にげうまメモ

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18/05/20 French Racing

*Auteuil Tres Souple (3.9)

Gras Savoya Hipcover Prix Marechal Foch (Steeplechase) 4400m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/Z054MENLNkJnQ015cFdjUXJYbTFUQT09

Kapetienneが逃げる展開も、2周目あたりからAubussonが先頭に。残り2障害辺りから接近したDeviceが最終障害で先頭に立つと、そのままEpoustouflauntを突き放して快勝した。Polidamは伸びず4着。

DeviceはHaies、Steeplechaseと重賞勝利のある馬なのだが、昨年秋のPrix Leon Olry-Roederer (Haies / G2)にて落馬、その後2戦はやや精彩を欠いており、これが久々の勝利となる。Gros Open Ditchでやや飛距離が十分でない部分があったが、それ以外は特に飛越に関する問題はなかった。この血統はどうにも気性的に難があるため、とにかく順調に、この馬のリズムで走ることが重要となる。Epoustouflauntは特に飛越に関する問題はなかったが、さすがに勝ち馬とはスピードの違いがあったようだ。イギリス・アイルランドから参戦した2頭は見せ場を作れず。

 

Prix Ferdinand Dufaure (Steeplechase / G1 / 4 ans) 4400m

LE SACRE POUR WHETSTONE ! | Prix Ferdinand Dufaure 2018 - YouTube

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/VUdPUmNHbkNSTGxkT2RxRHZvYkxMQT09

Whetstoneが軽快に逃げる展開。Ebene Du Breuilなどがついて行くがGros Open Ditchにて大きなミスをして後退。くらいついて行ったEvidence Madrikを振り切ると、そのままWhetstoneが後続を突き放して勝利した。2着にはEvidence Madrik。

Whetstoneは先ほどのDeviceやGrand Steeplechase de Paris (G1)を勝利したSo Frenchの妹。一頭別次元のハイラップを刻み、そのまま後続を突き放すパフォーマンスは強いの一言だが、いかんせん気性的には問題があるタイプなだけに、このようなレースをした以上は今後は逃げの一手となるだろう。そうなるとこれ以上の距離となるとどうにも不安が拭いきれないところ。最終障害にてミスはあったがこれは許容範囲。Gras Savoya Hipcover Prix Marechal Fochと比較しても勝ち時計が13秒近く違うあたり、Whetstoneの刻んだラップの凄さがわかるだろう。2着のEvidence Madrikは一頭Whetstoneのペースについて行った。フラットのスピードで離されたのは仕方がないのだが、するすると馬群を縫って上がっていき、最終障害くらいまでは抵抗したことは評価できる内容だろう。Kapkilineは安定したレースを見せた。距離が伸びていいかもしれない。Cote De Graceはやや心配な止め方。

 

Grand Steeplechase de Paris (Steeplechase / G1) 6000m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/ZHJaRFlmK2N3WnA4YnlGN2xiWFlvUT09

https://www.youtube.com/watch?v=i0W-nZdYfAM

3連覇を狙うSo Frenchが話題の中心だが、さほど人気はなく、Perfect ImpulseやEdward D'Argent辺りが人気になっていたようだ。

第一障害で早速So Frenchが落馬、ついでにこれに触れたRoi Mage、Bipolaireも落馬。Perfect Impulseが逃げるもこれを制してMilord Thomasがハナに。Gros Open Ditchにて後方のGeluroniが大きなミスをした以外はアクシデントなくレースは進行。2回目のGros Open DitchからPerfect Impulseが抜け出して押し切りを図るも、これに忍び寄ったOn The Goがゴール手前でこれを差し切り勝利した。Edward D'Argent、Milord Thomasと続いた。

Milord Thomasはさほど足が速い馬ではなく、やや若馬と比べるとスピード能力の面で見劣る部分があるため、それを補うべく道中から淡々としたラップを刻んでいる。さらにここにPerfect Impulseが強気に仕掛けていくことで、前はミドルからハイペース程度に流れつつも、そこからさらに加速するというかなり厳しいレース展開となっている。On The Goは昨年のPrix Maurice Gillois (G1)の勝ち馬で、今年で5歳となる若馬だが、この加速ラップを追走するスピードと持久力は素晴らしいものを持っていた。飛越も全く問題はなく、3着のEdward D'Argentと共に世代交代を告げるパフォーマンスだろう。昨年の2着馬のPerfect Impulseも勝ちに等しい2着だが、どうにも詰めの甘さが残っているだけに、完全に勝ちパターンに持ち込んだここは勝ちたかったところ。悲願のG1制覇は秋に持ち越しとなった。On The Goと同じく5歳馬のEdward D'Argentも最後まで脚を伸ばしての3着だが、この馬に関してはやや位置取りが後ろ過ぎたかもしれない。古豪Milord Thomasはこの馬のレースをしたのだが、トップスピードの面で勝ち負けに加わるまではやや厳しかった。アイルランドのDjakadamはもともと突っ込んでいくような飛越を見せる馬で、水壕やOpen Ditchといった障害への適性は高いものを見せていた一方で、Haiesや単純な生垣障害における飛越で地元馬とは見劣りする部分があった。スピードの持続力ではアイルランド障害馬の中でもトップクラスのものを持っているだけに、完全に脚が上がって脱落したのはかなり厳しい結果と言わざるを得ない。イギリス・アイルランド調教馬は、Auteuil開催は本国の開催を終了し、余力があった馬がついでに行くことが多いのだが、このレースに関してはフランスでじっくり障害に慣れてから挑戦しない限りはかなり厳しいのではないか。3連覇を狙ったSo Frenchは速攻で落ちたが、もともとあった気性的な問題がここのところは健在化している印象。

 

Grande Course De Haies D'Auteuil (Haies / G1) 5100m

http://www.france-galop.com/fr/course/detail/2018/O/ODZGOHhORkFrS0JEN0xWdVYyY3VOUT09

https://www.youtube.com/watch?v=Xt8uGvcUg-I

Galop Marinが先頭を伺うも、これを制してYorkhillが先頭に。そのまま淡々と引っ張るも、途中からGalop Marinが絡んできてペースは上がる。さらに向こう正面からDe Bon Coeurが先頭に立つと、そのまま後続をあっさり突き放して勝利した。2着にはBapaume。

Yorkhillはアイルランド馬らしく淡々とした持続的なミドルペースを刻む馬で、かつAuteuilの障害も経験があるため今回も例によって緩めることなくレースを進行させている。さらにここにDe Bon Coeurが絡んでいくことでペースは上がり、結果的に後方から押し上げるのはかなり厳しい流れとなった。De Bon Coeurは前走のPrix Leon Rambaud (Haies / G2)こそ余裕かましていたらAlex De Larredyaに足元を掬われたのだが、かえってレースの流れが厳しくなり、かつ距離も伸びたことでより一層パフォーマンスを上げることになった。この走りが出来るのであれば今後はかなり強気に前に出していくことが可能となるため、ほぼ死角らしい死角がないというのが現状だろう。この3年ほどイギリス馬に持っていかれていた同レースを、これだけのパフォーマンスで圧勝できる馬が出てきたということは、フランスHaiesにとっても価値のある勝利といったところ。2着はアイルランドのBapaumeだが、地元騎手Jacques Ricouの無欲の騎乗が功を奏した。立ち回りの上手さではかなりのものがある同馬だが、今回は全体が前掛かりになった中をじっと我慢した結果だろう。Dalia Grandchampは厳しい展開となってかえって浮上した。Alex De LarredyaはDe Bon Coeurをマークするレース運びで、これについて行ったのだが、さすがに今回は相手が悪すぎた。YorkhillはDe Bon Coeurにつぶされる形の敗戦。昨年の勝ち馬L'ami Sergeは道中押し上げるタイミングがなく、ハマらないときはこんなものだろう。Tea For Two、Killutagh Vicは障害に適応できていなかった。