にげうまメモ

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16/07/03 Italy Racing

*Merano Tempo Bello - Terreno Morbido

Giuseppe Chiodini Euro 13.000 Trio 3300m

per cavali di 4 anni ed oltre (Siepi - DISCENDENTE - FANTINI)

なんか途中から謎の音声が入っているが気にしてはいけない。カメラワークとか実況とかは結構頑張っている方である。

Astro Benignoが掛かり気味に逃げる展開も、途中からMonelloがハナに行く。Azamourday、Peck Leaderなどが好位から。Kauto Sweetyは後方から。途中のコーナーでAnatol Artistは外に逸走してしまったのかPU (=FE)。Monelloは軽快に飛ばし、唯一食らいついてきたAstro Benignoを半馬身ほど抑えて勝利。離れた3着にはAzamourdayが入った。

Monelloは70kgという抜けたトップハンデを背負っての勝利。重賞でも好走歴のあるほどの馬だが、最近は落馬や大敗とやや冴えないレースが続いていた。ここではその不調を払拭する走りを見せた。Astro Benignoは3歳馬限定G3勝ちがある馬だが、その後はやや冴えない走りを続けている。やや引っかかる仕草を見せたりと若さを覗かせていた。イタリアSiepiは前半抑えて走るためこの辺りが課題だろう。

 

Isoltem Euro 13.000 Trio 3300m

per cavali di 4 anni ed oltre (Siepi - NOVICES - FANTINI)

イタリアにも若干のNovice戦はある。

Green Rocksが逃げる展開。中盤の障害でMax and Rubyが前に躓く形で鞍上のMeehan Christopher Davidが落馬し競争中止。Desperados、Velociter、Koffi Ladyなどが好位。Muffareh、Puente La Reinaは中団から。残り数障害からDesperadosとKoffi Ladyが抜け出すが、スピードの違いでKoffi LadyがDesperadosを振り切り、最後は10馬身差の圧勝。2着には追い込んだSerienlohnが入った。

Koffi Ladyはもともとドイツで走っていた馬。Strömsholmで行われたSvenskt Champion Hurdleの2着馬Nuevo Leonを下してきた実績もある。イタリアではこれが2戦目で、前走こそ3着に敗れたがさすがにここではトップスピードが違った。牝馬で69kgを背負っての勝利は立派だろう。2着のSerienlohnもドイツからの馬だが、これが障害初戦。やや仕掛け遅れの印象があるだけに、このクラスであれば勝ち上がりは近いだろう。

 

LXI PR. Ezio Vanoni Euro 40.000 TRIO 3800m

per cavali di 4 e 5 anni (Steeple-Chase - Gruppo II - FANTINI)

4-5歳限定Steeple。なんかこの辺りの発想はフランスっぽい。

Callia D'oudairiesが逃げる展開も、途中からやや引っ掛かり気味にRomanがハナに行く。Lindaro、Quick Davierなどが好位に構える。一時は後続にやや差をつけたRomanだが、少しずつ後続が追いついて来る。後半から一気にCallia D'oudairies、Quick Davierが先頭に代わり、Romanは後退。巨大生垣にて中段にいたRelco Sud Ovestが落馬、この辺りからQuick Davierが先頭に。Callia D'oudairiesがこれを追うも、直後の障害で飛越をミスし騎手がバランスを崩して万事休す。鞍上のNabet Kevinは必死で馬の首にしぶとくしがみついていたようだが、どうやらそのあと騎手は落馬した模様。レースはそのままQuick Davierが後続に大きな差をつけ圧勝した。2着に追い込んだSbarazzino。

Quick Davierはフランスからの遠征馬。フランスでは3勝を挙げ、前走はハンデ戦で70kgを背負いながら2着にきている。やはりスピード能力という点で一枚上手であったようだ。2着のSbarazzinoは3歳限定戦であるGran Criterium D'Autunno (Siepi G1)にて3着に入っている馬だが、やや勝ち馬とは水をあけられてしまった印象。落馬したCallia D'oudairiesもフランスからの遠征馬だけに、フランス馬とはやや差がある模様。もっとも、ここに出ている地元勢も強力ではなかったのだが。なおポーランドから果敢にも参戦したTamasは残念ながら落馬という結果に終わった。ポーランドもそれなりに障害はやっているので、更なる挑戦を期待したい。

 

8 Gran Steeplechase D'Europa - Sportforyo Euro 60.000 TRIO 4600m

per cavali di 5 anni ed oltre (Steeple-Chase - Gruppo I - FANTINI)

本日のメインレースなのだが実況音声が入っていない訴訟。

FafintedenientがイタリアSteepleらしいゆったりとしたペースを作り出す前半。フランスのLe Costaudは中団、ドイツからの参戦馬Kazzioは最後方から。巨大生垣にて地元の有力馬の一頭Little Bruvが落馬、これにぶつかる形でKazzioは大きな不利を受けてしまう。この辺りでLe Costaudはスローペースに業を煮やしたのか、一気に捲って先頭に。一時は後続を大きく突き放す。Company of Ringがこれを追ってくるも、徐々に振り切られ後退。代わってAlcydon Fanがこれを追うもなかなか差は詰まらない。Kazzioは徐々に進出するも、時すでに遅し。Le Costaudが後続に大きな差をつけて圧勝した。Kazzioが2着。地元勢はAlcydon Fanの3着が精一杯。

Le Costaudはフランスの馬。5歳のセン馬で特筆すべき実績はないが、ここまで走って一度も連を外していないという今後楽しみな若駒である。ややスピードに任せた飛越が多く、着地時に頭を下げる格好になる点が気になったが、それでもこのMerano競馬場の高い生垣障害をクリアし、他馬を圧倒するスピード能力は恐ろしいものがある。フランスでの立ち位置は分からないが、いずれにせよ今後が楽しみな一頭だろう。ドイツ最強の障害馬Kazzioはよく追ったが2着まで。Svenskt Grand National勝利からのここであり、Merano自体は昨年Gran Premio Merano (G1)勝利で経験がある。さすがに飛越は高く安定していたが、勝ち馬とはスピード能力の違いだろう。3着のAlcydon Fanは下級条件勝ちがある程度の馬であるが、今回は通常のイタリアSteepleとは異なり、中盤から大きくペースアップする展開が向いたのだろう。やや注意しておきたい一頭である。地元勢のDar Said、Company of Ring、Fafintadenientなどは全く見せ場を作れず大敗。特にFafintadenientはペースアップした辺りからミスを連発しており、Le Costaudが作り出したペースについていけなかったのだろう。地元勢としては前半は飛越重視でスローで流し、後半から徐々にスパートするという展開に慣れてしまっている点が気がかりである。難易度の高い障害が多く、飛越能力やレースの面白さとしては素晴らしいものを持っているだけに勿体ない。これはイタリア障害競馬が抱える問題の一つだろう。