にげうまメモ

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17/09/16 Japanese Racing

*Hanshin Good

Hanshin Jump Stakes (J.G3) 3140m

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なにげに阪神競馬場は初訪問だったりする。かすうどんが美味い。パドックの施設は素晴らしいけれども、どうにも写真がとりにくいのは改善してほしいところ。台風の直撃が懸念されていたが、なんとか土曜の段階では多少の雨程度で収まったようだ。屋外でビールフェスもやっていたが、そもそも会場まで雨の中たどり着くのが億劫な程度には雨が降っており、さすがに閑散としていた。なお、馬場はやや重(Good)表示だが、この直後に重(Yielding)に変わったので実質的にはYieldingだろう。ちなみにJRAの馬場表示(Turf)はFirm / Good / Yielding / Soft。すなわち日本語の「不良」がJRAで使用する"Soft"にあたる。海外ではSoftの下にHeavyという表示があり、この辺りの訳語はややこしいので注意した方がいいかもしれない。

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人気はJG1を2勝しながら2015年の中山大障害から勝ちがないアップトゥデイトから。ハギノパトリオットソロルといった新勢力がこれを追いかけるという構図になっていたようだ。

シベリアンタイガーが果敢に先頭を切る構えも、スタンド前を越えたところからアップトゥデイトが先頭に。そのまま後続を大きく突き放してレースは進行。襷コースを越え順回りに入ったところからミヤジタイガが進出するも、アップトゥデイトが抵抗、最終障害を越える地点ではこれを振り切り、後続に6馬身差をつけて勝利した。2着には追い込んだルペールノエル。マイネルフィエスタ、ミヤジタイガと続いた。ハギノパトリオットは見せ場なし。

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アップトゥデイトクロフネ産駒らしくやや鈍重ながらも大きなストライドを持続的に繰り出すことが出来る馬なのだが、もともとサナシオンアポロマーベリック等のスピードそれ自体で後続を削るような快速馬がいた頃のJG1を連勝してきた馬であり、その後は消極的な騎乗やペースの落ち着きもあり、やや勝ち星に見放されていた。一方で今回は前半から逃げた馬を追いかける積極的な騎乗に加え、持続性のある大きなストライドと安定した飛越技術が生きる重馬場ということも味方し、久々の勝利を上げることが出来た。ただし、順回りに入った8号障害から4号障害にかけて障害手前でブレーキをかけ、格下ミヤジタイガをはじめとする後続の追撃を許していた点は気になるところ。最終障害の飛越もブレーキを掛けたにも関わらず修正動作が多かった。暮れの大一番に向けて弾みをつける勝利となったが、やはり勝利にはある程度条件がストライクゾーンに入ることが必要だろう。

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ミヤジタイガは実績的には格下であったが見せ場を作った。最後はさすがに脚が上がっての4着となったが、それでも平地ダートでオープンまで上り詰めたスピードは健在であった。脚の使い方さえ間違えなければ重賞クラスでも勝てる存在だろう。京都ハイジャンプで何故か落馬したルペールノエルは最後追い込んでの2着。前走の落馬を受けてやや大事に乗った可能性はあるのだが、持続的なストライドが生きる馬場となっていた以上は積極的な競馬を見たかった。マイネルフィエスタはなぜかハードルコースでのみ落馬している面白い馬だが、どうにも飛越に安定感が欠ける。現状のペースに戸惑っている可能性があるかもしれない。欧州Steeplechaseに入れば案外走るかもしれない。人気を集めたハギノパトリオット阪神の障害に手間取っていた。そもそもの飛越動作がHurdlerのそれであり、オーストラリアのHurdleなど走れば好走するかもしれないが、Steeplechaseをこなすには飛越技術自体を見直す必要があるだろう。シベリアンタイガーはさすがに展開が厳しかった。平地・障害両重賞制覇を成し遂げたソロルは8号障害を飛んだあとからストライドが乱れた。北沢騎手が相当大事に馬を止めている。残念ながら故障で引退は不可避との話だが、ケア次第では十分元気に余生を送ることが出来るはずなので頑張って欲しい。

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あの後ろのHot Holidays!の広告、馬の背景にあると広告の方にピントが合うので滅びて欲しい。