にげうまメモ

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17/03/16 National Hunt Racing - Cheltenham Festival - Stayers' Hurdle (G1)

*Cheltenham Good (Good to Soft in places)

Stayers' Hurdle (Grade 1) 2m7f213y

結果:http://www.attheraces.com/racecard/Cheltenham/16-March-2017/1530/

映像:http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20170316/2671884/15993584

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(写真:Big Buck's)

24f Hurdle路線の最高峰となる。2009-12と4連覇を達成したBig Buck'sが引退し、その後は毎年勝ち馬が変わる混戦状態となっている。2016年の同レースを圧勝したThistlecrackはChaseに路線変更し、新たなチャンピオンとして上がり馬Unowhatimeanharryが着目されていた。同馬はHarry Fry調教師のもとに移籍してからG1を2勝を含む8連勝というギャグみたいな馬なのだが、主役不在となったここでは本命視されていた。対するは2014年のChampion Hurdle (G1)の勝ち馬で、G1はここまで計8勝、長いブランクを乗り越えて2017年1月に復帰したJezki。他にはG1を7勝している16f Hurdleの強豪Nichols Canyon、2015年の同レース(World Hurdle)の勝ち馬で復権を狙うCole Hardenなど。

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(写真:Unowhatimeanharry)

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(写真:Jezki)

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(写真:発走直前。何となくこの時点で隊列が決まっているような)

Cole Hardenが淡々としたペースを刻む展開。人気のUnowhatimeanharryは中団から。残り4障害辺りから何度かCole Hardenが押してペースを上げていくも、残り3障害辺りからスムーズに進出した人気薄のLil Rockerfellerが先頭に。そのままLil Rockerfellerが押し切りを図るも、後方から追い上げたNichols Canyonがゴール前で差し切って勝利した。Unowhatimeanharryが3着。

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(写真:Nicols Canyon。この日はMullinsとRubyの顔ばかり拝んでいた気がする)

前半からCole Hardenがかなり厳しいペースを刻んでいたようだ。2周目から馬群が凝縮し、残り3障害の下り坂を利用して後続が追い上げているのだが、ここで下手にCole Hardenに付き合った組は全て沈んでいる。Nichols CanyonはMorgiana Hurdle (G1)で逃げてFaugheenを下したことがあるほどにスピードの持続力に長けた馬。序盤からゆっくりと入り、少しずつピッチを上げていく戦法は、かつてRuby WalshとFaugheenがこの馬にやられた手法そのものである。

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(写真:Lil Rockerfeller)

珍しいアメリカ産馬のLil Rockerfellerは人気薄ながら好走した。足が早いわけでもなく、馬場が渋ると駄目なのだが、前に行った組の中においてワンペースの持続力は目立っていた。人気を背負ったUnowhatimeanharryにとっては経験したことのない厳しいレースとなったが、それでも3着まで残る走りを見せた。外を堂々と回すレースをしたが、この馬の持ち味は馬群の中でもスムーズな飛越が出来ること、馬群を抜けてくる機動力だろう。2015年の勝ち馬Cole Hardenは自分の競馬を見せた。飛越は綺麗なものを見せていたのだが、どうにも飛越が低く、集中力を欠く場面がある。現状ではHurdleの方が良いか。馬場も完全に良化して欲しかった。Zarkandar、Jezki辺りは現状24fをフルに走り切るレースは厳しい。