にげうまメモ

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18/11/17 Japanese Racing

*Tokyo Firm

Shuyo Jump Stakes (OPN) 3110m

f:id:virgos2g:20181118125003j:plainカメラで遊ぶために府中に行っていた。競馬場は初めて来た人にとってはその華やかな設備と競馬ファンとのギャップに驚かれることが多いのだが、それでも以前と比べれば分煙も進み、グルメスポットも多く、だいぶ居心地の良い空間になっているのではないだろうか。この変化は競馬歴の長いファンには驚くべきものであるのだが、なんにせよ関係者の長年の努力の賜物だろう。少なくとも観客は決められたルールくらいは守って欲しいものだ。

ヒルノマゼラン、メイショウヒカルなどが前を伺う構えも、トラストがこれらを制して先頭に。そのまま軽快に逃げる展開。残り2障害手前辺りから好位にいたジャズファンクが前に接近し、最終障害ではトラストに並びかけるも、そこからトラストが再加速し4馬身差をつける勝利。2着にジャズファンクが残った。

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最終障害の辺りに陣取っていたらジャズファンクが主役みたいな写真が撮れた。

トラストは平地では東京優駿まで駒を進めた馬で、地方所属時代には札幌2歳S(G3)勝ちがある。どちらかというと中距離程度で早いテンポを刻んでいくタイプの馬で、札幌2歳Sもそのような形で勝ってきた。このようなタイプは自らのテンポについていくことが可能なクラスまで上がるとあっさり壁に当たることが多く、この馬もご多分に漏れず札幌2歳Sを最後に馬券圏内からも遠ざかっていた。障害は新潟未勝利から連勝となる。レース展開としては前半から絡んできた馬が早々に失速しているように、ペースとしてはだいぶ厳しかったことが想定される。厳しい先行争いを制し、そこからある程度息を入れているとはいえ早いペースで押し切った内容は、ここでは一枚抜けたパフォーマンスであったといっていいだろう。飛越に関しては踏み切り位置のミスに伴う修正動作が散見されたが、それでも障害2戦目としては十二分に合格点である。ただし距離的な問題や急坂への対応という意味で、中山に転戦した際にはまだクリアすべきハードルが存在する。また、このように逃げて勝ってきたタイプにとっては自らのペースを乱された時の飛越にはポカを生じることが多いことから、今後の課題としてはその辺りになるだろう。同日のCheltenhamでG3を勝利したBaron Alcoなる馬がいい例である。

ジャズファンクは見せ場を作ったが、どうにもいざ追い出されてからいまいちなのは平地時代から変わらないようだ。別の可能性としては持ったままの手ごたえで全力でエンジンを吹かしていたエピファネイアのように、もしかすると反応が良すぎるタイプなのかもしれない。このような馬はふわっと加速をつけられる騎手が騎乗することで化ける可能性があるのだが、そのような騎手はBryony Frostくらいしか思いつかない。11番人気のハルキストンは3着まで追い上げたようだ。これは展開の綾だろう。ベテランのシンキングダンサーは本番に向けたレースとしてこれで十分だが、そもそもアップトゥデイトのペースに対する追走能力には疑問が残った。