にげうまメモ

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17/11/19 National Hunt Racing

*Cheltenham Soft (Heavy in places)

Shloer Chase (G2) 1m7f199y

2015年にはSprinter Sacreが復活の狼煙を上げたレース。人気は連覇を狙うFox Nortonから。

例によってSpecial Tiaraが逃げる展開も、残り3障害からスムーズに進出したFox Nortonが先頭に。そのまま後続を突き放すとCloudy Dreamに8馬身差をつける快勝。Special Tiaraは3着まで。

Fox Nortonは昨シーズンから一気に力をつけてきた馬で、JLT Melling Chase (G1)、Champion Chase (G1)と連勝。良馬場の16f戦よりはやや渋った馬場から20fくらいまでの若干タフなレースとなった方が持ち味を出すことが出来る。今回Special Tiaraが作るハイペースもこの馬にとっては味方しただろう。Altiorにはやや水をあけられており、20f戦の方が勝機はあるだろう。Cloudy Dreamはやはり前を見ながら動く場面があるため、このように前々で一気に抜け出されると厳しい面がある。Special Tiaraは重馬場なのでこんなもの。

 

Arkle Trophy Trial Novices' Case (G2) 1m7f199y

River Wyldeが逃げるも、残り3障害辺りからNorth Hill Harveyがスムーズに先頭に。そのまま後続を大きく突き放して勝利した。2着には逃げ粘ったRiver Wylde。

North Hill HarveyはこれでC2から連勝とした。もともと小脚を使えるSceau RoyalをNovice初戦で僅差で下すという内容のあるレースであったが、ここではその完成度の高さを見せた。ほかの二頭と比べると踏切位置が安定しており、他の馬がNorth Hill Harveyに合わせて飛ぶことでかえってミスを招いていた。River Wyldeは勝ち馬と比べると無駄な仕草が多い。Ozzie The Oscarは慎重な飛越が目立った。River Wyldeには迫ったがこれは単にRiver Wyldeがバテたもの。

 

Greatwood Handicap Hurdle (G3) 2m87y

後方から少しずつ進めたElginがMistertonを抑えて勝利。3着にはOld Guardが入った。The New Oneは4着。

Elginはこれで2連勝とした。重馬場のハンデ戦は比較的ペースが引き締まり。最後の最後まで息が入らない厳しいレースになるのだが、その中をまくり上げるレース振りはこのタイプのレースに対する高い適性を感じさせるもの。ただしハンデとしてはかなり恵まれた部分も大きい。The New Oneは普段のスムーズな競馬が出来ず、馬群に揉まれての4着。最後は脚を伸ばしているのだが、やはり斤量もあり動くに動きにくい部分もあるのだろう。Ivanovich Gorbatovは重馬場はいまいち。Morgiana Hurdle (G1)を避けた選択は良かったと思うが。

 

*Punchestown Soft to Heavy (Heavy in places)

Morgiana Hurdle (G1) 2m40y

Faugheenの復帰戦。Ruby Walsh落馬負傷のためPaul Townendに乗り替わっていた。そのFaugheenは軽快に逃げると、そのまま後続を寄せ付けず圧勝。2着にはJezkiが入った。

Faugheenはもはや注釈が不要なくらいに強い馬なので、特に何か記載しておく必要はないだろう。強い馬が強い馬なりのレースをしたというレース。Ruby Walshはどちらかというと比類なき制御能力と飛越に際した技術によりアイルランドのトップジョッキーに君臨している人なのだが、Paul Townendはそこまでの制御技術はなく、どちらかというとアイデア勝負の部分があるような印象がある。Faugheenは終始馬のペースで走っており、これを抑え込むRuby Walshとは好対照な走り方。Ruby Walshが落馬負傷のためにWillie Mullins厩舎の主戦はしばらくPaul Townendになるはずなので、これで馬の成長がどのように変わるのか楽しみである。