にげうまメモ

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17/02/11 National Hunt Racing

*Newbury Soft

Handicap Hurdle (C2) 3m53y

中団から進めたTobefairが最終障害を越えたところでMorello Royaleを抑えて差し切り勝ち。Scotchtownは見せ場なく敗れた。

TobefairはC5からHamer厩舎に転厩してから7連勝とした。もともとはC4 Novice辺りで走っていたが、いずれも全く見せ場なく敗れていた。何が起こったのかは謎だが、24f戦であればGoodからSoftまでこなせる実績と非常に器用なレース運びは今後に向けての武器だろう。派手さはないが確実に走れる馬といった印象。C2のハンデ戦らしい締まったペースからロングスパート合戦を器用に立ち回り制したパフォーマンスはListedからG3クラスであれば十分に通用するもの。牝馬限定戦Listedの勝ち鞍のあるMorello Royaleは久々に力を見せた。Chaseではさほど走らなかったが、あくまでHurdleのC2や牝馬限定戦ならではといったところか。

 

Denman Chase (G2) 2m7f86y

Native Riverに騎乗する予定だったRichard Johnsonがインフルエンザとかで、直前にAidan Colemanに乗り替わりとなった。そのNative Riverが逃げ切り勝ち。Le Marcureyはよく追ったが2着まで。

Cheltenham Gold Cupの前哨戦らしいレースとなった。Native RiverはHennessy Gold Cup Chase (G3)、Welsh Grand National (G3)と3連勝。今シーズンの24f Chase路線にて最も力をつけてきた馬と言っていいだろう。比較的踏切位置は障害に近いのだが、そこからの動作が非常に俊敏かつ安定しており、かつ瞬間的な筋肉の収縮力に長けている。さらにこのような動きを持続させるだけの持久力とパワーがあり、そのためスローからハイペースまで対応可能である上に、残り数障害からのスパート能力も高い。そのためスローペースを作り出したここは着差以上に余力がある勝ち方だったといえよう。Le MercueryはNovice G2勝ちのある馬。スローを利してここまで来たが、ややスピード能力で勝ち馬には見劣った。Bristol De MaiはNative Riverとは対照的にやや緩慢な動きをする馬。そのため踏切地点が近すぎるなどのミスでリズムを崩すリスクが大きい一方で、自分のペースでスムーズに走れた時は派手なパフォーマンスを見せる。やはり勝ちに行くならこの馬のペースを刻んでいく方がよいが、前哨戦ではこのようにセーフティなレースで十分だろう。Cheltenham Gold Cup (G1)に向けてはレースを作り出す可能性のある面白い一頭。Softな馬場で先行する競馬が出来ればもっとやれてよい。

 

Betfair Exchange Chase (G2) 2m29y

AltiorにTraffic Fluideが絡んでいく展開。Fox Norton、Dodging Bulletsがこれを追いかける。Traffic Fluideは早々に後退、手ごたえが悪くなったFox Norton、Dodging Bulletsを尻目にAltiorが13馬身差の快勝。2着にはFox Nortonが入った。

Altiorは昨シーズン無敗でSupreme Novices' Hurdle (G1)を制した馬で、今シーズンはこれでChase4戦4勝となった。Noviceではないクラスで走るのは初めてであったが、ここでも見事な勝利を挙げた。Thistlecrackと同様に運動神経全般が抜群に優れており、やや飛越位置にムラはあったものの、大きなミスは見られなかった。Nico de Boinville騎手とは久々のコンビとなったが、さすがは英国障害競馬の一流騎手、馬を見事にコントロールし、若い馬の飛越を助ける素晴らしい騎乗を見せていた。Traffic Fluideが絡んでくるのを意に介さず勝ち切ったのは大きな経験だろう。Queen Mother Champion ChaseかArkle Challenge Trophyかはわからないが、いずれにせよこの馬にとってまた一つ着実なステップアップとなったのは間違いない。Fox NortonはShloer Chase (G2)を快勝してきた馬だが、やや力差を感じさせる2着。Novice時代はDouvanには敵わなかった馬だが、今シーズンは確かに力をつけていただけにやや残念な2着。Dodging BulletsはFox Nortonから10st貰ってこの3着は厳しい。20f戦でも実績を残せていないだけに今後が難しい。Traffic Fluideは休み明けであり、馬がやや行きたがるところを見せていた。これがうまくガス抜きになればもっとやれていいだろう。

 

Betfair Hurdle (G3 Handicap) 2m69y

後方から少しずつ位置を上げたBallyandyがMovewiththetimesを抑えて勝利。3着にはClyneが入った。トップハンデのHargamは好位から進めるも早々に後退し大敗。

BallyandyはHurdle初勝利。Hurdle2戦は同じくCheltenham Champion Bumper (G1)の勝ち馬Moon Racerに惜敗し、その後に挑んだNeptune Investment Management Novices' Hurdle (G2)ではMessire Des Obeauxに惜敗していたが、ようやく素質馬がHurdleに持慣れてきたと言ったところか。同じくNovice馬のMovewiththemimesも好走した。Champion Hurdle Trial (G2)にてThe New Oneの2着のあるClyneは3着に終わった。この馬を物差しにすれば上位2頭はNovice路線であれば大舞台でも面白い馬か。