだが、やはりCheltenhamを目指すとなるとやや不安が残る。11歳馬Hidden Cycloneは積極的なレースで見せ場を作った。平地のスピード能力は高く、飛越も安定していた。Chaseではやや落馬が多かったが、Hurdleではまだまだやれるだろう。前走Elite Hurdle (G2)にて見事な勝利を飾ってきたSceau Royalはどうも見せ場を作れず。良馬場の方が良いかもしれない。Petit Mouchoirは勿体ないところでの落馬。勝ち星としては未勝利程度しかない馬だが、落馬さえなければよい勝負になっただろう。Novice馬Mirsaaleはいくら何でも飛越の拙さが目立った。