にげうまメモ

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18/04/28 National Hunt Racing

*Sandown Good to Soft (Soft in places)

Oakesy Chase (G2) 2m6f164y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180428/2780044/16612772

好位から進めたTop Notchが残り2障害で先頭に立つと、そのままArt Mauresqueの追い上げを凌いで勝利した。Double Shuffleは伸びを欠き4着。

O O Sevenがかなりゆったりとしたペースを作っている。Top NotchはScilly Isles Novices' Chase (G1)の勝ち馬で、重賞は4勝目とした。ややゆったりとしたペースからの機動力争いで強さを発揮するタイプで、ペースが緩むとその分飛越の無駄が目立つ馬が多い中、正確な飛越を見せていた。ただしAscot Chase (G1)ではWaiting Patientlyに大敗しているように、ペースがある程度流れた際の持久力という点ではやや疑問が残る。Art Mauresqueはよく追いかけたが、さすがに相手にとって最適な展開になりすぎた。期待されたDouble Shuffleは全く走らなかったが、さすがにシーズン5戦目という部分もあったかもしれない。ペースももう少し流れたほうが追走に苦労しなくて済むようなイメージもある。

 

Celebration Chase (G1) 1m7f119y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180428/2780036/16612850

Ar Madが引っ張る展開も第8障害で落馬。代わってSpecial Tiaraが引っ張るも、残り3障害辺りで先頭に立ったAltiorがそのまま後続を突き放して勝利した。San Benedetoが大健闘の2着。

Ar Madはある程度早いペースで引っ張っていく馬なのだが、Railway Fenceの辺りでいったん減速し、そこで落馬している。代わって先頭に立ったSpecial Tiaraは鞍上が押さえ込んでいたこともあり加速しきれず、結果的に残り2~3障害の辺りで一気に加速するレースとなった。Altiorはこれで障害は14戦無敗としたが、Sprinter Sacreのように瞬時に加速できるタイプではなく、このようなレースになると案外後続に詰め寄られるレースが目立っている。Queen Mother Champion Chase (G1)の反動を気にしてMelling Chase (G1)ではなくここまで待ったようだが、とにかく長い距離をかけて加速していくタイプであるだけに、どちらかというと距離を伸ばした方がよさが出るかもしれない。馬の状態も万全ではなかったとのこと。San Benedetoは最低人気ながらAltiorに迫った。Maghull Novice' Chase (G1)勝ちのある馬で、Chaseの経験は長いものを持っている。どうやらNoviceらしいレース展開が向いているようで、この馬もまたある程度ゆったりと運ぶことのできる20~24fの方がいいのかもしれない。God's Ownは大事なところでミス。この辺りでも勝負圏内に入れる馬なのだが、どうにも飛越にポカがある。Special TiaraはAr Madを気にして抑えた可能性があるのだが、抑えては良さが出ない。Sandownのコースも本来はいまいち合わない。Maghull Novices' Chase (G1)を勝って挑んできたDiego Du Charmilは全く勝負に加われず。Ar Madは残念ながらFatal injuryとのこと。

 

bet365 Gold Cup Handicap Chase (G3) 3m4f166y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180428/2780064/16612913

Rock The Kasbah、Missed Approachなどを制してハナに行ったStep Backが後続を寄せ付けずそのまま逃げ切り勝利。Rock the Kasbah、Present Manと続いた。

Jamie Mooreはこれが出来る人。Step BackはPTPで長い馬で、Chaseでは4戦目ながらも先頭で気分よく走ることで、終始大きな安定した飛越を繰り出していた。10st0lbの軽量に恵まれた部分は大きいが、この路線で展開を作り出す馬として今後も注意した方がよいだろう。Rock The Kasbahは馬場がよくなれば走る。人気を背負ったBlaklionは終始飛越が安定せずPUだが、さすがにお疲れのようだ。

 

Select Hurdle (G2) 2m5f110y

http://www.thejockeyclub.co.uk/video/20180428/2780075/16612976

WholestoneとOld Guardが並んで逃げる展開も、残り2障害辺りから抜けてきたCall Me Lordがそのまま後続を突き放して16馬身差の圧勝。2着にはLil Rockerfellerが入った。

DiakaliはフランスでHaiesのG1を2勝してきた馬なのだが、気性的にはかなり難しいところが残っているようで、かつてAP McCoyはRuby Walshといった名手も扱いに苦労している。前走はAintree Hurdle (G1)にて爆走するも最後捕まり6着に敗れていた。この馬が例によって逃げるかと思われたのだががっつりと抑え込まれ、代わってWholestoneが逃げている。Wholestone自身は逃げたい馬ではなく、好位から機動力を生かして勝ってきた馬だけに、Diakaliの動きによってやや展開が変わってしまった。Call Me Loardはこれが重賞初勝利。21fに伸ばして一気にパフォーマンスを上げてきたが、やや敵失といった印象も強いだけにどこまで信用できるかは微妙だろう。Lil Rockerfellerは久々に好走したが、やはりトップスピードの面で勝ち馬とは大きく見劣った。そろそろChase転向という話も出るかもしれない。Wholestoneはどうにもハナを切ることでリズムが狂った印象。

 

*Punchestown Soft

Dooley Insurances Cross Country Chase 3m

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/28-April-2018/1435

例によってMy Hometownが逃げるも、Drop Bankで落馬。代わってTom Horn、Fergiethelegendが先頭に立つも早々に脱落し、残り4障害辺りから先頭に立ったJosies Ordersが後続を突き放して勝利した。

Nina Carberryはこれで引退らしい。Josies Ordersは数日前のCrossでAuvergnatの2着に入っている馬で、PunchestwonのCross Country Specialist。Cheltenhamではややスピード不足の面もあるのだが、Drop Bankの連続するPunchestownならではといったところか。やはり障害への慣れと勝負所で動く機動力の面ではここでは抜けていた。Hurricane DarwinはCross3戦目であったが進捗を感じる2着。

 

Annie Power Mares Champion Hurdle (G1) 2m4f

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/28-April-2018/1550/

Forge Meadowがハナに行く展開も、残り3障害辺りからApple's Jadeが先頭に。しかしこれを目掛けて仕掛けたBenie Des Dieuxが最終障害で先頭に立つと、そのままApple's Jadeを突き放して勝利した。2着にはAugusta Kateが上がった。

Willie Mullins厩舎の馬、このPunchestwon Festivalで特効かかっているよね。Benie Des Deiuxはこれでアイルランド移籍後Chaseも含めて5連勝とした。ここまではほぼHeavyの重い馬場のみの勝ち鞍であったが、ここで良馬場にも対応したことは今後の可能性を広げるものである。Apple's Jade自身は残り3障害辺りから早めに出していくこの馬の競馬をしており、それを目標にしつつも差し切ったことは高く評価ができるだろう。Augusta Kateはどうにも飛越が安定しない馬なのだが、今回は後方から気分よく走らせる戦法がよかったようだ。Apple's Jadeは正攻法の競馬をしたのだが、今年のPunchestown FestivalはGordon Elliot厩舎の馬はマイナス補正がかかっているので仕方がない。

 

AES Champion Four Year Old Hurdle (G1) 2m

http://www.attheraces.com/racecard/Punchestown/28-April-2018/1625/

Stormy Iselandが逃げるも、残り2障害辺りから後退。代わって先頭に立ったSaldierがMr Adjudicatorを制して勝利した。

Mullins厩舎の馬が落馬したStormy Irelandを除くと1~4着を独占している。そもそも勝負所の馬の動かし方を見るとFarclasとMitchoukaは内と外からMullins厩舎の馬に挟まれ、完全に行き場所をなくすというレースとなっている。ついでにMr Adjudicatorが思いっきり内から外へと進路をとることで、FarclasとMitchoukaの進路をカットしている。Punchestownは内に馬が密集することが多いのだが、それにしてもなかなかに露骨な包囲網である。Saldierは重賞初制覇。未勝利勝ちのみで挑んだTriumph Hurdle (G1)は5着とさすがに苦しかったようだが、それ以上に今回はスムーズに動けたことが大きかった。Ireland Spring Juvenile Hurdle (G1)勝ちのあるMr Adjudicatorは狭いところを突いてきて2着。Farclas、Mitchoukaは上述の通り動きようがなかった。Stormy IrelandはCheltenhamに続いての落馬だが、終始飛越はいまいちだった。