にげうまメモ

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18/04/04 French Racing / Crystal Cup

*Fontainebleau Tres Souple (4.1)

Grand Steeplechase Cross Country de Fontainebleau Cross Country 6000m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/Mm1HUURmQVBpMFpxMDJLR1lWSXcyUT09

Vidocq Du Rivageがゆったりと逃げる展開。好位からOcean Austral、Disco D'Authie、Virtus D'Estruval。第9障害辺りからOcean Australが先頭に代わり、ややペースは上がる。隊列はさほど変わらず、中段からCent Ans、Alleu、Delight My Fire、後方からVire A Gauche。Passage de RouteでAlleuがやや大きなミスをした以外は目立った動きなくレースは進行。残り3障害辺りからOcean Australが後続を引き離しにかかるも、最終障害を越えてゴール前でVirtus D'Estruvalがこれを差し切って勝利した。3着にはDisco D'Authie。後続は遅れた。

Crossは基本的に障害数が多く、コースは幅が狭く、かつ急カーブも多く存在している。このような条件下ではそもそもフルにギャロップした際のスピードよりもいかに障害を器用にこなすかという勝負になり、ポジションを確保するためには飛越において無駄を可能な限り排除する必要が出てくる。平地力とかいう謎ワードが出没するようなレースとこのようなレースとは性質を異にすることは理解しておく必要があるだろう。今回のレースではフランスCross Country Specialistが集まり、ほとんどの馬がFontainebleauの障害を問題なくこなせるため、飛越において極限まで無駄を省く必要のあるハイレベルな一戦となった。Virtus D'Estruvalは障害は10勝目。Crossは2015年から走っており、Grand Steeplechase Cross de Fontainebleauは2017年に続いて連覇とした。Vichy、Pompadour、Dax、Craonと様々な競馬場の障害に対応できる飛越技術は非常に高いものがあり、今回も馬群の内から前に抜けてくる器用さは目立っていた。今年のCrystal Cupにおいても有力となる一頭。Ocean Australは積極的な競馬で見せ場を作ったが、最後はやや勝ち馬の脚が勝っていた。この馬自身Crossで勝ち星はないものの、飛越は終始安定しており、おそらく勝利は間近だろう。ただし前々で気分よく運んだことがポジションの確保の面では有利に働いた可能性もある。72kgを背負ったDisco D'Authieは惜しい3着。Grand Cross de Pauも2着だったりと意外と惜敗の多い馬だが、見る限りではエンジンがかかるまでややもたつく場面が目立った。昨年のGrand Cross de Craonの2着馬Vire A Gaucheは例によって後方ポツンからの4着。Craonよりもコースが狭く、押し上げる場面が少ないという性質もある。Cent AnsはどうにもBanquetteでの飛越で遅れる場面があった。AlleuはPassage de Routeのミスがすべてだろう。チェコのDelight My Fireは初のFontainebleauということもあり、やや飛越の面で後れを取るところがあった。もともとPardubice仕様の低い飛越を見せる馬であり、あまりBanquetteの類が合っているようには思えない。