にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

16/09/17 Japanese Racing

阪神

阪神ジャンプステークス (J.GIII) 3140m

アップトゥデイトの復帰2戦目であったが、前走の新潟ジャンプステークスの大敗でやや人気を落とし、今年の5月の京都ハイジャンプで障害4連勝を飾ってきたニホンピロバロンが人気を集めていたレース。

スタートから3歳のツイセキシャが先頭を伺う構えも、アップトゥデイトが主張してハナへ。一時は後続を大きく突き放す逃げを打つも、3コーナーの辺りからリスヴェリアート、ニホンピロバロンが接近。反撃するアップトゥデイトを抑えてニホンピロバロンが勝利した。3着には追い上げたテイエムシシーポス。

アップトゥデイトは前走新潟の平易なハードル障害において、スローの中を中団の内に入ってしまい、動くに動けず大敗を喫していた。今回はその反省を生かしてか、序盤から積極的に運ぶレース運び。これ自体は評価してよいものだが、やや中盤から勝負所にかけてテンポを落としてしまい、後続の追い上げを許したことは勿体ない敗戦だろう。特に、鞍上の林騎手は障害飛越の前に手綱を引っ張り減速させている所作が散見された。この馬の高いスピード持続能力と飛越能力を生かすのであれば、序盤はとりあえず展開の鍵を握り、そこからじわじわとペースアップして後続の有力馬をなぶり殺しにしていくレース運びの方が良い。しかし、今回は阪神の平易な障害コースへの適性面で上回るニホンピロバロンを相手ににここまでやれたことは十分な内容だろう。中山大障害においてもこのような積極的なレース運びであれば再度の戴冠の可能性は十二分に考えられる。

ニホンピロバロンはさほど馬の状態は良くなかったが、阪神コースへの適性とスピード能力、中盤から後半にかけて緩んだ展開を最大限に利しての勝利。飛越自体は安定していたが、やや序盤から行きたがる面を見せていたことと、加えて馬自身の状態のケアが課題か。テイエムシシーポスは人気薄ながら健闘した。経験のある馬らしく飛越は流石に安定しており、格下の馬にとっては比較的持久力を必要とする展開は向いたのかもしれない。人気を集めたアロヒラニは追い上げるも4着まで。さすがに前回のようなスローの上がり勝負はこのクラスであればなかなかない。リスヴェリアートが最終障害をミスし大敗。見せ場を作ったことを褒めるべきだろう。あまり着差は気にしない方がいい。