にげうまメモ

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18/06/09 French Racing

*Auteuil Tres Souple (4.0)

Prix Aguado (Haies / G3 / 3 ans) 3500m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/YXBjak5qNG9YYVFHd3Q0R2trVkFIUT09

Fakir D'oudairiesがやや引っかかり気味に逃げる展開も、向こう正面の辺りから後続が接近。最終コーナーで外を回って進出したPorto PolloがPic D'orhy、Beaumec De Houelleとのたたき合いを制して勝利した。

Fakir D'oudairiesがやや引っ張ったため実力差がそれなりに出るレース展開となっている。Porto PolloはこれでAngoulemeの落馬を除けばHaiesは3戦3勝とした。AuteuilのHaiesは比較的フラットの脚力がものをいうことがあるのだが、今回は外々をスムーズに回せた分もあるだろう。Pic D'orhy、Beaumec De Houelleは惜しい2、3着だが、この辺りまで特に差はない印象。

 

Prix Questarabad (Haies / G3 / 4 ans) 3900m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/QXUrWWpMU1EzMjd5OVYrekgvTTBudz09

Stormy Islandがやや飛ばす展開。残り2障害辺りからTunis、Master Dinoが接近すると、外を回したMaster DinoがそのままTunisを抑えて勝利した。Stormy Islandは3着まで。

いつものTunisとMasted Dinoなのだが、今回は珍しくMaster Dinoが前にいる。フラット部分でのトップスピードの持続力はMaster Dinoの方が上であり、そもそも今回は積極的にレースを運んだことが幸いした。Tunisは相変わらず追い出してからのスピード能力の面でやや見劣るところがあり、これが惜敗の多さにつながっている。アイルランドのStormy IslandはフランスHaiesに慣れない飛越を見せていたが、最後まで抵抗して3着。63kgの斤量の恩恵は大きかったが、それでもフランス4歳Haies路線のトップクラス相手にここまで走ることができたのは、この馬の高い能力の表れだろう。これがアイルランドに戻ってからもよい経験になると予想される。

 

Prix La Barka (Haies / G2 / 5+) 3900m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/SU5Fb2dCNjBBOXkySXJOQ0Z1cGk1QT09

アイルランドからBapaume、Asthuria、Shaneshill、Yorkhill、Bleu Beryが参戦していた。全てがWille Mullins厩舎の馬なのだが。Mullins先生の凄いところは、アイルランドで無双しているだけではなく、国外に馬を送り込んで結果を残しているところである。

Asthuriaが逃げる展開。これを追いかけてLe Chateau。最終コーナーの辺りからShaneshill、Bapaumeがまくってくるも、その中から大外を回したBapaumeが後続を6馬身ほど突き放して勝利した。Le Grand Luce、Izzoと続いた。Alex De Larredyaは4着。

Bapaumeはアイルランドの馬だが、フランスHaiesに関しては比較的経験が長い馬で、前走はGrande Course De Haies D'Auteuil (G1)にてDe Bon Coeurの2着に入っている。いくらなんでもDe Bon Coeurは規格外なので仕方がないのだが、Bapaume自身も他の強豪を抑えて強い競馬をしており、ここではその実力通りの走りを見せた印象。もともと飛越技術のあった馬が、フランスHaiesにおいてもアイルランドのようなストライドを伸ばした飛越を行うことに成功しており、これでは並みの馬では歯が立たない状態になっている。Le Grand Luceは2年近い休養明け3戦目であったが力を見せた。もともとはG3クラスでは普通に走っていた馬で、メンバーがそろったここでもこれだけ走れれば今後が楽しみになる。イギリスにも遠征したIzzoは健闘の内容。Alex De Larredyaは内をすくって伸びてきたが、71kgの斤量が響いたか。Grande Course De Haies D'Auteuil (G1)でピークに持ってきており、状態が下降線だった可能性もある。Shaneshillは追ってから案外。YorkhillはそもそもフランスHaiesに対応できていなかった。

 

Prix Des Drags (Steeplechase / G2 / 5+)

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/NVM1M2Y4RmtNUjhsdUJ0dEIwN1Z4QT09

アイルランドからBaie Des Ilesを迎えて行われた一戦。So Frenchが逃げるも、障害前で立ち止まったりしてどうにもリズムに乗り切れない。残り2障害のDouble Barrierの辺りでまくったBaie Des IlesがそのままBipolaireを長手勝利した。So Frenchは大敗。

Baie Des Ilesは4年ぶりのAuteuilで勝ち星を挙げることになった。非常に大型の牝馬で、Grand Nationalでも完走しているほどのパワーと持久力を持った馬。その代わりスピードと器用な飛越技術に関してはやや欠ける面があり、これがアイルランドでは不良馬場の超長距離専門となっているゆえんである。大跳びのため踏切位置のミスがわりと目立つのだが、残り2障害のDouble Barrierからステップを伸ばして飛越を試み、そのまま押し切る内容はさすがのアイルランド調教馬といったところ。前走のGrand Steeplechase De Paris (G1)では無念の落馬に終わったBipolaireはよく迫ったが、勝ち馬とは6kgの斤量差があったこと、また仕掛け遅れが敗因だろう。同じく前走は無念の落馬であったRoi Mageは3着だが、ややミスも散見された。So Frenchはどうにも走る気をなくしているように見える。