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にげうまメモ

障害競馬と艦隊これくしょんの個人用メモ ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/12/23 Japanese Racing

*中山 良

中山大障害(J.G1) 4100m

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秋陽ジャンプステークスで何を考えたのかオーバーワークをやらかしたサナシオンが故障で引退、重賞2勝を含む障害5連勝を飾り一躍チャンピオン候補に名乗りを上げるも京都ジャンプステークス (J.G3)では仕掛け遅れで2着と敗れたニホンピロバロンも故障で離脱。小倉サマージャンプ (J.G3)を快勝したマキオボーラーも直前に取り消し。やや2番手集団こそ手薄となってしまった中山大障害。しかし連覇を狙うアップトゥデイト、春に中山グランドジャンプ (J.G1)を制し春秋連覇を狙うオジュウチョウサンの2強は順調にここに出走してきた。

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レースは比較的スローでドリームセーリングが逃げる構え。これを追いかけてアップトゥデイト、3番手からオジュウチョウサンが進める。トーセンハナミズキが好位につけるも大竹柵を飛んだ後に後退。ティリアンパープル、ルペールノエルを先頭に中団は形成。馬群は中山大障害としては平均的な長さになる。アップトゥデイトは大生垣を飛んだあとからドリームセーリングに接近、ドリームセーリングはこれを突っ張るもアップトゥデイトがこれを競り落とす。しかしここにオジュウチョウサンが進出、ダートコースを横切った辺りでアップトゥデイトを交わし切るとあとは独走状態で9馬身差の快勝。3着にはルペールノエルが入った。

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レース直前にやや雨が降っていた。この場合表示は良なのだが、馬場の表面が湿っているため若干滑りやすくなる。そのため各馬比較的慎重なレース運びが目立った。ドリームセーリング自身は昨年このレースで逃げて大敗しており、そのため距離不安があった。また騎手も乗り替わっており、今年はペースを落としての逃げとなった。オジュウチョウサンは、中山GJ (J.G1)はスローの中で飛越にロスの多いサナシオンに対して飛越の巧さでの勝利、東京ハイジャンプ (J.G2)でも比較的ゆったりとした流れの中で機動力の高さでの勝利と、ややハイペースへの耐性には不安があった。しかし今回はその不安を露呈する条件とはならず、自らの長所である飛越の巧さと機動力の高さを存分に生かし切っての勝利となった。ハイペースとなった際の対応には不安が残るが、ここのところの中山はどちらかというとセーフティに運ぶことが多いため、今後もこの馬の長所である機動力と飛越能力は高い武器になるだろう。特に飛越動作の確実性は歴代のJ.G1馬の中でも非常に高い水準のものを持っている。パドックでも無駄な仕草が一切なく、高い集中力を伴いながらリラックスしていた。まさに一流の障害馬として完成された姿と言えるだろう。

なおスピードを伴った飛越は見栄えこそ良いが、十分ではない。ロスがない飛越とは各動作を慎重に、一定のスピードを維持したままどのようなペースの中でも着実に行うことが出来ることである。瞬間的かつ場当たり的な修正動作は体力の余分な消耗に繋がる。このような修正動作が間に合わなくなるほどの体力の消耗は落馬の原因となる。

一方のアップトゥデイトはやや勿体ない敗戦となった。この馬自身はオジュウチョウサンと同じく高い飛越技術を持つ一方で、オジュウチョウサンとは対照的に持続的なスピード能力が武器である。昨年はややドリームセーリングが玉砕的な逃げを打ちハイペースとなる中、自らの武器であるスピードの持続力を存分に生かしての戴冠であった。今年はスローの中で大生垣を越えてから動いて行ったが、やはり昨年のような激流を生み出すには不十分であったということだろう。自ら肉を切らせるような激流を作り出していくことがこの馬にとっての勝ちパターンだろうが、この馬にとっての本当の適舞台は日本障害競馬ではなく、イギリスやフランス、チェコニュージーランドといった尋常ならざるスピード持続力と高い飛越能力を求められる障害競馬なのではないだろうか。

そのほか。ルペールノエルは初めての舞台にも関わらず3着に踏ん張った。瞬間的な筋力が高く、障害飛越は比較的安定していた。前走は消極的な競馬でサナシオンには完敗したが、前受けさえできればこれ以上にやれるだろう。常連のサンレイデューク、ティリアンパープルは消極的な競馬で見せ場なし。現状これ以上を望むのは酷か。ドリームセーリングは距離なのかコースなのか。道中からアップトゥデイトに突かれることはあったが、それにしても抵抗できなかった。いずれにせよ中山のバンケットは合わないだろう。

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それにしても、以前と比べて拍手も多くなりスタンドの雰囲気も良くなった。めざせ完走というのは日本障害競馬独特の不思議な文化だが、最後に入線したウインイルソーレまで場内から拍手が送られていたことは特筆してよいだろう。

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