にげうまメモ

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18/07/28 Japanese Racing

*Kokura Firm

Kokura Summer Jump (JG3) 3390m

夏の小倉恒例の障害重賞。人気は2015年のこのレースの勝ち馬で、現状の障害路線において2番手としての見方が強いアップトゥデイトから。2番手以下はかなり格下との下馬評だったようだが、ひとまず春麗ジャンプステークスを勝利したタマモワカサマが売れていたようだ。

アップトゥデイトがまさかの出遅れのスタートから。積極的にヴィーヴァギブソンが飛ばすが徐々にペースダウン。3コーナーでダンツキャンサー辺りが接近すると一気に失速。代わってヨカグラが一気に捲りをかけると、食い下がるアップトゥデイトを抑えて勝利した。3着にはアグリッパーバイオ。

レースとしてはアップトゥデイトの出遅れが全てだろう。白浜騎手にはより積極的に出していく選択肢もあっただろうが、ヴィーヴァギブソンがスタート直後からかなり玉砕的な逃げを打っていることを考えると、さほどここで勝つことに意味を持たないJG3、しかも乗り替わり初戦で手探り状態の中で、ここで無理やりヴィーヴァギブソンのハナを叩くことにメリットはない。むしろヴィーヴァギブソンを適当に行かせて、前のペースが落ち着いてきた辺りから逆にペースアップした方がこの馬の持ち味を出すことができたと考えられる。

ヨカグラは阪神オープンに続き2連勝。飛越としてはHurdlerのそれであり、小型の小倉の障害は向いていた。前半適当に構えつつ、そこからロングスパートをかけるペース推移はどちらかというと欧州障害競馬に類似しており、ヴィーヴァギブソンがやや無理なペースを刻む中、今回はこのようなロングスパートがハマった格好となった。飛越の際に鞭を入れる西谷騎手の好騎乗により最終障害もスピードを殺さず飛んでおり、これがアップトゥデイトとの着差に繋がったのだろう。馬を動かせない以上は馬の動きを読み切らなければあの動作は危険なのだが、さすがはベテランの技術といったところか。中山でパフォーマンスを上げることはさほど想像しにくいのだが、セン馬ということもあり長く活躍してほしいところ。アップトゥデイトは前述の通り、どちらかというと騎乗ミスの類。障害でスピードを落とす悪癖もあった。この問題を飛越周りで解決できる日本人騎手はいないので、もはやペースを上げて走らせるしかないが、あくまでJG3ということもありこれで十分だろう。アグリッパーバイオは障害2戦目ながら見せ場を作った。平地でもまだやれる可能性が残っているフレッシュな馬だが、芝長距離を走ってきたということを考えればもう少し積極的に運んでもいい。タマモワカサマは飛越にミスが目立った。マイネルフィエスタは早々に落馬したが、あれは踏切位置を間違えて障害に引っ掛けたもの。ヴィーヴァギブソンは早々に脱落したが、まだ息が出来ていなかったように見える。力のある馬であり、なんとかもう一花咲かせてほしい。