にげうまメモ

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18/01/20 National Hunt Racing

*Ascot Soft

OLBG.com Mares' Hurdle (G2) 2m7f118y

Midnight Tuneが軽快に逃げるも、残り4障害地点で交わされるとあっさり後退。そこから先頭に立ったLa Bague Au Roiが後続を突き放して勝利した。2着にはSainte Ladylime。

La Bague Au RoiはこれでHurdle9戦7勝とした。基本的には牝馬限定戦を使っている馬で、ここまで3つのListed勝ちがある。16fから勝ち鞍こそあるが、レース振りを見ていると距離的には24fのほうが良いかもしれない。Cheltenhamでは牝馬限定戦ではなく、Stayers' Hurdleを視野に入れるとのことで、24f Hurdle戦線にて主役級の馬が不在である現状、今回の勝ち方から見れば新たな有力馬として期待が持てる。ただし、今回はメンバー的には牝馬限定戦を使っている相手ばかりであることは気にしておいてもよいかもしれない。

 

Clarence House Chase (G1) 2m167y

昨年は延期となりCheltenhamで行われたのだが、今年は無事Ascotで行われる運びとなった。3連覇を狙うUn De Sceauxが中心。

レースはSperedekが軽快に逃げる展開。Brain Power、Un De Sceauxがこれを追いかける。残り3障害辺りからBrain Power、Un De SceauxがSperedekに接近、残り2障害からUn De Sceauxが先頭に立つと、そのままSperedekを突き放して勝利した。Brain Powerは残り2障害で落馬。

Un De SceauxはこれでG1は8勝目、Clarence House Chase (G1)は3連覇とした。小柄な馬体を生かしたピッチ走法と、前脚を高く上げる飛越が特徴的で、早いテンポから繰り出されるロングスパートが最大の武器である。やや行きたがるところがあり、どうにも飛越にポカがあるため、過去のレースでRuby Walshが丁寧に騎乗していたのは印象的である。さて、今回はC2で逃げてきたSperedekがかなり自身にとっては厳しいペースを作り出したが、鞍上のPaul Townendは非常に慎重なレース運びを見せていた。ある程度リスクをとって追いかけていけばもう少し着差はついたかもしれないが、AscotのOpen Ditchは難易度が高く、むしろ特にミスなく乗り切ったことが最大の収穫だろう。同厩舎のライバルとしてはDouvanがシーズン全休とのことになっており、おそらくこの馬かMinがQueen Mother Champion Chase (G1)に行くものと考えられるが、呼吸器系のトラブルで休養していたAltiorや、上り馬Politologueの前に立ちふさがるのがこの馬となるだろう。

SandownのC2でHeavyの馬場を快勝してきたSperedekは、積極的な競馬で見せ場を作った。道中踏切位置が遠すぎる部分を見せており、途中でミスもあったが、それでも交わされてから2着まで踏ん張る辺りは力がある証左である。馬場は少し渋ったほうがよさそうだが、Queen Mother Champion Chase (G1)で展開のカギを握る一頭になる可能性がある。Novice馬Brain Powerは残り2障害で落馬。もともとスピードのある馬で、Speredekのペースにも問題なくついていくことができていたが、まだどうにも苦しくなってからの飛越に問題があるようだ。同厩舎のAltiorの存在もあり、Arkle Challenge Trophyが無難な選択肢だろう。

 

*Haydock Heavy

Altcar Novices' Chase (G2) 2m3f203y

早々に落馬したPositively Dylanを除いた2頭のマッチレースはTestifyに軍配が上がった。葦毛のLake View Ladは7馬身差の2着。

過去の勝ち馬を見るとBristol De Mai、Waiting Patientlyなど、意外と出世レースであったりもする。TestifyはこれでChaseは3戦3勝だが、勝ち星は全てSoft以下と、どうにも渋った馬場専門のようだ。良馬場で行われたDoom Bar Sefton Novices' Hurdle (G1)ではThe Worlds Endから大きく離された大敗、またThe Worlds End自身も今シーズンはいまいちと、水準としては微妙なところがある。機動力を生かしてLake View Ladを突き放したが、最後は足が上がっており、距離的には20fがちょうどいいのだろう。逆に距離を短縮してきたLake View Ladはワンペース型の馬に見え、勝ち馬から突き放されてからもしぶとく追いかけてきていた。距離的にはもう少しあってもよさそうだが。

 

Champion Hurdle Trial (G2) 1m7f144y

例によって逃げたThe New Oneだが、最終障害辺りでCh'tibelloが先頭に。しかし再度盛り返したThe New Oneがゴール前でCh'tibelloを交わして勝利した。

The New Oneはこれで同レース4連覇とした。G1での勝利は2014年のAintree Hurdle (G1)など2勝にとどまるのだが、それ以上に記憶に残る名馬といったところか。相変わらず右に斜飛する癖を見せていたが、それよりも並ばれてからのしぶとさは並外れたものがある。Ch'tibelloは満を持して抜け出したのだが惜しい2着。Clyneは飛越にスムーズさを欠いた。

 

Peter Marsh Handicap Chase (G2) 3m1f125y

The DutchmanとYala Enkiが並んで逃げるも、第14障害辺りからThe Dutchmanがこれを振り切ると、追ってきたCaptain Redbeardなどを突き放して13馬身差の快勝。Captain Redbreard、Hainan、Yala Enkiと続いた。完走したのはFine Rightlyまで。

The DutchmanはこれでChaseはNoviceのC4に続いて2勝目。昨シーズンまでNoviceを走り、今シーズン2走はHurdleを走っていたのだが、あまり経験の浅い馬とは思えないスムーズな飛越を見せていた。Yala Enkiはある程度出していくタイプの馬だが、これを特に問題にせず、むしろYala Enkiを制して前に行くことができたのは面白いパフォーマンスだろう。まだ馬場適性はつかみきれない部分があるが、なんとなくパワーのある持続的な加速力のある走法は、HaydockのHeavyでよさそうなイメージがある。同じような舞台で走ってきたCaptain Redbeardは得意の条件で力を見せた。Yala Enkiはできれば自分のリズムで走りたかった。