にげうまメモ

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18/08/25 Japanese Racing

*Nigata Firm

Nigata Jump Stakes (JG3) 3250m

例によってタマモプラネットが逃げる展開だが、いつもとは違って大逃げの格好にはならない。ぴったりとシャインレッド辺りがついて行く。そのままタマモプラネットは徐々にペースを上げて押し切りを図るも、最終障害辺りから内に忍び寄ったタイセイドリームが前を差し切り勝利した。2着にはシャインレッド。タマモプラネットは逃げ粘り3着。人気を集めたマドリードカフェは5着まで。

新潟競馬場中京競馬場と同じく、特別な障害コースは存在せず、代わりに通常の芝コースに小型の障害を設置して障害レースを開催している。同様のHurdle競争が今日のニュージーランドTe Aroha競馬場でも行われているので、比較してみるとなかなか興味深いかもしれない。

さて、タイセイドリームは2016年の同レースの勝ち馬で、これで新潟競馬場は3戦3勝とした。比較的大跳びで緩い走りをするタイプのディープインパクト産駒であり、このようなタイプは俊敏性やトップスピードに欠ける反面、持続的にだらだらと走り続けることに長けている。欧州障害にてよく見られるようなタフネスに富む本質的なステイヤーではないのだが、どちらかというとマラソンレースに適性があり、この馬の飛越技術とも相まって、結果として日本障害競馬キャリアにおいては大崩れすることなく走ることが出来ている。新潟競馬場のやたらと広いコースと小型の障害に適性があるのはこのような馬の特性によるものであり、今回はこの馬の長所を生かした納得の結果となった。タマモプラネットが徐々にスパートをかける展開もこの馬の緩いストライドで間に合うこと、さらに内を立ち回りながらも馬群が密集しなかったことも幸いした。何度か踏切位置が合わない場面もあったが、所詮は小型の障害ということで、ある程度の跳躍力さえあればなんとなかってしまうのが実情なのだろう。ただし、このようなタイプは明確に限界がはっきりしていることもまた特徴であり、ここからG1戦線で勝ち負けとなるとやはり疑問が残る。オジュウチョウサンが不在であれば順繰りにこの馬が浮上する可能性もあるのだが、ライバル不在の結果、繰り上がったような形で浮上してくるという結果はあまり見たくないものである。

シャインレッドは人気薄であったが好走した。この馬もまた中山の芝2000で未勝利勝ちを上げているハービンジャー産駒であり、タイセイドリームとタイプとしては類似したところがある。好位置からなだれ込む展開に乗じたところはあるのだがこの馬もまた障害では安定した競馬を見せることが可能だろう。いまいち鞍上の動作に無駄が多く、この辺りがクビ差の2着に繋がったようにも見えるのだが、若手騎手ということで今後の研鑽に期待したい。タマモプラネットは珍しく大逃げの格好に持ち込まず3着まで逃げ粘った。逃げの形が合っているようには思えないので、このようなレースができるのであれば可能性が広がる。アズマタックンは後方からのロングスパートをかけて4着まで踏ん張った。5歳馬ながら障害の出走歴はかなりのものがある馬だが、どちらかというと小型の障害の方がいいのだろうか。平地では万葉ステークス勝ちがあり、障害は3戦無敗のマドリードカフェは、何回か飛越にミスが見られた。復帰戦を一度叩いて変わってくることを期待したい。