にげうまメモ

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19/02/02 National Hunt Racing

*Sandown Soft (Heavy in places)

Contenders Hurdle (Listed) 1m7f2106y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/sandown/510945/888sport-contenders-hurdle-listed

好位から抜け出したBuveur D'AirVision Des Flosを抑えて勝利した。Buveur D'Airは前走のChristmas Hurdle (G1)でVerdana Blueに足元を掬われ、11連勝が途切れていたのだが、仕切り直しのここではさすがに力を見せた。あまり重馬場は良いとは思えないのだが、明らかに格下相手でもここは勝ち切ったことが重要だろう。Vision Des Flosは2回もWind Surgeryを行っている馬で、こういうタイプはあまり喉の状態が良くない可能性が考えられる。Rayvin Blackは気性的にかなりムラっけのある馬で、かなり気分よく行かせないと難しい。今回もどうにもふらふらと走っていた。De Dollar Manは故障により競争中止。残念ながら助からなかったとのこと。

 

Scilly Isles Novices' Chase (G1) 2m4f10y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/sandown/510946/888sport-scilly-isles-novices-chase-grade-1

Lostintranslationが淡々と逃げる展開。これを追いかけてVinndication、Defi Du Seuil。途中からVinndicationはやや手ごたえが悪くなり前の二頭から脱落。最終障害手前までLostintranslationの後ろに忍び寄っていたDefi Du Seuilが最後の直線でLostintranslationを交わして勝利した。Vinndicationは2馬身ほど後ろの3着。

Defi Du Seuilは2016-17のJuvenile Hurdleでは無敵を誇っていた馬。しかしその後の2017-18シーズンは一線級相手にさっぱり通用せず、今シーズンからChaseに転向していた。これでChaseは2勝目。初戦のArkle Trophy Trial (G2)は全く飛越が話にならず大敗していたが、ようやくChaseの飛越にも慣れてきたようだ。Juvenile Hurdleは案外決め手比べになることが多く、そういう点である程度ペースの落ち着く20fの方が合っているのだろう。CheltenhamのDipper Novices' Chase (G2)を勝ってきたLostintranslationは勝ち馬の決め手に屈する形で2着。とはいえ前に出られてから差し返すようなところもあり、さほど勝ち馬とは差はないだろう。6連勝で挑んできたVinndicationはさすがに今回は相手が強力であった。とはいえ最後までしぶとく伸びているだけに、距離を伸ばしてパフォーマンスを上げてくる可能性も考えられる。

 

*Leopardstown Good to Yieliding

Nathaniel Lacy & Partners Solicitors '50,000 Cheltenham Bonus For Stable Staff' Novice Hurdle (G1) 2m6f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/leopardstown/510353/nathaniel-lacy-and-partners-solicitors-50000-cheltenham-bonus-for-stable-staff-novice-hurdle-grade-1

Dublin Racing Festivalの第一レース。早々に落馬したSalsarettaを残してレースは淡々と進行。好位から抜け出してきたCommander of FleetがRhinestoneを抑えて勝利した。Gallant John Joe、First Approachと続いた。人気のRelegateは5着。

直線に存在する最終障害は日差しの影響でバイパスされている。結果的にまるでアメリカのNational Fenceのように、かなりの割合でレースの終盤がフラットで構成されるようなレースとなった。Commander of FleetはRoyal Bond Novice Hurdle (G1)は4着であったものの、勝った馬からはさほど差のないところにいた馬。16fから距離を延長して成功したパターンだろう。Leopardstownの競馬場の特性上、馬群がどうにも固まることが多いのだが、このように経験の少ない馬ながらその中から抜け出してきた能力は評価できる。ただしできればフルでエンジンを吹かした状態の飛越技術を見てみたかった。Rhinestoneは惜しい2着。人気を背負っていたRelegateは後方から進めたのだが、どうにも飛越でもたついており、エンジンがかかるのが遅すぎた。NHFでは高いパフォーマンスを見せていた馬だけに能力は高いようだが。

 

Irish Champion Hurdle (G1) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/leopardstown/510354/bhp-insurance-irish-champion-hurdle-grade-1

軽快に逃げたApple's Jadeが後続に16馬身差をつけて快勝。Supasande、Petit Mouchoirと続いた。Melonは4着。

Apple's Jadeはこれで今シーズンはG1の3勝を含む4連勝。そのいずれもが10馬身差以上をつける圧勝劇であり、もはや手が付けられない状態となっている。できればスピードの持続力をフルに生かすことが出来る長距離戦や、ある程度瞬発力が殺される重馬場の方がいいのだが、自らペースを刻んだ際の破壊力はここでは不利な条件を上回っていた。Cheltenhamでのレース選択が注目される。Supasandeはこの馬のレースはしているのだが、この馬自身は超ロングスパートの消耗戦を得意としているタイプなだけに、どうにもApple's Jadeとは能力的な相性が悪い。Petit MouchoirはHurdleに戻して2戦目でパフォーマンスを上げてきた。Melonはやはり良馬場はからきしのようだ。パワフルなストライドを持つ馬なのだが、良馬場であるとどうにも無駄な動きが多くスピードに乗り切れないところがある。

 

Dublin Chase (G1) 2m1f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/leopardstown/510357/ladbrokes-dublin-chase-grade-1

Special Tiaraが先頭を伺うも第一障害の手前で故障を発生し競争中止。第一障害でCastelegrace Paddyも落馬。レースはSaint Calvadosが逃げる展開も、これを好位で追いかけたMinが抜け出し快勝。2着にはOrdinary Worldが入った。

Dublin Chase (G1)は昨年までG2として実施されていたのだが、今年からG1に昇格されたらしい。昨年の勝ち馬MinはめでたくこのレースがG1として行われる中で最初の勝ち馬となった。運動神経と瞬発力に長けたタイプで、さすがにここでは力が違った。20f程度までこなすことは可能であり、Cheltenhamでのレース選択が注目されるのだが、乗り方次第ではAltiorを上回る可能性が残されている馬だけにQueen Mother Champion Chaseへの参戦が楽しみである。Ordinary Worldはれいによってそこそこ善戦し2着。Chaseは1勝のみなのだが、着々と名脇役としての地位を築きつつある。Saint Calvadosはどうにも飛越のリズムが悪い。行きたがって走る馬だけに16fを使っているようだが、さほど飛越にはスピードがないため、20fくらいでゆったりと走らせた方が能力的には向くのではないだろうか。なおSpecial Tiaraは予後不良とのこと。長くこの路線で主役級の戦いを続け、12歳になってもアグレッシブな先行力とダイナミックな飛越で人気を博した馬。今回もいつもの走りを見せるかと思われた矢先、残念な結果となってしまった。

 

Arkle Novice Chase (G1) 2m1f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-02-02/leopardstown/510358/frank-ward-solicitors-arkle-novice-chase-grade-1

例によってVoix Du Reveが逃げる展開。これにLe RichebourgとUs And Themが忍び寄るが、最終障害でVoix Du Reveが落馬。Us And Themを抑えてLe Richebourgが勝利した。Mengli Khanは3着。

Le RichebourgはHurdleではいまいち良いところは勝てなかった馬だが、Chaseに転向してからはこれでG1は2勝目とした。どうにもRacing Post Novice Chase (G1)と同じようなメンバーだけに微妙なところはあるのだが、その際よりもパフォーマンスを上げてきたのは評価していい内容だろう。16fとしてはさほどペースが乱れることもなく、将来的には距離を伸ばすことも選択肢として考えられるのだが、現時点では完成度の高いレース内容であり、CheltenhamのArkle Trophy (G1)でも中心視できる内容。Us And ThemはまたもやLe Richebourgの2着。Mengli KhanもまたもやLe Richebourgに後れを取る内容なのだが、どうにも飛越でもたつく場面が多いのが気になった。馬場ももう少し重い方がいいかもしれない。Voix Du Reveはもったいない落馬。Knocknanussは早々に落馬したが、どうにもこういうところがある馬。Master Dinoの力量を図るためにもここはまともに走ってほしかったのだが。