にげうまメモ

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17/11/25 National Hunt Racing

*Ascot Good to Soft (Good in places)

Christy 1965 Chase (G2) 2m5f8y

Smad Placeが逃げるも途中からRoyal Regattaが代わって先頭に。残り2障害辺りからTop Notchがこれに並びかけると、追ってきたDouble Shuffleを突き放して勝利した。Smad Placeは5着。

Top NotchはもともとJuvenile Hurdle路線で活躍した馬で、昨シーズンからChaseに転向、Scilly Isles Novices' Chase (G1)勝ちを上げていた。やや頭が高く細身の身体をしているのだが、そこから繰り出される瞬発力は一流のものがある。ひとまずはRyanair Chase (G1)が大目標と言ったところか。Double Shuffleはしぶとく足を伸ばした。20fクラスでも展開次第ではこのくらい走れるのだが、24fの方がこの馬の良さは出せるかもしれない。Frodonはやはり後方から進めた方がよさそうなイメージ。Flying Angelは少しずつ復調しているようだ。Smad Placeは途中からRoyal Regattaに絡まれたが、そこで突っぱねることなく番手に構えてしまった。そのままポケットに入ってやや飛越しにくそうにしていた。Royal Regattaは出遅れが全て。

 

Coral Hurdle (Ascot Hurdle) (G2) 2m3f58y

同名のレースがCheltenhamにもある。そちらはG3で有名なハンデ戦

Wakeaが軽快に逃げる展開も、これを追いかけたLil Rockerfellerが残り4障害辺りで並びかける。L'ami Serge、Wakeaとの追い比べを制して勝利した。Defi Du Seuilは遅れて4着。

Wakeaは実績的には格下の馬で、この馬が逃げた時点でスローからミドルペースは確定していたのだが、全体的に人気のDefi Du Seuilを意識したのか慎重なレースとなった。Lil RockerfellerはStayer's Hurdle (G1)の2着馬で、あまり脚は早くないのだが持続的なロングスパートが持ち味の馬。外をふらふら走っているDicosimoが早々に後退して走りやすくなるのもあったが、この馬なりのレースをした結果だろう。L'ami Sergeはやや追い出しを待ちすぎる印象があった。Wakeaは強敵相手に善戦。アイルランドで重賞の一つくらいは勝てるかもしれない。Defi Du Seuilは残り3障害辺りから遅れた。

 

*Haydock Heavy

Betfair Each Way Edge Handicap Chase (C3) 3m4f97y

軽快に逃げたHainanがそのまま圧勝。2着にはCourtown Oscarが入った。Enperor's Choiceは3着。

Hainanはどうやらいわゆるfront runnnerらしく、この類は早々に捕まると大失速をかます一方で、リズムに乗り切れると圧勝する特性を持つ。今回はどうやら後者だったようで、11st11lbを背負ってこのパフォーマンスは今後の長距離ハンデ戦重賞が楽しみになるもの。Courtown Oscarはこの類のレースではよく走る。Emepror's Choiceは早々に前から遅れたが、さりげなく追ってきたDawson Cityを再度突き放していたりして、この馬らしさが伺える。

 

Graduation Chase (C2) 2m5f127y

残り2障害から持ったままで抜け出したClan Des Obeauxが7馬身差の快勝。Vintage Cloudsが2着。

Clan des Obeauxは昨シーズンにLondon Pride Novices' Chase (G2)を勝っている馬だが、さすがに一線級相手には歯が立たなかったらしく、その後路線変更となっている。Graduation ChaseとはいえListedクラスのメンバーは揃ってる一戦であり、そこで勝ち切ったことは評価してよいと思う。Vintage Cloudsは相変わらず飛越にロスが多い。

 

Stayers' Handicap Hurdle (G3) 2m9f177y

軽快に逃げたSam Spinnerがそのまま17馬身差の逃げ切り勝ち。The Worlds Endは勝負所から置いて行かれ8着。

Sam Spinnerは馬場が重くなった時に来るタイプの先行馬で、特にこのような馬場になるといかにスムーズに走れるかが勝負のポイントとなる。そういう点でJoe Colliverの積極的なレースが的中した結果と言えるだろう。ただしThe Dutchman、Theo's Charmと比較的前評判の低かった馬が上位に名を連ね、レースレベルとしてどのあたりにあるかはよくわからない。

 

Betfair Chase (G1) 3m1f125y

同レース3連覇、2013年を含めると計4勝目を狙うCue Cardが出走していた。人気はBristol De Maiから。

例によってそのBristol De Maiが逃げる展開。Cue CardとOutlanderがこれを追いかける。Tea For Two、Traffic Fluide、Shantou Flyerが後ろから。追走に苦労する後続を尻目にBristol De Maiは軽快に走り、直線に向いたところでは大差をつけると、そのまま57馬身差の圧勝。2着にはCue Cardが上がった。

"King of Haydock"とか呼ばれている。Haydockのコースはやたらと横に長く、向こう正面側にdog leg turnと呼ばれる微妙なカーブがある以外はほぼ単純な直線となっている。Bristol De MaiはHaydockではやたらと走る馬で、Altcar Novices' Chase (G2)は32馬身、Peter Marsh Handicap Chase (G2)は22馬身差の圧勝を飾っている。重馬場で気分よくワンペースで行けた場合には無類の強さを発揮する馬で、広くて単純であり、かつ時期的に重馬場になりやすいHaydockの競馬場はこの馬にとって最高の舞台なのだろう。直線も非常に長い上にその前のカーブからレースが動き出すことで、ロングスパート合戦になりやすいコース形態もどうやら合っているようだ。Smad Placeなど絡んでくる馬がいればまた展開は変わったかもしれない。King George VI Chase (G1)、Cheltenham Gold Cup (G1)と3冠を狙える立場になったわけだが、この結果がKempton、Cheltenhamにそのまま使えるかと言わるとやや微妙かもしれない。

古豪Cue Cardは追走に苦労しながらも2着に入った。Carlie Hall Chase (G2)では落馬に終わっているが、それでも勝負強さは健在のようだ。全盛期のように頂点に君臨できる勢いこそないが、それでもこの路線では上位争いをできる能力を持っている。Kempton替わりはこの馬にとってプラスに働くだろう。アイルランドのOutlanderは見せ場を作ったが、最後はどうやらCue Cardに差し返されたようだ。やはり重馬場の方がよさそうな馬で、これから冬場にかけては走りそうな印象。Tea For Twoはやはり難しいところがあるようだ。この馬は逆に良馬場でスローに落ちた方が適性がある。Traffic Fluideは何とか完走したようだ。Cue Card以下は前のBristol De Maiを追いかけて行って脚が上がったので、案外2着以下とは差のない着差となった。