にげうまメモ

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16/10/25 National Hunt Racing

*Chepstow Good to Soft (Good in Places)

Novices' Chase (C3) 2m7f131y

2015-16シーズンにLong Walk Hurdle (G1)、World Hurdle (G1)、Stayers' Hurdle (G1)を含む5連勝を挙げたThistlecrackのChase初戦。

Thistlecrackが引っ張る展開。これを追いかけてAqalim、Saddlers Encore。Shaky Gift、Coole Charmerは後方に構える。早々に手ごたえの悪くなった後続を尻目にThistlecrackは軽快に逃げ、盛り返してきたAqalimを殆ど追わずに4馬身ほど突き放して勝利。3着以下は大きく遅れた。

"Perfect chasing debut"と言ってよいだろう。Thistlecrackは比較的テンポの早いピッチ走法の馬であり、この類の馬は障害飛越に際して関節の可動域の問題が出る場合があるのだが、同馬に関しては飛越時は四肢を柔らかく伸ばして英国の大きなSteeplechaseにも対応できていた。また、今後を見据えると完歩を大きくしてスピードを上げた際の飛越が必要になるが、鞍上のTom Scudamoreが促して完歩を大きくした際も踏切位置にミスはなく飛越が出来ていた。鞍上によるコントロールも完全に効いており、このコンタクトは完成された障害馬のそれだろう。今後の課題は苦しくなった時の飛越と言ったところか。昨シーズンの長距離Hurdle路線は相次ぐ有力馬の離脱で比較的メンバーが薄く、またこのレース自体もあくまでこの馬のペースで走らせた中での結果。Cheltenham Gold Cupを目指すのであれば疲労困憊した状態からのもうひと踏ん張りが必要になる。

Aqalimは長距離Hurdle路線で頑張ってきた馬だが、やや勝ち馬とは飛越の巧拙の差が出てしまった。一時は置いて行かれたにも関わらず最後は盛り返しているだけにこの4馬身差の2着は誇ってよいものだろう。Heroes Handicap Hurdle (G3)勝ちのあるSaddlers Encoreは残り4障害辺りから遅れて3着。いくらなんでもThistlecrackと比較するのは一介のNovice馬にとっては苦しいが、この辺りの馬は飛越技術の向上が欲しい。