にげうまメモ

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16/08/20 Czech Racing

*Pardubice stav dráhy: 2.8 (pevná)

Cena Dostihového spolku a.s.

Proutky III.kat. - 3400 m, cena, 4letí a starší 90.000 Kč

スペイン産馬New Attackが軽快に飛ばす展開。好位からPlaystarabad、Poinsettia、Romane Contiなど。2周目の途中からPinsettiaが先頭に立ち、Playstarabadがこれを追う。最終コーナーで内を掬って先頭に立ったPlaystarabadが後続を突き放し、最後はPoinsettiaに8馬身差をつけて快勝した。3着にはAscover。後ろから忍び寄ってきたTurdusは最終障害で転倒。馬は元気に走っていたようだが。

PlaystarabadはこれでProutkyは4戦3勝落馬1回とした。全体的に飛越も安定しており、ここでは完勝の内容だろう。まだ4歳と若い馬だけに今後の飛躍が期待される。全く人気のなかったPoinsettiaは60kgという軽量を生かして見せ場を作った。

 

Cena proutěnkářů

Proutky IV.kat. - 3200 m, cena, 3letí 60.000 Kč

3歳馬限定Proutky。

Garfieldがスローで逃げる展開。これを追いかけるのがChanging Gurard。Garfieldは2周目から徐々にペースを上げ、一時はリードを広げる。これを追いかけ最終障害で先頭に立ったのがポーランド産馬のDžidžali。しかし最後の直線で追い込んできたSantosがこれを差し切り勝利。さりげなく追い込んできたHasanの追撃をぎりぎりDžidžaliがしのぎ切り2着を守った。一時は完全に気を抜いていた鞍上のSložil ml. Pavelが慌てて最後追っているのはご愛嬌。

やや荒れた結果となった。Santosは平地では全く実績のない馬。ここでも低評価であったが、それを覆すレースを見せた。ただしあくまで最後の直線の伸び脚で決まったという感は否めないだろう。MimoňにてProutky V. kat.を勝ってきたDžidžaliは強気の競馬を見せるも2着まで。比較的平地の実績のあったHasanはよく追い込むも、やや仕掛け遅れの印象が否めない。

 

Cena podporovaná společností Agrovenkov, o.p.s.

Steeplechase crosscountry IV.kat. - 3400 m, handicap, 5letí a starší 60.000 Kč

Sixtysevenが逃げる展開も、途中からRapa、Libertinなどが積極的に絡んでいく。早々に遅れた葦毛のKingston JailはPU。途中から先頭に立ったLord Jagminが追ってきたLibertinを振り切ろうと試みるも、内からこれを掬ったTheophilosがあっさり抜け出し、最後は11馬身差の快勝。2着には追い込んだWoodyが入った。3着には鞍上のAndrés Dušanが派手なアクションで追っていたLord Jagmin。

TheophilosはStcc自体は2戦目にして初勝利。さほど実績のない馬だが、それを感じさせない快勝を見せた。6歳と若い馬だけにこれからが楽しみである。チェコを代表する伝説的騎手であり名調教師でもあるVáňa st. Josefおじさんの管理馬であり将来有望といったところか。2番人気のLord Jagminは早々に押し切りを狙うも3着まで。どうにも惜敗の多い馬だが、どうやらやや平地の脚で見劣るようだ。

 

Cena CHOVSERVIS a.s. Hradec Králové

Steeplechase crosscountry III.kat. - 4000 m, cena, 4letí a starší - klisny 90.000 Kč

牝馬限定戦。Bugabooが序盤はスローで逃げる展開も、少しずつペースを上げIII. kat.としては標準的なペースで流れる。好位置からValencia Sky、První Láskaなど。森の中を襷状に横切るコースの辺りからBugabooのリードはなくなり、代わってNatalieが先頭に立つ。そのままStchに入りNatalieが逃げ込みを図るも、最終障害からNatalieに迫ったIzynkaが激しいたたき合いを制して勝利。離れた3着にはJeceeが入った。

人気2頭の決着となった。Izynkaは今年からStccに参戦し、これで3戦2勝。NatalieはCena Pivovarů Staropramen - Cena Laty Brandisové (Stcc NL)にてArcioneの3着がある馬であり、今回はIzynkaが65.5kg、Natalieが69kgと斤量差はあったにせよ、Izynkaのパフォーマンスは立派だろう。課題はクラスが上がるにつれて難易度が高くなる障害への対応といったところだろうか。今回特に目立った飛越のミスはなかったが。

 

Cena společnosti Explosia a.s.

Steeplechase crosscountry II.kat. - 5200 m, cena, 5letí a starší 120.000 Kč

本日の準メイン。Wild Dangerがそれなりのペースで引っ張る展開。早々に落馬したのはNostalgik。好位置からRenard argenté、Marmitonなどが続く。Wild Dangerは道中緩めずに引っ張り、隊列はかなり長くなる。Stchに入り再度リードを広げに掛かったWild Danger、これを追うMarmitonなどを持ったままの手ごたえであっさり交わし去ったのがArcione。そのままリードを広げると、2着のMarmitonに8馬身差をつける楽勝。3着には追い込んだPower Zarが入った。

II. kat.としてはかなりメンバーが揃っていた一戦。Wild Dangerが激しく引っ張ったために非常に見ごたえのあるレースとなった。ArcioneはCena Pivovarů Staropramen - Cena Laty Brandisové (Stcc NL)の勝ち馬。実績が牝馬限定戦であったこと、および今シーズンはやや精彩を欠いていたことから人気を落としていたが、このパフォーマンスを見る限りではここでは完全に力が上だろう。Velká pardubická s Českou pojišťovnou (Stcc L)を目指しても面白い馬かもしれない。Cena ČASCH podporovaná společností Bělecký Mlýn (Stcc NL)の勝ち馬Marmitonは力を見せるも2着まで。今回はやや勝ち馬のパフォーマンスが立派すぎた感もあり、ハイペースを追走し最後まで脚を伸ばしたこの馬自身もよく走っている。I. kat ~ II. kat.辺りであれば十二分に勝負になる馬だろう。Cena města Pardubic - Úvodní Cross Country Koroka (Stcc I. kat.)を勝利してきたPower Zarはよく追い込むも3着まで。同レースの2着馬がCharme Lookであることを考えてもこのレースのレベルの高さが分かるだろう。Cena ČASCH podporovaná společností Bělecký Mlýn (Stcc NL)2着のTzigane Du Berlaisは見せ場なし。

 

Memoriál Ing. Jiřího Šindlera – 33ti násobného startéra Velké pardubické

Steeplechase crosscountry IV.kat. - 4400 m, cena, 5letí a starší 60.000 Kč

Pyšný pávがスローで逃げる展開。Celadon、Eldorado、Starbuckなどが好位置から。比較的馬群は密集する。途中の生垣障害でLombarginiが派手に落馬。馬は元気に走っていたようだ。その後先頭に代わったのがCeladon。これをぴったりとマークするのがTymian。一時はTymianをCeladonが振り切るも、最終障害を越えて大外からTymianが追い込んでくる。これをCeladonが僅差でしのぎ切り勝利。3着には盛り返してきたPyšný Pávが入った。

CeladonはこれでStcc2勝目。II. kat.にてTer Millの3着に入った実績もあるが、このレース自体はIV. kat.として典型的なものでありさほどここからどうこうといった感じではないだろう。Tymianは未勝利馬。レースレベルとしてはさほど評価できるものではないか。

 

Cena firmy Chládek a Tintěra, Pardubice, a.s. - III. kvalifikace na 126. Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou

Steeplechase crosscountry NL - 5800 m, cena, 5letí a starší 400.000 Kč

本日のメインレース。やたら長い名前だが要するに第126回Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)に向けた前哨戦の3戦目である。出走権の関係があるので前哨戦というか予選というか。

Peintre Abstraitがスローで逃げる展開。好位からCharme Look、Nikas、Rebelino、Hegnus、Zarif、Kasimなど。Rabbit Wellは中団、Al Jazは後方に構える。Dropの途中で立ち往生してしまったのがCherwick。どうやらこの馬はDropが苦手らしい。ここでCharme Lookが先頭に代わり、Rebelino、Ange Guardian、Hegnusなどがこれを追う展開。ややNikasは位置を下げる。Kasimが途中からCharme Lookに絡んでいこうとするも手ごたえが悪くなり後退。Al Jazも後方から押し上げるもそこまで。Charme Lookが少しずつペースを上げると、そのままAnge Guardianの追撃を2馬身ほどしのぎ切って勝利した。Rabbit Wellはよく追い込むも3着まで。先行して粘ったRibelino、Hegnusが4、5着。

Charme LookはこれでStccは11戦7勝。Cena hejtmana Pardubického kraje - Cena Vltavy (Stcc NL)の勝ち馬である。やや飛越にポカがあるところがあり、今回も時々飛越にミスがあったが、とりあえず最後までこなしたと言ったところだろう。レースとしては完全にCharme Lookの形であり、スローから少しずつ加速する形を取ることでこの馬の良さを出し切ったLukáš Sloupの好騎乗である。Rabbit Wellなど強力なメンバー相手に勝ち切ったことは評価しなくてはいけないが、最後はやや脚が上がっていたこと、また飛越にポカのあるこの馬の性質を考えると、本番のVelkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)で同じレースが出来るかと言うと微妙なところがあるだろう。特にUniverse of Gracieなどとの兼ね合いでペースが速くなったときはやや不安が残る。

Ange GuardianはLysá nad Labem競馬場にてI. kat.を2勝してきた馬。Pardubiceではさほど経験がないが、この強豪揃いのレースで評価を上げる2着に入った。Charme Lookのペースに適応した面は否めないが、少なくとも最後まで勝ち馬を追い詰めたパフォーマンスは見事だろう。課題はペースが上がったときの飛越だろうか。昨年の勝ち馬Rabbit Wellはやや仕掛け遅れの印象の3着。この馬自身昨年のVelkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)ではやや持久力不足を露呈してしまっているだけに、ここは勝ちたいレースであっただろう。ただしこの舞台であればどのような展開でも安定して上位に来る実力は確かなものがある。

Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)にて繰り上がり優勝となったRibelinoはようやくその実力を見せてくれた。今シーズン3戦はズルズル下がっての途中棄権や落馬を繰り返していたが、真面目に走ればこの程度はやれる馬。やや今回はCharme Lookの術中に掛かってしまった感もあるが、本番に向けて楽しみが増えるパフォーマンスであったことは間違いない。Cena společnosti VCES a.s. - Cena Labe (Stcc L)の勝ち馬Hegnusは5着まで。やや後半の急激なペースアップに戸惑った感もあるが、ここではもう少しやれて欲しかったというのが正直なところ。Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)にて3位入線(1位入線のNikasが失格のため2着)のZarifは6着まで。このようなスローペースは合わない。Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc L)にてOrphee des Blinsを追い詰めたAl Jazは一気に押し上げるも最後は置いて行かれ9着。この馬ももう少し厳しいレースになった方が良いだろう。今年のVelká cena města Pardubic – XXIV. ročník – I. kvalifikace na 126. Velkou pardubickou s Českou pojišťovnou (Stcc NL)を勝ってきたKasimはPU。やや同レース自体特殊な展開で合った感も否めず。

 

Cena města Pardubic

Steeplechase crosscountry III.kat. - 4000 m, cena, 4letí 90.000 Kč

Jesmoonが軽快に逃げる展開。好位置からSaint Malo、Gibb's Beachなど。序盤は飛ばしたJesmoonだが、中盤から後半にかけてはややペースを落とし、最終障害から追ってきたKifaayaを突き放すと3馬身差の快勝。3着にはRingmasterが入った。

JesmoonはStccは4戦3勝とした。やや引っかかる面が見られたのが気になるが、4歳の若駒であり気性面の成長も含めてこれからが楽しみな馬だろう。Criterium di Primavera (Siepi G2)勝ちのあるKifaayaはやや力差を感じさせる2着。

 

おまけ

かわいい。