にげうまメモ

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19/01/19 National Hunt Racing

*Ascot Good to Soft

OLBG Mares' Hurdle (G2) 2m7f118y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/ascot/507395/olbgcom-mares-hurdle-grade-2-registered-as-the-warfield

同じような名前のレースがたくさんあるの何とかしてほしい。レースは好位から抜け出したMagic of LightがJester Jetを抑えて勝利した。If you say runは3着まで。

やや格下感のあるPetticoat Tailsがゆったり逃げたということもあり、さすがに慎重な展開となった。Magic of LightはNewburyの牝馬限定Listed Chaseから2連勝。牡馬・セン馬相手でもある程度重賞で格好をつけられる馬で、さすがにこのメンバーに入れば実力は上位であった。飛越技術も高く、おそらくChaseに戻すことが想定される。Jester Jetは5戦連続となる2着。If You Say Runはどうにも右回りが良くなかったとのこと。

 

Bet365 Handicap Chase (C2) 2m5f8y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/ascot/507398/bet365-handicap-chase

前半から爆走したCyrnameがそのまま後続に大きな差をつける勝利。人気を背負っていたBenatarはついて行けず大敗。

Cyrnameはどうにもこのような暴走するタイプの逃げ馬で、この形でNoviceでは重賞を2勝している。16fよりも極端に早い馬が存在しない20fの方がレースはしやすいようだ。いずれにせよ、このような馬は控えて持ち味が出るとは思えないので、おそらくこれをこの馬の形にせざるを得ないというのが実情だろう。ListedからG3くらいまでであればチャンスはあると思うのだが。

 

Clarence Hourse Chase (G1) 2m167y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/ascot/507397/matchbook-clarence-house-chase-grade-1

AltiorとUn De Sceauxが出走を予定していたのだが、それもあり事前登録の段階で出走馬が4頭となっていた。Un De Sceauxは馬場を気にして回避。結局Altiorの他、Fox Norton、Diego Du Charmilの3頭立てのレースとなった。レースは圧倒的支持を受けたAltiorが終始先頭を走ると、特に強く追うところもなくFox Nortonを突き放して勝利。Diego Du Charmilは大きく遅れた。

Altiorに関してもはや言うことはありません。Sprinter Sacreと入れ替わりに頭角を現してきた馬で、同じNicky Henderson厩舎、同じNico de Boinville騎手、同じ16f Chase路線と比較されることは多かったのだが、Sprinter Sacreとは全く異なるタイプの馬ながら、そのSprinter Sacreと匹敵する域に達している。どうにも左に斜飛するところが目立ったのだが、おそらくここまでのレースとは異なり珍しくハナに行った影響だろう。気を抜いて走っていたとのことで、おそらく色々と逃げたい馬が出てくるCheltenhamで大きな問題となることはないと思われるが、ペースが落ち着きやすい20fや24f路線に転向した際に同じ問題が現れる可能性は考慮しておく必要がある。

Fox Nortonは2016年の冬から頭角を現してきた馬で、なぜかNoviceの身ながらExchange Chase (G2)に挑んできたAltiorには適わなかったものの、その後はJLT Melling Chase (G1)、Punchestown Champion Chase (G1)とG1を2勝している。しかし2017年のKing George VI Chase (G1)で故障があったのか、その後は長い休養に入り、ここが復帰戦となっていた。若干行きたがって走る面があるためこの距離は良いのだが、さすがに長期休養明けということもあり、道中かなり力んで走っている場面が目立った。一瞬の加速力というよりは徐々にギアを入れていくタイプの加速であり、16fよりも20fの方が良さを発揮することが出来るだろう。おそらくこれを使ってかなり良くなってくることが期待される。

 

*Haydock Good to Soft (Soft in places)

Patrick Coyne Memorial Altcar Novices' Chase (G2) 2m3f203y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/haydock/509026/patrick-coyne-memorial-altcar-novices-chase-grade-2

Le Breuilが淡々と逃げる展開も、残り4障害辺りから脱落。代わってCastafiore、Jerrysback、Crucial Role辺りの叩き合いとなるが、Castafioreが他2頭を振り落として勝利した。2着には人気のJerrysback。

5頭立てとはいえ最低人気が快勝する驚きの結果となった。CastafioreはChaseは3戦2勝なのだが、前走はWincantonの牝馬限定戦を勝利したのみという実績であり、HurdleでもC4のハンデ戦の勝利があるに過ぎない。ゆったりとレースが進行する20f戦が良かったという面はありそうで、飛越に関してもNoviceクラスとしては完成度の高い物を見せていたが、やはり水準としては少々疑ってかかった方がよさそうだ。人気を背負ったJerrysbackはどうにも飛越のリズムが悪く、スピードに乗り切れない場面があった。

 

Supreme Trial Rossington Main Novices' Hurdle (G2) 1m7f144y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/haydock/509027/sky-bet-supreme-trial-rossington-main-novices-hurdle-grade-2

Bright Forcastがやや気難しさを見せながら逃げるも、これを追いかけたMister Fisherがゴール前でBright Forcastを捉えて勝利した。Muratello、Esprit Du Largeはやや遅れた。

Mister FisherはこれでKemtonのC2戦から連勝とした。飛越に関してはどうにも粗削りな部分が残っており、最終障害でもミスがあったのだが、それでも勝ち切ったことは評価してよいだろう。2連勝で挑んできたBright Forcastも道中で逸走しかける場面があり、飛越についてもかなり若さを見せていたのだが、この完成度で上位に来れたのはやはり評価できる内容。Noviceでよくある極端にペースが落ちたという展開でもなく、この後のChampion Hurdle Trialとも比較して約2秒程度しか勝ち時計が変わらないということも考えても、飛越の向上次第でもう少しパフォーマンスを上げることはできるだろう。フランスからの移籍馬Muratelloはやはり飛越技術では一枚上であり、今後のことを考えるとやはり勝負には加わりたかった。

 

New One Unibet Hurdle (G2) 1m7f144y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/haydock/509028/new-one-unibet-hurdle-grade-2-registered-as-the-champion-hurdle-trial-hurdle

やや引っかかり気味に逃げたGlobal Citizenが追いかけてきたSilver Streakを抑えて勝利。Western Ryderはやや遅れた。

Global CitizenはCristmas Hurdle (G1)でも果敢に展開を作りに行った馬。今期はNovice上りとなるのだが、どうにも気性的に行きたがるところがあるようで、豊富なスピードを生かして展開を作って行った方が良さを発揮できるようだ。馬場としてはSoft程度までこなせるようで、さほど適性に対する不安はないのだが、やはりCristmas Hurdle (G1)では勝負に加われずやや離れた4着に終わっている辺り、上位馬との力差という面では疑問が残る。Silver Streakはこれで3戦連続して2着。もともとはハンデ戦で頭角を現してきた馬で、G1路線に進むイメージはあまりないのだが、勝負所での大きなミスを考えればもう少しパフォーマンスを上げることはできるはず。ただし馬場は良馬場がよさそうな走法である。2017年のTop Novices' Hurdle (G1)を勝ってきたPingshouはさっぱりだったのだが、当時のメンバーを考えるとさほど強調はしにくい勝利だろう。

 

Peter Marsh Handicap Chase (G2) 3m1f125y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/haydock/509029/peter-marsh-handicap-chase-grade-2-limited-handicap

One For Arthurの参戦が話題になっていたが、後方から特にやる気なく追走し、気が付いたら躓いて騎手が落馬していたようだ。勝ったのは好位から進めたWakanda。Robinsfirth、Ballydineと続いた。

逃げたのはC3のハンデ戦を逃げて勝ってきたRed Infantryで、その後のLondon Nationalではハナを主張しなかったことを考えてもさほど逃げたい馬ではない。WakandaはListedを除けばNovice時代以来の重賞勝利とした。Listedクラス程度の緩い流れの中でだらだらと走り続けることに長けた馬で、これ以上ペースが速くなるとどうにも厳しくなる面があるのだが、今回は展開が向いたようだ。2017年の12月以来となったRobinsfirthは見せ場を作った。Unicorn Group Handicap Chase (G3)を勝利してから長期の休養に入っており、どうにも長期休養が多いのが気になる馬なのだが、なんとか無事に行ってほしいところ。

 

*Taunton Good to Soft (Good in places)

Wetherbys Portman Cup Chase (C2) 3m4f85y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-19/taunton/509021/weatherbys-portman-cup-chase

明らかにGrand Nationalを目指すのだろうという馬が何頭か出ていたレース。じわじわと進出したRoyal VacationがThe Last Samuriを抑えて勝利した。3着にはVicente。

Royal VacationはMight Biteが最終障害で颯爽と落馬したKauto Star Novices' Chase (G1)を棚ぼたで勝利してきた馬で、その後はノドの影響もあったのかさほど良績を残すことが出来ていない。今年のBetVictor Handicap Chase (G3)で久しぶりに2着に入り復調の気配は見せていた。高い持久力と勝負所のスピードを併せ持つ馬だが、極端にペースが流れるとあっさり厳しくなるタイプのようで、前走のLondon NationalもMilansbarがいたというのはあるのだが、今回はPresent ManやThe Last Samuriがゆったりと逃げる展開で見せ場を作った。最後まで脚が上がることなくギャロップ出来ていたパフォーマンスは今後に向けて評価できる内容だが、やはりペースが課題になるだろう。The Last Samuriは今シーズン2戦目だが、今年も調子はいいようで、なぜか後方からちんたらレースを進めた昨年のGrand Nationalよりも良いパフォーマンスを期待したい。