にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

17/07/02 Italy Racing

*Merano Terreno Morbido

LXII Premio Ezio Vanoni Euro 40.000 TRIO 3800m

per cavalli di 4 e 5 anni (Steeple-Chase -  GRUPPO II  - FANTINI)

http://webtv.awsteleippica.com/index.php/video/48219/corsa-02-galoppo-merano-020717#

軽快に逃げたDefit d'Estruvalが快勝。2着には追い込んだKing Arturが入った。人気を背負ったLe Mulleauは大敗。

Defit d'Estruvalはフランスの馬であり、母国では2勝を上げている。残り3障害地点で大きなミスはあったが、それでもやや大きめのストライドから繰り出されるテンポの速さはここでは抜けていた。ポーランドで連勝してきたKing Arturは全く人気がなかったが2着まで追い込んだ。Wroclawはコースが狭い分あまりスピードが出ないのだが、かえってこのようにペースが速くなったっときの方が良いのだろうか。3連勝で挑んできたチェコのLe Moulleauは全くいいところがなかった。今回はペースに戸惑った可能性もある。

 

Grad Steeplechase d'Europa Euro 60.000 TRIO 4600m

per cavalli di 5 anni ed oltre (Steeple-Chase -  GRUPPO I  - FANTINI)

http://webtv.awsteleippica.com/index.php/video/48222/corsa-04-galoppo-merano-020717#

本日のメインレース。フランスからStyline、Prince Sumitasを迎えて行われた一戦。

例によってStylineがぶっ飛ばす展開。Mazhilis、Prince Sumitasなどが好位から。続いてSztorm、Grand Link。早々にAll About Cossioが落馬。Stylineは大きなミスをして一度は後退するも、再度盛り返してハナに。Prince Sumitasは一度はハナに立つも落馬。逃げるStylineは残り5障害辺りから後続を振り切りにかり、好位にいたMazhilis、Sztormが抵抗。この2頭が必死で追いかけるも、僅差でStylineが振り切って勝利した。2着にはSztorm。Mazhilisは最後交わされ3着。

Stylineはフランスの牝馬。どちらかというと身体能力の高さを生かしてスピードのある飛越を繰り出すのだが、それでも決してスピードに任せた乱暴な飛越ではなく、飛越仕草に必要とされる各々の動作が見事にできていた。さすがはフランスのSteeplechaseやWaregemの難所をくぐりぬけてきた兵といったところか。途中で危ない場面もあったが、それでも立て直したところはこの馬の身体能力の高さを感じさせる。Gran Premio Merano (G1)に出てくれば確実に有力馬の一頭だろう。チェコのSztormは全く人気がなかったが見せ場を作った。ポーランドで走ってきた馬で、前走のGrand Prix White Turf St. MoritzはどちらかというとCrystal Cupの裏レースという側面もあり、実績的には完全に格下だったが、この馬の新たな側面を見せる一戦。Meranoにおいてフランスの馬が厳しいペースを作り出す中、予想以上の適性を見せるレースだった。ギリギリのところで馬上でバランスを取ったMarek Stromskyの騎乗も素晴らしかった。昨年のGram Premio Merano (G1)にてChiffre d'Affairesがオーバーペースを作る中、まさかの大波乱を演じたMazhilisはやはり力を見せた。Grand Linkは全く人気がなかったが、途中までは上位に食らいついていくパフォーマンス。自らこのペースを作れれば条件戦は軽く勝てるのだが。Alcydon Fan、Recently Acquired、Nandoはペースに付いていけず。Prince Sumitasは無念の落馬に終わったが、どちらかというと大き目のストライドから安定した飛越を繰り出すタイプの馬。緩慢な動きをする分、スピードに乗せた飛越は得意である一方でミスをしたときのロスが大きいというデメリットを持つ。今回はそのウィークポイントが出た落馬だろう。

 

Gran Corsa Siepi d'Italia Euro 60.000 4000m

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi -  GRUPPO I  - FANTINI)

http://webtv.awsteleippica.com/index.php/video/48232/corsa-06-galoppo-merano-020717#

スロベニアからMeny Bay、ハンガリーからDiplomataを迎えて行われた一戦。Meny Bayに乗っているのがイギリスのLeighton Aspellなんだけれどどういうこと。

Meny Bayが逃げる展開。好位からDiplomata、Kigaaya。よくわからないところで後方にいたSundaraが落馬。Diplomataが差を詰めにいくも、残り数障害からペースを落とさずに飛んだMeny Bayがこれを凌ぎ切って勝利した。3着にPlaystarabad。Kifaayaは4着。

落っこちた騎手がしょんぼりコース脇を歩いていたりする。Meny Bayはどうやらスロベニアの馬であり、主にスロバキアで無双してきたらしい。Brecka JarosavはスロベニアのJosef Vañaとか言われている調教師で、鞍上のLeighton Aspellは英Grand National (G3)をMany Cloudsで勝利しているすごい人なのだが、なぜこの二人がタッグを組んでいるのかはよく分からない。それにしても、残り数障害から馬の完歩と飛越幅を完全に調整し、全くスピードを殺さずに飛越させているのはもはや達人芸だろう。このクラスの技術を持っていてこそ一流の障害騎手と言えるのではないだろうか。ハンガリーで無双してきたDiplomataは残り2障害辺りのスパートで前に置いて行かれたのが痛かった。最終障害もできればスピードを殺さずに飛びたかったところ。チェコのProutkyにて実績を残してきたPlaystarabadは惜しい3着。Kifaayaはまだ気性的な難しさがあるかもしれない。