にげうまメモ

障害競馬と艦隊これくしょんの個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/12/18 日本酒

*日本酒

いつもの。

 

・栃木県 せんきん 仙禽 秋あがり 赤とんぼ (生酛)

ドメーヌさくら亀ノ尾の90%以上磨き。酵母無添加生酛、木桶仕込みのものを1年間熟成させたもの。いわゆるナチュール・ゼロ。グラスに注ぐと明らかに熟成感を醸し出す色と香り。口に含むとトップには強烈で濃厚な甘酸っぱさがやってくるが、これはどこか秋らしい哀愁を漂わせる柔らかいもの。全身に自然と染み込むような滑らかさは特筆すべきものがあるだろう。トップこそナチュール火入れ版にあった柑橘系の酸味が強いが、ここに葡萄や梨を思わせるような柔らかく複雑な甘酸っぱさがセカンドにやってくる。ボディにはここにコクと旨味が柔らかな立体性を伴って膨らみ、トップにやってきた凝縮感を美しい秋の世界として奥行豊かに広げる。硬質な亀ノ尾からは想像もつかないほどの豊潤で複雑な、そして透明感と立体感が溢れる世界がここに広がる。日本酒の芸術作品としての可能性を示す強烈なインパクトを残す酒だろう。今年のナチュールシリーズも同様の製法の作品を出して欲しいところ。

 

・栃木県 せんきん 仙禽 ナチュール・シス

ドメーヌさくら亀ノ尾の90%以上磨き。酵母無添加生酛火入れ、木桶仕込み。ナチュールシリーズの第6弾となる。グラスに注ぐと香り立つ桃の香り。やや濁っており色がある。口に含むとトップには強烈な甘酸っぱさがやってくるが、火入れバージョンの中では最も強く酸味の裏にコクと旨味が存在する。この甘酸っぱさは柑橘系や葡萄を思わせる非常にフルーティなもの。二口目にはライチを連想させる爽やかな酸味の饗宴が続く。酸味を支える甘味は干し葡萄やプルーンのごとく濃厚。しかし、この酸味には桃やライチのごとく、純粋で濃厚な酸だけではなく若干のフルーティな渋味を感じさせるのがシスの特徴だろう。ゼロのような浸透感と透明感こそないが、そこには重厚で豊潤な酸の饗宴とベースに存在する強烈で底知れぬ立体感が存在する。「無垢なる光」との名がついているが、イノセントな酸味の後ろには光の中に消えゆく重厚な世界がそこにある。日本酒の新たな可能性を示す芸術作品であることは間違いない。

 

秋田県 新政酒造 新政 雨蛙

開栓を試みると激しく発泡する。慎重に慎重を期す必要があるだろう。グラスに注ぐと白く濁っており、グラスに細かい泡が付くほど強く発泡している。口に含むと非常に強い酸味と共に、林檎を思わせる軽やかな甘味がやってくる。後味は綺麗に抜けていく。低アルコール酒らしい軽さはあるが、逆にその軽さをふんだんに生かしてもはや日本酒とは思えないほどの軽快な作品に仕上がっている。まさにアップルサイダーと言った印象。かなり炭酸は強く、これは甘口のシャンパンを思わせるほどのもの。これ単体での完成度が非常に高く、料理と合わせるよりも食前酒として飲んだ方が良さが生きるかもしれない。やや入手が難しい酒だが、それ相応の見返りと楽しさがあることは間違いない。

 

秋田県 新政酒造 新政 とわずがたり

美郷錦の30%磨き。日本名門酒会最高顧問であった故・飯田博氏にちなんで作られたもの。口当たりは新政らしい柔らかな酸味。ここからの味には透明感が非常に強く、やや苦味を残して消えていく。特に口当たりからの膨らみの強さは特筆すべきものがあるが、それには多彩な風味を濃厚に広げるというよりも軽やかで綺麗な美郷錦の味わいを緩やかに膨らませるといった印象。一方で、この味わいを覗き込んだときの深みはどこか底知れぬものを感じさせ、それが木桶仕込みを思わせる風味につながっているのだろう。値は相応に張るが、その味わいは流石新政酒造の高級酒と言ったところ。贈答品としても素晴らしい作品。

 

秋田県 秋田酒造 ゆきの美人 純米吟醸 活性にごり生酒

若干の発泡はあるが開栓にはさほど困難を要さない。口当たりはゆきの美人らしい強めの酸味。にごり酒だが非常に爽やかで軽い口当たりとなっており、若干の炭酸もこの軽さを助長している。一方でセカンド辺りには麹から来るのか軽い苦味が存在し、これは後味まで残る。あまり澱は強くなく、これは味わいにおいて米の風味をあまり感じさせないことにつながっているのかもしれない。後味のキレの良さはかなりのものがあるため、口当たりの酸味から生きの良い炭酸と麹の感触を楽しみながら杯を進められる楽しい酒。ただし単体であると後味が残るためあくまで食中酒のイメージだろうか。

 

青森県 三浦酒造 豊盃 純米大吟醸 レインボー

豊盃米の39%磨き。豊盃米は豊盃にのみ使用される酒造好適米らしい。トップには比較的辛味が強く、ここから米のコクが強く膨らみを見せる。やや苦味は存在する一方で甘味も強く、このインパクトは料理に負けないもの。一方で後味は非常にキレが良く、ボディから考えられるインパクトとクリアな酒質を両立させているのは流石と言ったところ。さほど酸味は存在しないため、フレッシュな酒質ではあるがフルーティなものを求める人には向かない印象。完成度の高い逸品。どちらかというと味の強い料理と共に楽しむべき食中酒といったところか。

広告を非表示にする