にげうまメモ

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18/04/26 National Hunt Racing

*Punchestown Yielding to Soft

Cross Country Chase For the La Touche Cup 4m1f110y

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/26-April-2018/1650/

My Hometownが後続を大きく引き離して逃げる展開も、やや苦しくなってきた残り6障害地点で落馬。代わってJosies Orders、Auvergnat、Bless The Wingsが引っ張り、残り2障害(Point to Point Fence)で脱落したBless The Wingsを除いた2頭の叩き合いはAuvergnatに軍配が上がった。

My Hometownがかなり激しく引っ張っているのだが、それはさておき後続も少しずつペースアップする厳しい展開に置かれている。このため、このペースアップに付いていけない馬は次々と脱落するタフなレースが展開された。AuvergnatはPunchestownのCross Country Specialistで、Killarney Nationalの勝ち鞍もある。ややスピードが要求されるCheltenhamとは異なり、Drop Fenceが連続するPunchestownの方が合っているようだ。ペースさえ落ち着けばNationalという可能性もある。Josies Ordersは良く抵抗したが、ハンデをいくらかもらっていただけにここは勝ちたかったところ。Ballyboker Bridgeは仕掛け遅れだろう。この馬もPunchestownのCrossが主戦場であるだけに、ここは勝負に加わりたかった。Grand Nationalから参戦したBless The Wingsは見せ場を作るも最後は遅れ4着。疲労の分もあったのだろうか。My Hometownは積極果敢なレースを見せた。ややスピードに任せた飛越はあったのだが、これだけ走ることが出来るのであればそのうちチャンスはある。My Murphyはペースアップに付いていけず。PTP仕様というよりは障害をこなせなかったものだろう。古豪Cantlowは5着に入ったが、残念ながら入線後に亡くなったとのこと。Crossでは崩れることのない馬だが、ここ2走はやや精彩を欠いており、どこか状態も悪かったのかもしれない。

 

Champion Stayers Hurdle (G1) 3m

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/26-April-2018/1730/

Faugheenがやや注文を付けて逃げる構え。La Bague Au Roi、Bacardysがこれを追いかけ、その後ろからPenhill、Shaneshill。残り3障害辺りから苦しくなったLa Bague Au Roiを尻目にPenhillがFaugheenを射程に入れるも、最終障害を越えてFaugheenがこれを突き放して勝利した。Penhill、Shaneshillと続いた。

これ泣ける。泣けるわ。強すぎる馬は往々にして特性が掴めない場合があるのだが、Faugheenはまさにその類でもある。FaugheenはこれでG1は何勝目だか数えるのも面倒になるくらい勝ちまくっているアイルランドの怪物なのだが、ここ3戦はやや精彩を欠き、今回は一気の24fへの距離延長となった。前半から厳しいペースを刻んでいき、完全に脚が上がった後続を尻目に最後まで脚を伸ばすパフォーマンスは素晴らしいの一言。強力なスピードの持続力がこの馬の最大の武器であったということなのだろう。考えてみればNichols Canyonに一度逃げ切りを許しているのだが、要するにトップスピードよりもスピードの持続力で勝負するタイプであり、トップスピードに秀でたNichols Canyonを捕まえきれなかったのは必然だったのかもしれない。いずれにせよ、10歳と年齢を重ねた現状では、16fよりも24fでスピードの持続力を生かした方がよさそうなイメージがある。Chase転向という話もあり、この馬の高い飛越技術を考えれば十分にやれる可能性は高いのだが、年齢を考えればHurdleでもいいのではないだろうか。

PenhillはFaugheenに対して真っ向勝負を挑んで2着。平地のストライドに秀でた馬で、Cheltenhamの急激な下り坂を利して一気に加速し、そのままスピードを殺さないために大外を回し、ゴール前の急坂を駆け上るというレースで勝ち星を掴んできた。Punchestownはそこまで豪快に加速をつけることは出来ないのだが、それでも地力の高さを見せる2着。Shaneshillは全く人気がなかったが、久々のHurdleで見せ場を作った。フランスHaiesであれば見直せるかもしれない。人気を背負ったBacardysは全く走らなかったが、そもそもFaugheenのような怪物級の馬が作り出すペースを追走する方が無理がある。

 

Ryanair Novice Chase (G1) 2m

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/26-April-2018/1840/

軽快に逃げたFootpadがそのまま後続を突き放して完勝。2着にはOptimus Primeが入った。Petit Mouchoirは最後遅れ4着。

FootpadはこれでChase5戦5勝とした。速いテンポを刻みつつも高いトップスピードを生かして後続を突き放す典型的な16fランナーであり、飛越においてもやや無理をしながら追走したPetit Mouchoirとは対照的に、スピードに対して飛越に無理を効かせることがない自然なものを繰り出していた。今シーズンの16f Novice Chaseにおいてこの馬に比類する馬は存在せず、間違いなく来シーズンの16f Chaseにおける主役級の一頭となるだろう。Altiorとは異なり、積極的な気性と瞬間的な加速力に秀でた馬であることから、機動力勝負となった際にはAltiorを脅かす存在になる可能性がある。いちおう一昨日のUn De Sceauxと比較すると2秒ほど早く、ハイペースへの耐性に関してはおそらく問題ないことが推測される。