にげうまメモ

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18/12/28 National Hunt Racing

*Leopardstown Good to Yielding

Christmas Hurdle (G1) 3m

https://www.attheraces.com/racecard/Leopardstown/28-December-2018/1350

Kemptonでも同じ名前のレースがあるのだが、こちらは24f戦。例によってハナに行ったApple's Jadeがそのまま後続に大差をつけて勝利した。2着にはEarly Doors。

Apple's Jadeはこれで今シーズンに入り3連勝。若干メンバーに恵まれた上にIdentity Thiefの競争中止があったLismullen Hurdle (G2)はともかく、そのいずれも逃げて大差をつける勝利。もともと瞬発力よりもロングスパート能力に長けた馬であり、逃げてペースを操る方が良さを引き出せるようだ。CheltenhamはMares' Hurdleというオプションが有力らしいが、いずれにせよこの形であれば極端な良馬場にならない限り本命視してよいだろう。Faugheenはやはりどこか痛いところでもあるのか、全盛期のようなダイナミックな筋肉の動きには程遠く、残り2障害で強引にペースを上げようとしたところで落馬に終わった。以前のようなスピード能力は失われており、スピードの持続力を武器にするしかないだけに24f戦はよいのだが、今回はやや相手が悪かったようだ。Early Doorsは頑張ったがさすがにApple's Jadeを追いかけた後続が総崩れになっているだけに、この2着は果たして評価していいものか疑問。Bapaumeはやや使える脚が短いようで、Apple's Jadeを追いかける展開は厳しかった。Jezkiは存在自体が伝説なのでこれでいいのだが、24fは本質的には長い。

 

Savills Chase (G1) 3m

https://www.attheraces.com/racecard/Leopardstown/28-December-2018/1500

かつてはLexus ChaseとかLeopardstown Christmas Chaseとか呼ばれていたレース。Outlanderが押し出されるように前に行く展開も、スタンド前からやや引っかかり気味に前に行ったKemboyがハナに。馬群は密集して進行し、残り2障害辺りから後続が殺到するも、そこからKemboyが後続を引き離して勝利した。2着にはMonalee。

24f Chase路線において、イギリスではBetfair ChaseはHaydock競馬場において異様な強さを発揮するBristol De Maiが勝利、さらにKing George VI ChaseではConeygreeの存在によって展開が変化し、ややノーマークであったClan Des Obeauxが勝利するに至っている。一方で昨シーズンのCheltenham Gold Cup勝者のNative Riverはいずれのレースでも着内には入ってくるも勝負圏内には至らず、昨年のKing George VI Chaseの勝ち馬Might BiteはHaydock競馬場の障害でリズムを崩したり、鼻出血の影響で凡走したりといまいち精彩を欠いている。アイルランドの24f路線もやはり混戦であり、とりあえずここはJNwine.com Champion Chase (G1)を圧勝し、Savills Chase連覇を狙ったRoad to Respectが中心視されていた。

Kemboyはこれで昨シーズンから4連勝。素質は高く評価されていたようだが、どうにも行きたがって走るところがあり、その上飛越が安定せずIrish Grand Nationalでは第一障害で速攻落馬したりと色々とやらかしている。ひとまず今回はスローペースでレースが開始され、そこから気分よく逃げることが出来たことが一番の勝因だろう。ただしあくまでスローペースで後続馬群が密集し、後続が全く動けない状態となっていたことは注意しなければならない。また、イギリスにはNative RiverやMight Biteなど、前々でレースを進行するタイプが数多く存在し、おそらくCheltenhamではこのように楽な競馬はさせてもらえないことが想定される。

Monaleeは昨シーズンのFlogas Novice Chase (G1)の勝ち馬で、ここは見せ場を作った。MyCarNeedsA.com Chase (G2)ではあっさり負けている辺り距離は24fあったほうがよさそうだが、この馬もまた好位で気分よく進めたことが勝因だろう。人気を背負ったRoad to Respectは道中難しいところに入り、さらに躓く場面もあった。見直せるとしたらこの馬だが、昨シーズンのCheltenhamでは勝負圏内に入れていないのが気がかり。Punchestown Gold Cup (G1)の勝ち馬Bellshillは4着まで来たが、この馬はもっと馬場が渋った方がいいだろう。