にげうまメモ

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16/01/24 National Hunt Racing

*Leopardstown Soft (Soft to Heavy in Places)

Arkle Novice Chase (G1) 2m1f

圧倒的人気のDouvanがスローで逃げる展開。危なげない飛越で障害をクリアしていくと、後続は付いて来れず。平地で軽く気合をつけた程度で、2着のVelvet Makerに15馬身差をつけて圧勝した。

Douvanは昨シーズンの短距離Novice Hurdleで頭角を現してきた馬。今シーズンからChaseに転向し、ここまで3戦3勝、いずれもが圧勝の内容と来ている。調教師や馬主からの評価も非常に高く、Cheltenhamに向けての下馬評も高いようだ。特にアイルランドを代表する調教師Mullins師からのこの馬への評価は相当なものがある。確かにいずれのレースにおいても飛越に殆ど乱れがなく、余裕残しの圧勝。ただし前走の相手はNovice Hurdle時代に相手にしなかったSizing John、今回の相手は前走負かしたVelvet Makerであったことには注意しなければならない。特に今回はDouvanが出るということで殆どの対抗馬がレースを回避していたようだ。更にここ2走はいずれも重馬場でのレースであるため、着差が付きやすいコンディションである。昨シーズンの短距離Novice Chaseのトップに立ったUn De Sceauxは他馬が付いて来れないスピードの違いで圧勝してきており、対する英国勢はスローからの上がり勝負で安定した強さを誇ったVibrato Valtatであった一方で、今シーズンのDouvanはいずれもがスローからの上がり勝負、英国勢のAr Madなどは前半から飛ばしての勝利とやや毛色が異なる。確かにDouvanのポテンシャルは未知の魅力があり、Mullins師の評価がホンモノならば歴史的な名馬へと成長する余地がある。ただし相手関係をモノサシとするとさほど強調できない勝利であることは本番を見据えた上で考えておかねばならないだろう。

 

Irish Champion Hurdle (G1) 2m

Faugheenが逃げる展開。これを追うのがNichols Canyon、Arctic Fire。早々にKing of the Picts、Plinthは付いていけなくなり後退。途中からNichols CanyonがFaugheenに絡んで行き、2頭で後続を突き放す展開。しかしNichols Canyonは残り2障害辺りから余力をなくし、結局はFaugheenが15馬身差の圧勝。2着には脚を溜めたArctic Fireが入った。

今シーズン初戦はNichols Canyonがスローで逃げ、じっくり構えたFaugheenが捕まえきれないという結果になったが、今回は2頭の真っ向勝負となった。Nichols Canyonの果敢なチャレンジを退けたFaugheenはレース結果の通り力が一枚も二枚も上手であったと考えてよいだろう。とりあえずChampion Hurdle (G1)に向けては、Faugheenに逃げられてはもはや他馬が手も足も出ないことはこの2走で分かったのではないだろうか。今回はスタート直前の周回でRuby Walshが意地でもハナに行くという構えを見せていた。本番でもスタート直前の駆け引きは要注目である。

Nichols Canyonは昨シーズン中距離Noviceで頭角を現してきた馬。今シーズン初戦こそFaugheenに出し抜けを食らわせたが、流石に真っ向勝負を挑んでは分が悪かった。本番に向けてはレース選択か戦術の見直しが必要だろう。Arctic FireはNichols Canyonが真っ向勝負を挑んだ結果としての2着。Faugheenに対しての逆転は現状難しいか。