にげうまメモ

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16/11/12 National Hunt Racing

*Cheltenham Good to Soft

CheltenhamのThe Open Meeting2日目。Old Course使用。雨が降っていたようで。

 

JCB Triumph Trial Juvenile Hurdle (G2) 2m87y

今年も始まりました3歳Hurdle路線。East Indiesが引っ掛かり気味に逃げる展開。これを追いかけてRed Hot Cilly。この2頭で後続を大きく引き離す。East Indiesは残り4障害辺りから後退しPU。Red Hot Cillyが先頭に代わるが早々に手ごたえが怪しくなる。代わってLambeau Fieldだが、外からDefi du Seuil、Dino Velvet、Diable de Sivolaなどが捲ってくる。残り2障害でDino Velvetが落馬、手ごたえの良かったDefi Du Seuilが追うことなくDiable de Sivolaを1馬身ほど突き放して勝利した。

馬場はGood to Soft表示にしては悪いようだ。Defi Du Seuilは未勝利戦に引き続きHurdle2勝目。追ってからどこまで伸びたかは分からないが、少なくとも持ったままで快勝したパフォーマンスは立派だろう。今年の3歳路線で面白い一頭。Diable de Sivolaはどうも勝ち味に遅い馬のようだ。脚の使い方次第では勝ち馬に対して差は詰められるだろう。惜しかったのがDino Velvet。余力をなくしての落馬ではないだけに次は見直したいところ。

 

Novices' Chase (C2) 3m80y

やや押してMarineroが先頭に行く構え。これを追いかけてThistlecrackだが、Thistlecrackがスピードに乗った飛越でぴったりと付いていく。第5障害でThistlecrackがミス、その後はMarineroに代わってThistlecrackが前に出る。そのまま一時は大きくリードを開くが残り3障害辺りでMarineroが接近。Marineroはその後手ごたえが悪くなり、結局はThistlecrackがほぼ持ったままで快勝した。Aqalimは早々に付いていけなくなりPU。

Thistlecrackは前走のChepstowのあとからの調整過程にミスがあったようだ。調教師が少し運動させておけばとか反省の弁を出している。前に馬を置いた分もあったかもしれないが、序盤はやや気負い気味に走っており、Open Ditchにて何度か踏切の位置が遠すぎるミスを起こしていた。結局最後までOpen Ditchでの踏切地点は安定しなかった点は今後の課題だろう。また、前走は完全に自由に走れていたが、今回Marineroが前にいたときにミスを生じたこと、鞍上のTom Scudamoreが他の馬とは距離を置いて飛越させていたこと、これは今後頭数が増える大舞台においては不安材料となる。MarineroはMonkslandに僅差まで迫る程Novice馬離れした完成度を持つ馬だけにThistlecrackの能力は疑いようもないが、今後大舞台を目指すとするならばいくつか克服すべき課題が見つかった一戦といえるだろう。

 

BetVictor Handicap Chase (G3) 3m3f71y

Shotgun Paddy、Le Reve、Any Currenvyなどが前に行く展開。早々にLe Reveは着地をミスして落馬。好位からUnionist、Alvarado、Cogryなど。Un Ace、Viconte du Noyer、Fouth Actは中団。Beg to DifferやUpswingは早々にムチが飛ぶ。ペースはスローで進行。第12障害にて空馬となっていたLe Reveが障害の前で立ち往生、これでMidnight Prayer、Racing Pulse、Cogryの3頭が落馬する事故。早々に後退したAny Currencyを残して、残り4障害辺りからViconte du Noyer、Warrantorなどが進出。残り2障害で先頭に立ったViconte Du NoyerがWarrantorを凌ぎ切って勝利した。Minella Roccoが3着。Shotgun Paddyは勝負所でミスをして7着まで。

とりあえず第12障害で被害を受けた人馬ともに無事とのこと。Viconte Du Noyerはアイルランドの重賞で入着を繰り返してきたくらいの馬だが、今年の夏からCollin Tizard師のもとに転厩していた。ただしメンバーとしてはやや手薄であったことは注意した方がいいかもしれない。WarrantorはNovice上がりの馬だが、飛越の向上さえあればここでもやれるだろう。Minella RoccoはCheltenhamの32f戦を勝ってきた馬であり、今回も11st9lbの厳しい斤量を背負っていた。上位馬の中では最も評価が上か。Alvaradoは相変わらず勝負所で置かれて最後の平地で追い込むという競馬。Old Courseは合わない。Shotgun Paddyは勝負所でのミスが全てだろう。Any CurrencyはCross Country狙いだったと思うのだが、開催事情にも左右されてやや気の毒な敗戦。

なおLe Reveに騎乗していたNoco de Boinvilleは腕の負傷でしばらく離脱らしい。Coneygree、Sprinter Sacreの主戦だけに心配なところ。

 

BetVictor Gold Cup Handicap Chase (G3) 2m4f78y

この辺りではすでにSoftまで悪化していた。内を空けて通る馬も多く見られた。

Village Vic、Vintage Vinnieなどが前に行く展開。Potters Cross、Sizing Graniteなどが好位置。Taquin du Seuil、Buywise、Aso、More of Thatなど中団は固まって進行。残り4障害辺りから逃げるVillage VicにAsoが外から襲い掛かる。しかしAsoは最終障害でミス、代わって追い込んできたTaquin Du SeuilがVillage Vicを僅差で交わしたところがゴール。3着にはBuywiseが入った。More of Thatは見せ場なくPU。

Taquin Du Seuilは2014 JLT Novices' Chase (G1)の勝ち馬。20f-24f戦の一線級相手にはやや分が悪い競馬を続けていたが、ここでは力を見せた。後ろから行く馬であり比較的飛越は安定しないのだが、今回は馬群がばらけた上に得意のSoftの馬場、さらに飛越にもミスが見られなかった。内に迷わず突っ込んだAidan Coleman騎手の好騎乗も光った。Village VicはCheltenhamのSoftということで得意の舞台なのだろう。4歳のFrodonは残り4障害でミス。まだ若さが伺える。More of Thatは特に飛越にミスは見られなかったのだが、勝負所から失速しPU。どこか痛いところでもあるのだろうか。