＊Aintree Good to Soft (Soft in places)
楽しかったけれどけっこう寒かった。詳しい話はこっちで。
Manifesto Novices' Chase (G1) 2m3f200y
http://www.attheraces.com/racecard/Aintree/12-April-2018/1345
http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180412/2776971/16596382
Cyrnameが逃げる展開。スタンド前の障害で人気の一画Brain Powerが落馬。Cyrnameは軽快に逃げるも、残り4障害付近からRene's Girlが接近。そのままRene's Girlが逃げ込みを図るも、最終障害手前から一気に追い上げてきたFinian's Oscarがこれをゴール前で捉えて勝利した。
（Finian's Oscar）
Finian's Oscarは無敗でMersey Novices' Hurdle (G1)を制した馬で、Chaseでも期待されていたのだが、今シーズンはノドの問題もありListed勝ちのみに留まっていた。Chaseの飛越に関しても、向こう正面でのミスの多さを見ていると現状では決して褒められたものではなく、残り2障害地点から最終障害までにやや距離があるAintreeのコースにおいて、平地部分でのスピードを生かして加速し、最終障害を何とかクリアしての勝利といった印象。16fのスピードに対応するには飛越の面で不安が残り、ノドの問題から24fまで持つかどうかはやや疑問というのが現時点での評価だろう。ペースが落ち着くのであれば24fの方がよいとは思われるが。Mares' Listedを連勝してきたRene's Girlは大健闘の2着。Pendil Novices' Chase (G2)を圧勝してきたCyrnameは持ち前のリズムのよい飛越を見せており、走り方を見る限り最後までバテてはいないのだが、フラットのスピードでもなんとかなるAintreeは合わなかったのかもしれない。Brain Powerは凡ミス。
Doom Bar Anniversary 4YO Juvenile Hurdle (G1) 2m209y
http://www.attheraces.com/racecard/Aintree/12-April-2018/1420/
http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180412/2776977/16597175
Padleyourowncanoeが逃げる展開も、向こう正面辺りからWe Have A Dreamが先頭に。そのまま後続を突き放すと、2着のGumballに7馬身差をつけて勝利した。Apple's Shakiraは伸びを欠き3着。スペイン産馬Nube Negraは5着。フランスからの参戦馬Beau Gosseは最後脚が上がり7着。
（We Have A Dream）
We Have A Dreamはこれで5連勝とした。やや小柄で重心の低い走りはいわゆる典型的なイギリス障害馬のそれであり、最後まで一頭だけスプリントできていた走りはここでは力が抜けていることを示すパフォーマンスだろう。4歳戦はどちらかというと完成度とスプリント能力がモノを言うことが多く、いきなりSeniorでやれるかどうかはやや微妙なところがあるのだが、少なくともゆったりと流れた際の瞬発力勝負であればそれなりに太刀打ちが出来ることが期待される。Gumballは経験値と完成度という面でここではやや上であった。姉妹制覇が期待されたApple's Shakiraだが、どうにもApple's Jadeと同じく良馬場でのスピード勝負という面では怪しい部分が残っている。馬の性能から考えれば距離を伸ばした方がいいのだが、どうも気性的に問題がありそうな印象。Nube Negraはさすがに瞬発力勝負では分が悪い。フランスのBeau GosseはイギリスHurdle2戦目でだいぶ障害にも適応していたのだが、どうにも体高があり、かつゆったりとしたストライドで走る部分があるため、本来はフランスSteeplechaseで良さを発揮する馬だろう。直線でスタンド側に持って行ったのだが、スタンド側の方が馬場が悪いらしく、この辺りは鞍上の判断ミスである。派手に外に持ち出すのはAuteuilではよくある光景なのだが。
（Beau GosseとJames Revely。フランスではとても上手い人。）
Bowl Chase (G1) 3m210y
http://www.attheraces.com/racecard/Aintree/12-April-2018/1450/
http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180412/2776981/16597184
例によってBristol De Maiが逃げる展開。Might Biteがこれにぴったりとついて行く。残り4障害でミスをしたMight Biteだが、残り2障害辺りからBristol De Maiを振り切ると、そのままこれを突き放して勝利した。2着にはBristol De Mai。Clan Des Obeaux、Sizing Codelcoと続いた。
（Might Bite）
（Bristol De Mai）
Might BiteはこれでG1は4勝目とした。どうにもお行儀が悪く、スプリントした際の走法が格好悪いためバテているように見えるのだが、最終障害の飛越を見る限りでは元気いっぱいの勝利である。そもそも日本の平地馬と同じようにスプリントする能力はここでは必要ない。大柄の馬体から繰り出されるフットワークの大きな飛越が持ち味であり、ハイペースを追走する持久力がこの馬の武器。同型のBristol De Maiにとって馬場は決して理想的なものではなく、Might Biteにとっては落とせない一戦をものにしたといったところだろうか。Haydock SpecialistのBristol De Maiは馬場が宜しくなかった。できればFestival2日目のような馬場でやりたかったのだが。とはいえNational Fenceがいいとは思えないので、結果的にこの選択は悪くなかったものだろう。Clan Des Obeauxは24fに目途をつける好走。Sizing Codelcoは沈むかと思ったのだがよく盛り返して4着まで来た。昨年の勝ち馬Tea For Twoは気性的な問題があるかもしれない。Definitly Redはもったいない落馬。Bristol De Maiがゆったりと逃げる展開であれば十分に勝ち負けのチャンスがあった。
（Tea For Two）
（落ちたDanny Cookは普通に歩いて帰ってきた模様）
Aintree Hurdle (G1) 2m4f
http://www.attheraces.com/racecard/Aintree/12-April-2018/1525/
http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180412/2776988/16597219
Diakaliが大逃げを打つ展開。これを追いかけてClyne。The New One、Supasundaeと続く。最終コーナーの辺りでDiakaliは一杯になりClyneが先頭に立つも、これを交わしてSupasundaeが先頭に。しかし馬群を割って出てきたL'ami SergeがSupasundaeとの甥比べを制して勝利した。Clyneが3着。
（L'ami Serge）
DiakaliはさかのぼればフランスとアイルランドでG1を2勝している馬なのだが、どこかでリズムがくるってしまったのだろうか。Diakaliが大逃げを打ち、後続がこれに向けてひたすらペースアップするという展開となっている。L'ami Sergeはいわゆるこの類の後傾ラップの瞬発力争いに強い馬で、トップスピードの持続距離自体はさほど長くはないものの、ハマった時の破壊力は随一のものを持っている。今回は20fとやや距離も短く、Aintreeの平坦なコースもこの馬向きであった。Supasundaeはやはり地力はここでも上だったが、勝ち馬の一瞬のスピードにやられた格好。ClyneはDiakaliを追いかけることで見せ場を作った。この馬にとっては後方でゆったりと構えるよりも、最初からDiakaliのペースに付き合うことがよかった印象。My Tent Or Yoursは最後脱落して4着。フランスのIzooはそもそもペースについていけていなかった。The New Oneはこのようなオープンな展開は合わない。
（Supasundae）
（Diakali）
