にげうまメモ

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15/11/28 National Hunt Racing

*Newbury Soft (Heavy in places)

Mares' Novices' Hurdle (Listed) 2m69y

逃げた人気のTea In Transvaalがそのまま後続を突き放し、2着のColla Pierに6馬身差をつける快勝。

Tea In Transvaalは4歳の牝馬。今年の夏に力をつけ、これからの伸び代という点には期待がもてる。ただし重馬場で差が付きやすいコンディションであったこと、相手関係、この馬自身Karezakに僅差の勝負をしていることを考えると、さほど強調できる勝利ではないだろう。あくまで牝馬路線でどこまでと言った程度である。

 

Novices' Limited Handicap Chase (C3) 2m92y

逃げたArzalがAsoに13馬身差をつける快勝。

雨も降っておりかなり滑りやすい馬場になっているようだ。Javertは前脚での着地時に滑るような落馬をしている。勝ったArzalはChase2戦2勝とした。Hurdleでの実績はさほど強調できないが、2着のAsoはHurdleでもG2勝ちがある馬。馬場の助けもあった可能性も否めないが、今後注意したほうがよい馬の一頭だろう。

 

Bet365 Handicap Hurdle (C2) 2m2f183y

Royal Guardsmanが逃げる展開。人気のMa Filleuleは好位から。残り3障害辺りからMa Filleuleがこれを追撃に掛かるも、差は中々詰まらず。結局Royal Guardsmanが内から迫ったIbis Du Rheuの追撃を抑えて勝利。Ma Filleuleは3着。

Royal GuardsmanはC3勝ちのある程度の実績の持ち主。一度はChaseに転向するも、結果を出せずHurdleに戻している。今回も11st1lbという斤量に助けられた部分が大きいだろう。Saphir Du Rheuの下のIbis Du Rheuは鋭く迫るも2着まで。まだ4歳と若い馬で、これからの成長に期待と言ったところであるが、今のところは兄ほどの活躍は見せられていない。Ma Filleuleは11st8lbを背負ってよく来たが、やはりスピード負けといった印象。しかし、前走よりは格段に進歩が見られることは間違いなく、これからのChase路線では楽しみな一頭である。

 

Bet365 Long Distance Hurdle (G2) 3m52y

Cole Hardenが例によって逃げる展開。Deputy Danは当初後方にいたものの、途中から引っ掛かり気味に先頭に並びかける。Whisper、Aqalim、Thistlecrackがこれに続く。先に手ごたえをなくしたのがCole Harden。これを交わしてDeputy Danが先頭に躍り出るも、これを追ってきたThistlecrackが最終障害で交わし、最後は6馬身差の快勝。

Thistlecrackは昨シーズンAintreeでNovice G1を勝ってきた馬。今回は驚きの快勝をみせたものの、Cole Harden、Whisperらが重馬場を苦にするタイプなだけにこの結果はあくまで馬場によるものが大きいことが考えられる。Deputy Danは非常に筋肉量に優れた馬であり、昨シーズンはChaseを使っていたものの飛越の問題が大きく、Hurdleに戻している。今回の飛越もさほど安定しなかったが、この馬も馬場に助けられての好走だろう。いずれにせよ、長距離Hurdle路線はいまだ本命不在といったところだろう。

 

Hennessy Gold Cup Chase (G3 Handicap) 3m1f214y

本日のメインレース。2015 Cheltenham Gold Cupの勝ち馬Coneygreeの取り消しは残念だが、トップハンデのSaphir Du Rheu、G1勝ちのあるBobs Worth、First Lieutenantを初め、多数の実績馬が集まった。

逃げるのはThe Giant BolsterとSmad Place、Fingal Bay。長距離でタフな馬場にも関わらず、さすがは非常に賞金額の高いレースともありハイペースで引っ張る。第一障害でいきなりThe Young Masterが落馬。人気のSaphir Du Rheuは好位から。後方からBobs Worth、First Lieutenant、Al Co、Splash Of Gingeなど。第9障害辺りからSmad Placeの一人逃げの形になる。ペースは緩むことなくレースは進行し、徐々に後方に置かれる馬、手ごたえが悪くなる馬が現れる中、Smad Placeは快調に逃げる。逆にこれを追いかけてきたSaphir Du Rheuなどの手ごたえが悪くなる中、残り3障害辺りからSmad Placeが後続を突き放し、最後は12馬身差の圧勝。2着には後方にいたTheatre Guideが追い込み、3着には少しずつ進出していたFirst Lieutenantが入った。

Smad Placeは昨シーズンはG1路線を走るも、全く結果の出なかった馬。しかし今回はタフな馬場でもかなり厳しいペースを自ら作り出し、力の違いを見せ付ける結果となった。今シーズン初戦も強い勝ち方をしており、今後の長距離Chase路線においてかなり楽しみな馬であるといえるだろう。Coneygreeと同様に自ら厳しいレースを作り出し、持久戦に持ち込む形が合っているようだ。いずれにせよ、Coneygreeや今回のSmad Placeのように序盤からかなりのペースで飛ばす馬がいる現状、長距離Chase路線を考える上ではハイペース耐性のある馬を上に取るべきだろう。

Theatre Guideは軽量を利して2着。ここのところは結果が出ていなかったが、かつてはMonbeg Dudeらと好勝負を演じていた馬。最軽量のハンデに恵まれた部分は否めないが、復調してきたとしたら楽しみな一頭だろう。また、面白いのがFirst Lieutenant。元々は長距離Chase G1路線の常連であり、とにかく勝負弱いことで有名な馬。昨シーズンは結果が出なかったが、本来持っているポテンシャルはG1でも十分に通用するものがある。この馬も要注意だろう。Fingal BayはChase1勝馬ながら好走した。かつてはDynasteの2着に入った実績もあり、条件戦であれば十分にやれるだろう。

Saphir Du Rheuはトップハンデ、重馬場という厳しい条件を考えればよく頑張ったほうか。その素質は高く評価されながらも、厳しいレースの経験はない馬。前走も快勝とは言えど、スローペースをスピードの違いで勝ちきったようなものであった。これで見限るのは早計だろうが、ハイペース耐性という点では疑問が残る。Bobs Worthは後方からレースを進めるも、さほど見せ場無く6着まで。前走Hurdleで勝利し復調ぷりをアピールしたが、ややこのハイペースは厳しかったか。The Giant Bolsterは好位から頑張るも最後は遅れ7着。Cheltenhamで見直すべきだろう。昨年2着のHoublon Des Obeauxはペースに戸惑い大敗。Al Coも途中から付いていけなくなりPU。この辺りもやはりハイペース耐性のなさによるものか。

 

*Newcastle Soft

Fighting Fifth Hurdle (G1) 2m98y

Identity Thiefが逃げる展開。Top Notch、Wicklow Braveあたりがこれを追いかける。Intense Tango、Purple Bay、Irvingは後方から。第5障害辺りからTop Notchが先頭に立ち、強気にスパート。しかし最終障害で追ってきたのがIdentity Thief。最後はIdentity ThiefがTop Notchを僅差で下し勝利。離れた3着にはWicklow Braveが入った。

Identity Thiefは今シーズンに入って力をつけてきた馬のようだ。前走はアイルランドで重賞制覇と波に乗っている。中7日で挑んできたTop Notchは惜しい2着。Peace And Coと僅差の争いをしてきた馬であり、重馬場適性もある。このくらいやれて当然だろう。ただし、Faugheenなど短距離Hurdleの一流どころと比べてどうかと言われると微妙なところであるが。

追加登録をしてきたWicklow Braveは離れた3着。昨シーズンのCheltenhamで劇的な勝利を飾った以後も平地シーズンから休まず長距離戦線を使ってきた馬であり、一度休養したほうが良いように思う。Intense Tangoは力負け。中7日で使ってきたIrvingは前走に引き続き飛越のミスが目立った。前走こそ楽な展開で何とか勝ちきれたが、今回は完全にリズムを崩しての敗戦。一度立て直したほうが良いだろう。