にげうまメモ

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17/02/04 National Hunt Racing

*Musselburgh Good

Scottish Triumph Hurdle Trial Juvenile Hurdle (Listed) 1m7f124y

残り3障害辺りから先頭に立ったForth BridgeがWarp Factor、Project Bluebookとの追い比べを制した。実績馬Fiduxは伸びず4着。

女王陛下は障害馬も所有されていたらしい。Forth BridgeはHurdleは3戦2勝とした。平地では未勝利勝ちのみの馬だが、良馬場でのスピード能力はそれなりに高いものがあるようだ。未去勢のWarp Factorは8lbの利をもらうも勝ち馬を捉えきれず。ただしProject Bluebookも含めさほど差はないだろう。

 

Edinburgh National Handicap Chase (C2) 4m176y

ゴール板を4回も通過するという超長距離戦。勝ったのは後方から少しずつ位置を上げたDancing Shadow。早めに先頭に立ったGonalston Cloudが2着。前半から積極果敢にレースを作ったAzure Flyが3着に入った。Alvaradoは最後遅れ6着。

残念ながらAintreeのGrand National登録馬は良績を残すことは出来なかった。それにしても良馬場とはいえさすがに4マイル戦、最後はやはり非常に厳しいレースとなった。1周目からFive in a Row、Beeves、Azure Flyがハナを競ってかなり飛ばしたのだが、2周目からはペースが落ち付き、そこからじわじわとペースアップしつつ各馬を篩にかけていくという超長距離戦らしいレース。Dancing ShadowはChase10戦2勝と比較的経験の浅い馬だが、飛越は比較的安定しており、またスムーズに進出できた利が大きかった。良馬場も向いただろう。途中から先頭に立ったLincolnshire Nationalの勝ち馬Gonalston CloudはNick Kent師のもとに転厩してからは比較的安定した成績を収めている。良馬場という注文はつくようだが、この路線では今後も面白い一頭だろう。古豪Alvaradoは勝負所でGonalston Cloudに前に入られてしまい、そこから馬群を捌くのにかなりロスが大きかった印象。踏切位置が障害に近すぎるきらいがあり、これが飛越時にスピードを上げきれない原因となっている可能性がある。とにかくタフな馬でありGrand National (G3)でも最後まで物凄い脚で追い込んできたりと良績があるが、年齢的にさすがにこれ以上の向上を望むのは酷か。トップハンデのJust A Parは途中棄権。

 

なお、C3のHunters' Chaseにて重賞3勝を上げているWonderful Charmが勝利を収めていた模様。さすがにGrand Nationalは厳しかったようだが、昨シーズンのパフォーマンスからはまだ24fの重賞クラスで走れる程度の実力はあることが期待される。

 

*Sandown Heavy (Soft in the back straight)

Contenders Hurdle (Listed) 1m7f216y

Rayvin Blackが注文を付けて逃げる展開も、これを3番手から追ったBuveur D'Airが持ったままで完勝。Irvingは残り2障害地点から前に置いて行かれ3着。Hurry Henryは全く前についていけず。

Altiorにいぢめられた馬がまた出世している件。昨シーズンはAltiorが走ったレースに出てきた馬が悉く次のレースで勝ちまくり面白かった。Buveur D'Airは昨シーズンにTop Novices' Hurdle (G1)にてPetit Mouchoirを下してきた馬。今シーズンはChaseに転向していたが、同厩舎のAltiorと路線が被るためか今回はHurdleを使ってきた。Petit MouchoirがLeopardstownにてG1を2連勝し一躍Champion Hurdle (G1)に向けて有力視されている現状、この馬も決して無視できる存在ではないだろう。障害戦ではAltior以外には負けていない実績も面白い。Kingwell Hurdle (G2)の勝ち馬Rayvin Blackは積極的な競馬で見せ場を作った。飛越のリズムが安定しない場面が多く、かなり鞍上のThomas Garnerが苦労していた。この馬場で飛越に再加速するのはかなりロスが多く、飛越の向上があればこれ以上にやれる馬だろう。Fighting Fifth Hurdle (G1)の勝ち馬Irvingは全く走らず。どうもこういう凡走のある馬なので仕方がないか。

 

Scilly Isles Novices' Chase (G1) 2m4f10y Soft (Heavy in places)

Amore Alato、Baron Alcoが並んで逃げる展開。Top Notch、Clan Des Obeaux、Le Prezienが続く。第13障害の辺りからAmore Alatoの手ごたえが悪くなり後退。Clan Des Obeauxもまた後退。Baron Alcoが逃げ込みを図り、Top Notch、Le Prezienがこれを追いかける状態になるも、最終障害の辺りから先頭に立ったTop Notchがスピード能力の違いでこれらを一気に突き放し快勝。2着にはBaron Alcoが入った。

JCB Triumphu Hurdle (G1)にてPeace And Coの2着のあるTop Notchだが、2015-16シーズンではHurdleにて目立った勝ち星を上げることは出来ず、今シーズンからChaseに転向していた。Uttoxeterの初戦こそ案外だったが、そこからはこれで4連勝。飛越も上手くなり、最終障害を越えてからのスピード能力は卓越していた。16f戦よりは20f戦の印象だが、いずれにせよ実力馬がChaseにてその能力を開花させつつあるといったところ。Whisperと並んでJLT Novices' Chase (G1)に向けた有力な一頭だろう。Baron Alcoはややスピードを上げてリズムを作っていったCheltenhamと異なり、今回は慎重な競馬。踏切地点が安定しないところはあったが、それでも進境のあるレース振りだろう。Le Prezienは序盤に飛越が安定しないところがあった。特に修正動作の多さはスタミナのロスに繋がっている。勝ち馬とはやや離されてしまったが、これは飛越技術の違いによるところも大きいだろう。前走Whisperの2着と期待されたClan Des Obeauxは飛越技術に向上が欲しい。

 

*Wetherby Soft

Towton Novices' Chase (G2) 3m45y

残り2障害から先頭に立ったBaywingがCalett Madを競り落とし22馬身差の快勝。最低人気単勝34倍の快走となった。Captain Chaos、The Dutchmanは落馬。

Novice馬のSoftな馬場での24f戦ということで厳しいレースとなった。こういう条件になると単純に完走するだけの持久力のある馬が来ることになる。BaywingはChase初戦こそ全くいいところがなかったが、もともとはHeavyのC3のHurdle辺りで4連勝を飾っている馬。重賞クラスのスピードとなるとやや厳しいようだが、今回はかなりスローで流れる中、馬場や距離などの条件が向いたということか。Chaseで2勝を上げているCalett Madは馬場適性で勝ち馬とは見劣った感。LingfieldのC4 NoviceをHeavyで勝ってきたMissed Approachは期待されたが大敗。