にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

17/12/27 National Hunt Racing

*Kempton Soft

Wayward Lad Novices' Chase (G2) 2m

終始先頭を走ったCyrnameがそのまま逃げ切り勝ち。Shantou Rockが2着。

CyrnameはこれでChase3戦2勝とした。やや行きたがる部分があるため前半から先頭を走った方がよさそうで、ハナに行くと落ち着いて走っている。フランスHaiesの出身馬らしく動作は確実にこなせていた。ただしHurdleでさほど出世した馬ではなく、メンバー的にも手薄なのでどうにも評価としては難しい。Shantou Rockは最後脚が上がる格好の2着。Tommy Silverは最終障害をミスしながらも2着に差を詰めて来ていた。

 

Desert Orchid Chase (G2) 2m

例によってSpecial Tiaraが逃げるも第8障害で落馬。代わって先頭に立ったPolitologueがそのまま後続を突き放して勝利した。Vaniteux、Forest Bihanと続いた。

PolitologueはこれでTingle Creek Chase (G1)を含め3連勝。持続的なスピードは高いものを持っているのだが、今回最終障害を越えた辺りから気を抜いて走っている点は気がかり。周りに馬がいないと気を抜く面があるのだろうか。同レース3勝目を狙ったSpecial Tiaraは珍しい落馬。何かをミスしたというよりは馬場のせいのようにも見える。踏切の遠い見た目には怪しい飛越が武器なのだが、なぜか落ちそうで落ちないというのがこの馬なのだが。精神的に落ち込まなければよいのだが。

 

*Leopardstown Yielding (Soft in places)

Paddy's Rewards Club Chase (G1) 2m1f

Telll Us Moreが先頭を伺うも第2障害をミスして後退。Minが軽快に飛ばし、最終障害を越えて内から迫ったSimply Nedを抑えて1位入線、と思いきや進路妨害でSimply Nedが1着となった。Minは2着に降着

Ruby Walshが落馬負傷のためPaul Townendに乗り替わっているのだが、この人がどうにも馬を抑えきれていない節がある。PaulはRubyとはタイプの違う戦術で戦っている人なだけに仕方がないのだが、やはりRubyと同じ土俵が求められる場面では難しいようだ。Minは昨年のRacing Post Novice Chase (G1)の勝ち馬で、フランス時代を除けば負けた相手はAltior1頭という牝馬。今回もそのスピード能力は抜けたものを見せていたが、さすがに16fの一線級と戦ってきたSimply Nedにはこのペースだけでしのぎ切ることは出来なかったようだ。メンバー的には16fのG1を目指すのであれば手薄であり、やや残念なパフォーマンスといったところ。CheltenhamにRubyが戻ることが必要であり、かつこのままであれば同厩舎のUn De Sceauxとの使い分けも課題になるだろう。

 

Future Champions Novice Hurdle (G1) 2m

Hardlineが逃げるもMengli Khanが途中から先頭に。残り2障害地点で先頭を走っていたMengli Khanが内に逃避する格好でコースアウト。後方から押し上げたReal SteelとSharjahが先頭に立つも、最終障害でまさかの2頭仲良く落馬。その後ろを走っていたWhiskey Sourがそのまま先頭でゴールした。2着にはLe Richerbourg。

Le Richerbourg、Hardline辺りは完全に脚が上がって走っており、Makitorixに至っては馬群から遅れて途中棄権するようなそぶりも見せていた。着差としては17馬身ついているがさすがに額面通り受け取るわけにはいかないだろう。人気のMengli KhanはRoyal Bond Novice Hurdle (G1)を含む3連勝で着た馬だが、途中からふらふらと走り気の悪さを見せていた。まともであればこの馬が勝っていただろう。ディープインパクト産駒でないReal SteelはこれがHurdle2戦目であり、途中からリズムに乗ってからは良い飛越を見せていた。最終障害は凡ミス。SharjahはこれがHurdle3戦目の馬だが、あれも勝ちに行ってのミス。Whiskey Sourは長く平地を走っていた馬で、これがHurdle2戦目。Simenon辺りのように平地兼用で走るのかはわからないが、ひとまず自身初のビッグタイトルとなる。この馬もReal Steelと同様に途中からリズムをつかんで押し上げてきた。ひとまず今回のレースは置いておいて、これからの飛越の向上次第では今回の勝利がフロックと言わせないだけのパフォーマンスを見せる可能性のある馬である。