にげうまメモ

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17/01/21 National Hunt Racing

*Haydock Soft

馬場凍結の影響でAscot開催が中止になってしまった。Clarence House Chase (G1)はCheltenhamで開催されるらしい。

 

Star Sports Cheltenham Preview Evening Novices' Chase (G2) 2m3f203y

葦毛のMaximiserが先頭を切るも第3障害で大きなミス。代わって引っ張ったPolitologueがこれを追いかけてきたIts'afreebee、Bun Doranを振り切って押し切りを図るも、最終障害で前に出たWaiting Patientlyが勝利した。

Waiting PatientlyはChaseは3戦3勝とした。HurdleではC4 Novice勝ちのみであり、ほとんどHurdleは使わないままChaseに移行している。勝ち鞍のいずれもが僅差の勝利と派手なパフォーマンスではないが、今回少しずつペースを上げていったPolitologueについていき、一気に交わし切るレース振りは高い能力の証だろう。比較的筋量豊富であり、かつ瞬間的な動作が出来る馬。この距離の上り勝負はこの馬にとって適する舞台かもしれない。また、最後まで脚の上がっていないPolitologueを寄せ付けないスピードは素晴らしいものがあった。一方Mitie Noel Novices' Chase (G2)を勝ってきたPolitologueは惜しい2着。持続的で大きな動きが出来る馬体を持つ一方で、瞬間的な収縮力という点でやや見劣っていた。それでもほとんどの馬を振り切ったスピードの持続力は魅力だろう。こういった馬は全身を使って動くことで一段階大きくパワーアップする場合があるが、この馬はやや首の位置が高く、首を使った走りが出来ていないという欠点がある。この欠点が解消されればもう一段階上に行ける馬。また、距離を伸ばしても面白い一頭だろう。Neptune Investment Maganement Novices' Hurdle (G1)にてYorkhillの3着のIts'afreebeeは力の差を感じさせる3着。C3のハンデ戦を勝ってきたBun Doranも最後はついていけなくなりPU。Maximiserは飛越の向上が欲しい。

 

Supreme Trial Rossington Main Novices' Hurdle (G2) 1m7f144y

途中から先頭に立ったNeon Wolfが追いかけてきたElginを寄せ付けることなく圧勝。

Neon WolfはこれでHurdleは2戦2勝とした。経験の浅い馬ではあり、今回は比較的他の馬に惑わされることなくレースを進められた利点はあるが、それでも飛越動作は非常に安定しており、高い完成度を誇っていた。馬体は障害馬らしくやや硬さのある胴が短く小柄なものであり、瞬間的な収縮力は高いものを持っている。PTPでは24f戦、Hurdle初戦は18f戦と今後はどこを使うのかはわからないが、その動向が注目される一頭だろう。C2を勝ってきたElginはやや力差を感じさせる2着。

 

Champion Hurdle Trial Hurdle (G2) 1m7f144y

第4障害で人気の一角Irvingが落馬するアクシデント。逃げ込みを図ったClyneをゴール前でThe New Oneが交わし切って勝利した。L'ami Sergeは3着。2014年の勝ち馬Melodic RendezvousはSoftな馬場を嫌ったのか取り消し。

The New Oneはこれで同レース3連覇とした。ただしやはりSoftな馬場は本来得意ではないタイプなのか、今回も格下相手に苦労しての勝利となった。飛越も相変わらず粗い部分があり、Chaseに転向してよいタイプでもないだろう。Sam Twiston-Daviesの剛腕で最後は前に出た部分もあるかもしれない。現状ではStayers Hurdle (G1)を目標とした方が勝ち目があるだろう。一方4連勝で挑んできたClyneは飛越にもたつく場面は見られたが、途中からAdam Wedgeが馬を押して飛越させていくことでリズムに乗ることが出来た。飛越に向上があれば逆転まであるだろう。L'ami Sergeは直線で狭いところに入ってしまう不利が大きかったか。調教師が言うにはChaseに戻すとのこと。Irvingはもったいない落馬。

 

Peter Marsh Handicap Chase (Limited) (G2) 3m24f

好位からスムーズに進めたBristol De Maiが第8障害から先頭に立つと、追ってきたOtago Trail、Vintage Cloudなどを振り切ると22馬身差の楽勝。2着にはOtago Tail、3着にはBishops Roadが入った。Sausalito Sunriseは第4障害で落馬。フランスからの移籍馬で期待されたAlaryは見せ場なくPU。

序盤にVirakが押して前に行くことでハイペースとなった。Bristol De MaiはScilly Isles Novices' Case (G1)の勝ち馬。もともと20f戦で結果を残してきた馬であり、24f戦は2回目の出走となる。比較的ハイペースを刻むことで他馬を振り切るというパフォーマンスを見せてきた馬であり、逆にこのペースについてこられた場合はあっさりやられたりもする。今回はLimited Handicap G2としてはかなりのハイペースとなり、Softな馬場も手伝ってこの馬にとっては非常に得意な展開となった。この馬もどちらかというと重馬場が得意なハイテンポのワンペース型であり、スピードの持続力で押し切るタイプ。20f戦で実績を上げてきた馬が24f戦に移行した際に、体内リズムの違いでパフォーマンスを上げることはよくある。今回の走りは圧巻であったが、鵜呑みにするのはやや要注意と言ったところだろう。Otago Trailは残り2障害で大きなミスがあった。重馬場には適正のある馬であり、着差は気にすることはないだろう。Grand National Trial (G3)勝ちのあるBishops Roadは自分の走りをするも3着まで。ややこのペースに入ると苦しいか。フランスからの移籍馬でHaye Jousselin Grade 1 Chase (G1)でMilord Thomasの2着などの実績のあるAlaryは好位から進めるも残り4障害から脱落、途中棄権という結果に終わった。いきなり英国の障害でトップハンデ、ハイペースの展開は苦しかったかもしれない。小さなミスではあるが足を障害に引っ掛ける場面が散見された。Seventh Sky、Firebird Flyer、Katenkoはこのようなペースは合わない。Definitly Redは残り3障害で落馬したVintage Cloudの煽りを食って落馬。Novice馬Vintage Cloudはさすがにここに入ると飛越技術という点で他の馬とは見劣っていた。それでも残り3障害辺りまでは先頭で踏ん張った辺りは高い能力を持っている。トップスピードが高い馬ではないためNovice戦ではやや苦労するかもしれないが、長距離のハンデ戦であれば将来的には重賞を狙える馬だろう。