にげうまメモ

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18/08/05 Australian Racing

*Ladbrokes Park Lakeside Good 4

Crisp Steeplechase 3900m

https://www.racing.com/form/2018-08-05/ladbrokes-park-lakeside/race/1/results

いつぞやのGrand NationalでRed Rum相手に一世一代の大逃げを打ったオーストラリアの伝説、Crispの名前を冠したレース。位置づけとしてはここからGrand Nationalに挑むというローテーションとなる。4回目のGrand National制覇を目指すWellsは風邪を引いたとかでスクラッチニュージーランドのMonarch Chimesが人気の中心となっていた。

するすると逃げて行ったExcellent Rhythmが大逃げを打つ格好。かなり遅れてVelediction、Sea Kingなど。Excellent Rhythmの逃げ脚は衰えず、最終障害を後続に大きな差をつけて越えると、追いかけてきたSea Kingを半馬身ほど凌いで勝利した。Monarch Chimesが3着。

Excellent RhythmはE-Cycle Solutions SteeplechaseからSteeplechaseは2勝目とした。E-Cycle Solutions Steeplechaseこそ61.5kgの軽量が恵まれた勝ち鞍だったような印象もあるのだが、それでも戦法としては前走と同じようにCrispを彷彿とさせるような大逃げの形である。E-Cycle Solutions Steeplechaseからは2戦ほど控える競馬で負けているだけに、おそらくこの大逃げの形が合っているのだろう。障害競馬でこのようなタイプは珍しいのだが、いずれにせよオーバーペース気味で逃げるということで、今後この馬が出てきた際には大きく展開を動かすため注意が必要だろう。相当気分よく行かせてもらえているという面はあるため、おそらく次のレースがこの馬にとっての正念場である。

後続はExcellent Rhythmの大逃げに付き合う格好になり、そのためかなりのロングスパートを強いられる格好となった。その中でもSea King、Monarch Chimesと比較的ニュージーランド障害で実績がある馬が前に来ているのは、オセアニア障害における2国間の違いを示すものだろう。Sea Kingはさすがに安定した走りを見せた。ニュージーランドHurdleを使うほどのスピードは現状不足しており、かといってニュージーランドSteeplechaseほどのスタミナはないのだが、オーストラリア障害でロングスパートをかけた時の粘り強さは特筆すべきものがある。昨年の極悪馬場で行われたGreat Northern Hurdleで好走したMonarch Chimesはさすがの3着。フラットのスピードはSea Kingほどはないのだが、この馬もまた強力なロングスパート能力を持った馬。Surging Waveはあえてゆったり構えてからの4着。King KamadaもSurging Waveと同じ程度には考えてよいだろう。Undergroudfighte、Valedictionは積極的に運んだが苦しくなってしまった。I'll'ava'alfはこのようなロングスパートを要求されるレースは合わない。

 

Grand National Hurdle 4200m

https://www.racing.com/form/2018-08-05/ladbrokes-park-lakeside/race/5/results

無敗のSelf Senseが人気になっていたようだ。続いてBit of a Lad、Cougar Expressなど。

Self Senseが飛ばす展開。これにぴったりとBit of a Ladがついていく。やや遅れてCougar Express。一旦はBit of a Ladを振り切ったSelf Senseだが、さらにこれにCougar Expressが接近。最終障害でCougar ExpressがSelf Senseを振り切ると、そのまま12馬身差をつけて快勝した。2着にはSelf Sense。

Cougar ExpressはこれでHurdleは4勝目とした。MorphettvilleのGrand Nationalではどうにも飛越が安定せずMystic Princeの前に4着に敗れていたのだが、ここでは飛越は最後まで安定していた。Self Senseが飛ばしたことがかえって良かったのかもしれないが、いずれにせよこのペースで流れた距離延長となったこのレースを制したことは今後に向けて面白い材料である。飛越さえ問題がなければ日本遠征も視野に入ってくるかもしれない。人気を背負ったSelf Senseは距離が問題だろう。とにかくスピードに乗せた効率的な飛越が特徴であり、これはイギリスでのChampion Hurdleの勝ち馬Rock On Rubyを彷彿とさせる。ピッチ走法で加速する馬だが、今回は最終障害手前ではすでに加速できる余裕は残っていなかった。このようなタイプは止まると早いので、Cougar Expressとの着差は仕方がないだろう。Bit of a LadはSelf Senseに真っ向勝負を挑んだ。何度もスピード能力の違いで突き放される場面があったのだが、それでもくらいついて行った精神力の高さ特筆すべきものがあるだろう。Good4のため脚が上がったSelf Senseもすぐには止まらなかったこともあり、着順はSelf Senseの下となったのだが、この馬の場合はSteeplechaseなどよりタフなレースになった際に可能性を感じさせるものである。