にげうまメモ

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17/09/23 Italy Racing / Crystal Cup

*Merano Terreno Buono

73 Premio Delle Nazioni Euro 60.000 TRIO 6000m

per cavalli di 5 anni ed oltre (Cross-Country - GRUPPO II - G.R.-AMAZZONI-FANTINI)

http://webtv.awsteleippica.com/index.php/video/50455/corsa-04-galoppo-merano-230917#

Crystal Cupの一環として行われるレース。合計で34の障害を飛越する。Cross Countryとしてはイタリア最大のもの。フランスからBrise de Kerser、Hades De Mottesの2頭を迎えて行われた。人気はチェコの古豪Armanから。こちらにコースが書いてあるので、これを見ながらレースを見るのも良いと思う。

スタートからやや引っかかったTriangle d'Orが飛ばす展開。Hurricane Mix、続いてAll About Cossio、Hades Des Mottesがこれを追いかける。Arman、Brise de Kerserは後方から。第2障害のDoppio TravoneにてHades De Mottesがミスをするも立て直す。第7障害のLaghettoは全馬無事クリア。ここで落ちると池ポチャ事案。外周に入ったところのMontagnola Del Tennisを越えたところで一頭落馬していたようだが誰かはわからない(おそらくBull Ride)。二つのhedgeを重ねたOxer GrandeにてHade De Mottes、Arman、Catalaunian Fieldsの3頭が落馬。Passaggio di Marranaは全馬無事飛越。しかしその後の3つのhedgeを連続して設置したDoppia Gabbia di SiepiにてAll About CossioとNils、Star Makerの3頭が落馬。直後のCapretta di Legno pittureta in biancoにてBrise de Kerserが後肢をぶつけるも立て直す。Hedgeのあとに急カーブが存在するSiepone VerticaleにてBrise de Kerserが逃げるTriangle d'Orに並びかけると、続くArginello Piccoloにて先頭に立ち、そのまま追いかけてきたAllycatを突き放して勝利した。続いてHurricane Mix、Triangle D'Or。完走4頭かと思いきや、再騎乗したStar Makerも完走していたらしい。

MeranoのCross Country 6000mは比較的ペースが落ち着くことが多いのだが、Triangle d'Orがやや制御を欠きつつ引っ張ったためペースとしてはかなり早くなった。Brise de Kerserはフランスからの参戦馬で、フランスCross CountryではPau、Fontainebleau、Granvilleと異なる競馬場で勝利を挙げている。前走はING Grand Steeplechase des Flandresに参戦し、Taupin Rochelaisの3着に頑張っている。Waregemの高い障害を経験したこと、さらに比較的ペースが流れる展開を経験できたことは今回のレースに向けて大きなプラスだっただろう。後方から進めるレース運びはリスクもあるのだが、Cross CountryやSteeplechaseでも面白い一頭。Parduiceに対する適性もあるかもしれない。昨年は無念の落馬に終わったAllycatは健闘したが、レース運びとしてBrise de Kerserに対して後手後手に回ってしまった点が悔やまれる。地元のHurricane Mixは安定したレース運びを見せた。Triangle d'Orは見ていると最初に落馬しそうなイメージすらあったのだがなんと完走。かつてAlpha Twoと接戦を演じた程度には能力の高い馬のようなのだが、出来ればもう少しリラックスして走りたかった。人気を集めたArman、Hades Des Mottesは無念の落馬。Hades Des Mottesは以前に参戦したときも落馬に終わっており、Brise de KerserのようにWaregemを使っていれば違ったかもしれない。移籍初戦となったBull Ride、Catalaunian FieldsはさすがにMeranoでの出走経験が欲しかった。

 

LXIII Gran Corse Siepi di Merano Euro 70.000 TRIO 4000m

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi - GRUPPO I - FANTINI)

http://webtv.awsteleippica.com/index.php/video/50469/corsa-06-galoppo-merano-230917#

フランスからChamp de Bataille、Taupin Rochelais、ハンガリーからDiplomataを迎えて行われた一戦。人気はTaupin Rochelaisから。

第1障害からいきなりChamp de Bataille、Terapenaの2頭が落馬する展開。Taupin Rochelaisがゆったりと逃げ、これをChicago、Chiaromonte、Kifaayaと追いかける。中段からDiplomata、Notti Magiche。残り2障害辺りからChicagoがTaupin Rochelaisに並んでいくも一旦はこれを振り切る。しかし最終障害で内から抜けたKifaayaが一気にTaupin Rochelaisを引き離し勝利した。2着にはTaupin Rochelais、3着にDiplomata。

Kifaaya自身は4歳限定のG2を2勝している馬であり、Gran Corsa Siepi d'Italia (G1)でも僅差の4着に入っていた。スピード能力に長けた一方でやや気性的な難しさを内包していたのだが、今回はTaupin Rochelaisがゆったりと逃げる中、Lukas Matuskyが内内でじっと我慢させ、最終障害を越えてから一気に加速する強い競馬を見せた。この馬の回転数を上げるスパートがハマった格好もあるが、この馬にとっては大きな成長を見せる一戦となっただろう。WaregemのING Grand Steeplechaseを3連覇したTaupin Rochelaisは自分の競馬をしたが、この馬本来の武器は障害の性質を見抜いた飛越の巧さであり、出来ればSiepiではなくSteeplechaseで勝負がしたかった。ハンガリーのDiplomataは安定したレースで3着に入ったが、やはり勝負所で遅れる面が目立つ。どちらかというと前々で運ぶ方が良いだろう。Gran Corsa Siepi di Milano (G1)を不意打ちで勝ってきたChicagoはむしろ展開を握った方が良い。Gran Corsa Siepi d'Italia (G1)の勝ち馬Chiaromonteはやや心配な止まり方。