にげうまメモ

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18/12/14 National Hunt Racing

*Cheltenham Good

Novices' Chase (C2) 3m1f56y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2018-12-14/cheltenham/504143/neville-lumb-novices-chase

逃げたThe Worlds Endがそのまま勝利。2着にはIbis Du Rheuが入った。Lil Rockerfellerは第2障害で落馬。

The Worlds EndはDoom Bar Sefton Novice's Hurdle (G1)の勝ち馬で、Chaseはこれで3戦2勝とした。前走こそスローペースからの瞬発力勝負において前を捉えきれずに終わったが、自分のペースで運んだここでは一頭上のパフォーマンスを見せた。途中から完歩の大きさで上回るIbis Du RheuがThe Worlds Endに真っ向勝負を挑んできていたのだが、これを退けて足を伸ばし切ったレースは評価すべき内容だろう。ここでは経験値の高さで上回るIbis Du Rheuはやや力差を感じる負け方。Lil Rockerfellerは単なる凡ミスだろう。このように途中からペースが上がる展開であれば、この馬のレースは見てみたかった。

 

CF Roberts 25 years of Sponsorship Handicap Chase (G3) 3m2f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2018-12-14/cheltenham/504146/cf-roberts-25-years-of-sponsorship-handicap-chase-grade-3

Coo Star Sivolaを制して逃げたCogryだが、最終障害辺りからこれにRolling Dylan、Singlefarmpaymentが接近。しかし激しい3頭の追い比べは、一旦前に出たSinglefarmpaymentを再度Cogryが差し返して勝利した。

Cogryはこのような良馬場の超長距離戦においてだらだらと走り続けることに長けた馬で、目立つ実績としてはScottish Grand National (G3)の2着がある。前走こそConeygreeがいたことでやや先行争いが厳しくなった面はあるのだが、自分のペースで運んだここではしぶとさを見せた。最後は差し返す脚を見せていたように余力は残っており、さらに距離が伸びてもやれるだろう。ある程度前に行ける馬だけにNationalという選択肢も面白い。Singlefarmpaymentはどうにもこのように勝負弱いところがあるのだが、それでもこの馬の最大の特徴であるロングスパート能力の高さを見せつけた。Rolling Dylanは経験は少ないものの、どこかで大きな仕事をやってのけるだけの馬である。人気を背負ったRock The Kasbahはいまいち走らなかったのだが、前走と異なりステレオタイプなロングスパート勝負となったことが原因か。

 

Glenfarclas Cross Country Chase (C2) 3m6f37y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2018-12-14/cheltenham/504147/glenfarclas-cross-country-handicap-chase

例によってMy Hometownが逃げる展開。中段から少しずつ位置を上げたFact of the Matterが最終障害を越えてこれに並びかけると、My Hometownとのたたき合いを制して勝利した。人気のJosies Ordersが3着。Amazing Comedyは4着に終わった。

Fact of the MatterはCross Countryはこれが初勝利。前走のCross Country初参戦ながらもJosies Ordersの2着に健闘しており、明らかに一度使って前進があった内容と言えるだろう。もともとはC2クラスのハンデ戦を走っていた馬であり、今後が非常に楽しみになるレースであった。Nationalを目指すのも面白いだろう。前走PunchestownでCross Country初勝利を挙げたMy Hometownは自分のレースで形を作った。以前のように暴走する面はすっかりなくなり、障害飛越においてもかなり技術が向上しているようだ。10st1lbの軽量に恵まれた面はあるのだが、これからこの路線でレースを作っていく馬として期待が出来るだろう。人気のJosies Ordersはさすがに安定したレースを見せたが、前を捉えきれずに3着まで。フランスのAmazing Comedyはさすがの飛越技術を見せていたのだが、残り数障害を丁寧に飛んでしまったのが悔やまれる。Cheltenhamの最終障害は実質的にはHurdleであり、かつ最後の直線には上り坂が存在しているため、残り数障害の時点でフルにエンジンを吹かしていないと厳しい。やはり勝負どころでもイギリス・アイルランド調教馬と比較して障害を丁寧に飛ぶ癖のあるフランス馬がここで好走するためには、残り数障害の時点で先頭に並ぶくらいの勢いでないと苦しいだろう。BallycaseyはあまりCross Country向きの飛越ではないのだが、それでも能力の高さで5着まで来たようだ。Bless the Wingsは今日は走らない日だったようだ。同じくフランスから参戦したVol Noir De KerserはAintree Fenceで落馬したが、あの障害は比較的低い飛越を見せる馬にとっては鬼門となるものである。