にげうまメモ

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17/08/29 Belgian Racing

*Waregem

ベルギー競馬の祭典。メインレースはING Grand Steeplechase de Flandres。気温は30℃を越え、かなり厳しいコンディションになっていたようだ。

全てのレース映像は下記リンクのVideoというところから。WAREGEMKOERSE20170829なるものが同日のレース。一時全く上げなくなっていたのだが、最近復活したようだ。

http://www.bturf.be/

 

Prijs Jacques Du Roy De Blicquy Steeplechase 4600m Handicap

https://www.youtube.com/watch?v=46mTSlCrCO8

Tamara du Graitが飛ばす展開。早々についていけなくなったSurely TryはArrete。さらに生垣でFayas、飛び乗り台でArc Du Chateletが落馬。軽快に逃げるTamara Du Graitだが、残り2障害辺りから後方にいたAmour Du Puy Noirが接近、最終障害でAmour Du Puy Noirが後続を突き放すと、Cigalon Parkに9馬身差をつけて快勝した。Tamara Du Granit、Narco Dancer、Celtic Saint、Faucon Rougeと続いた。

David Cottinはフランスの元障害騎手で、キャリア通算789勝、Cravache d’Orに3回、Cravache d’Argentに4回輝いているフランスのトップジョッキーである。ちなみにイケメン。つい最近騎手を引退し調教師デビューしたのだが、その初戦からAmour Du Puy Noir勝利するという輝かしいデビューになった。当のAmour Du Puy Noirは目立った実績のある馬ではないのだが、Jonathan Plouganouとの抑えの効いた飛越は目立っていた。昨年の同レースではGallo's Starの3着に入っており、コース経験もあったのだろう。Cigalon Parkは初のWaregemだったが好走した。Tamara Du GranitはここのところCross Countryの長い馬で、器用さというよりはスピードに乗せた確実な飛越が必要とされるWaregemのコースは不安があったのだが、積極的な競馬で見せ場を作った。62kgの恩恵はあったが今後が楽しみになるパフォーマンス。

 

Prix Felix De Ruyck - Fegenri Haies 3600m Handicap

Sahira de Beaumontが逃げるも、途中からこれを制してStorm of Swordsがハナへ。そのまま後続を引き離しつつ軽快に逃げるも、最終周の入り口の障害で落馬。再度Sahira de Beaumontが先頭に代わるが、途中からLuganoが先頭に立つと、そのまま押し切り勝利した。Polo Rougeが2着、Sahira de Beaumont、Diyamindarと続いた。

Hurdleと書かれているが実際のところはSteeplechaseに近い。Luganoはここのところは平地ばかりだったのだが、もともとは障害を走っていた馬で、このレースには3回目の挑戦となる。さすがに飛越技術はWaregemのHaiesをこなすためのものは持っていたということあろう。2着のPolo Rogueは飛越を見ているとSteeplechaseでもこなせる素地はありそうな感。ドイツのStorm of Swordsはさすがのスピード能力を見せつけながらも勿体ない落馬。ああいうところがある馬だけに難しい。

 

ING Grand Steeplechase des Flandres Steeplechase 4600m Handicap

https://www.youtube.com/watch?v=HiSgF4l2itQ&t=50s

例によってTaupin Rochelaisが逃げる展開。これをAmirande、Baltiko Princeが追いかける。Brise de Kerserは後ろから。障害飛越の際に接触があったPoligroomが早々に落馬。軽快に逃げるTaupin RochelaisをBaltiko Princeが追いかけに行くが、Waterにて小さなミスをした直後に生垣にて落馬。そのままCalisco de Kerser、Brise De Kerserの追い上げを凌いでTaupin Rochelaisが勝利した。Parron、Amirandeが続いた。

Taupin Rochelaisはこれで同レース3連覇。同条件のPrijs Jacques Du Roy De Blicquyとくらべると0.2秒ほど遅いのだが、このレースを語る上で何の意味も持たない。Taupin Rochelaisは前半は息を抜いた飛越を見せつつも、後半では踏切位置を調整しギアを上げていくことが出来ていた。また、馬が早くから障害の特性を見極め、各々に合わせた飛越が出来ている点も見事だった。最後まで目立ったミスらしいミスがないのは特筆すべき点だろう。73kgを背負っての勝利はなかなかできるものではない。昨年はWaregem一本に絞っていたが、2015年を振り返るとこののちにMeranoに参戦している。この馬の今後の予定が楽しみなところ。昨年のPrix Baron Casier By Laurent-PerrierにてStylineの2着に入ったCalisco De Kerserはまたも2着に終わった。Taupin Rochelaisのギアの上げ方が素晴らしかったのでこれは相手を褒めるべきだろう。Crossを走ってきたBrise de Kerserは追い上げるも3着まで。Baltiko PrinceはTaupin Rochelaisに勝負を挑んでいったが、やや飛越の面で若さが見られたか。

 

Prix Baron Casier Lauren - Perrier Steeplechase 3950m

https://www.youtube.com/watch?v=zbopnBAmAVg

South Pacific、Capello de Pretotなどがハナを伺うも、これを制してMiss Balkaniaがハナに。そのまま軽快に飛ばすと、結果後続を引き離して勝利した。離れた2着にSouth Pacific。

Miss Balkaniaは5歳の牝馬なのだが、これで障害9勝目。目立った勝ち星こそないが、スピードに乗せたときの飛越技術は安定しており、かつ運動能力もまた高いものを持っていた。特別関節が柔らかい馬ではないようだが、それでもテンポの速さとWaregemの大型の障害をこなすだけの可動域の広さは面白いものがある。昨年勝ったStylineはその後MeranoにてG1を取ったのだが、この馬もStylineに続くだけのポテンシャルを持っている馬である。