にげうまメモ

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19/01/26 National Hunt Racing

*Cheltenham Good to Soft (Good in places)

JCB Triumph Trial Juvenile Hurdle (G2) 2m179y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/cheltenham/509999/jcb-triumph-trial-juvenile-hurdle-grade-2-registered-as-the-finesse

人気のAdjaliが先頭を伺うレースも、残り3障害から進出してきたFakir D'Oudairiesが少しずつ後続を振り切ると、そのまま後続に13馬身差をつけて勝利した。2着にFine Brunello。人気のAdjaliは3着まで。

Fakir D'Oudairiesはフランスからの移籍馬で、前走アイルランドHurdleの未勝利戦でデビュー。そこを快勝してここに挑んできた。フランスではCraonのSteeplechaseも走っていた馬で終始飛越は安定していた。エンジンを吹かした時の走法にやや無駄があるため、馬場は極端なGoodやHeavyは向かず、Soft程度にパワーのいる条件が合っているだろう。実績的には格下であったが内容は完勝である。Fine Brunelloはアイルランドの未勝利馬だが好走した。フランスではListedにて4着のある実績馬で、この内容であれば勝ち上がりはすぐだろう。Coral Final Juvenile Hurdle (G1)にてQuel Destinの2着に入ったAdjaliは人気を集めていたが、内容的には勝ち馬にだいぶ水をあけられてしまった。

 

Spectra Cyber Security Solutions Trophy Handicap Chase (G3) 2m4f127y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/cheltenham/510001/spectra-cyber-security-solutions-trophy-handicap-chase-grade-3

前半から積極果敢に飛ばしたSiruh Du Lacが、最終障害を越えて一旦はJanikaに前に出られるも、ゴール直前で最後これを捉えて勝利した。2着にはそのJanika。3着には途中から捲って行ったBallyhillが入った。

Siruh Du LacはこれでC3のハンデ戦から3連勝。極端なHeavyは苦手なようだが、それ以外の馬場であればコンスタントに結果を残すことが出来ている。今回は序盤からこの馬の主戦Lizzie Kelly騎手とともにかなり積極果敢な飛越を繰り出したことが勝因だろう。勝ってきている馬らしく、自信を持ってリスクの高い飛越にチャレンジすることが出来ていた。特にCheltenhamは勝負所が下り坂になっており、そこからゴール前にかけて登り坂があるため、とにかく序盤からリズムを作り出し、勝負所から一気にスピードに乗せていくことが肝要となる。Siruh Du Lacの勝ち方はCheltenhamで前に行った際の戦法としては一つの理想例となるだろう。イギリス2戦目となったJanikaは好走した。フランスでは4勝を挙げている実績馬だが、早々にイギリスのChaseにも対応している辺り、この馬の技術の高さを感じさせる。最後の一押しが効かなかったのはあくまで斤量だろう。Ballyhillは途中からペースを上げていくことで見せ場を作った。これは鞍上の好判断であったが、10st12lbの斤量を考えると、前とはやや差がありそうだ。

 

Betbright Trial Cotswold Chase (G2) 3m1f56y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/cheltenham/510002/betbright-trial-cotswold-chase-grade-2

終始先頭を走ったFrodonが逃げ切り勝ち。2着には一旦位置を下げていたElegant Escapeが復活してきた。Terrefortは3着。

Frodonはこれで今季4戦3勝とした。昨シーズンはどうにもノドの影響があったようだが、Wind Surgeryを経てパフォーマンスを上げてきた。もともとBryony Frost騎手を背に完成度の高い飛越を出してくる馬だが、今シーズンは積極的にハナに行くことでこの馬の飛越のリズムを安定させている。久々の24fで結果を出したことはCheltenham Gold Cupに向けて楽しみになるものだが、やはり最後は若干脚が上がったように、本質的には20fの方が良いのだろう。Welsh Grand National (G3)の勝ち馬Elegant Escapeは見せ場十分の2着。どうにも飛越が安定せず、そこからリズムを崩して位置を下げる場面はあったが、そこから再度脚を伸ばしてきたパフォーマンスは勝ち馬以上に評価してよいだろう。Terrefortは全く走らなかったIntermediate Chase (Listed)からパフォーマンスを上げてきたが、最後はFrodonと同じ脚色になってしまった辺り、どちらかというと20fの方がいいのかもしれない。Allysson Montergは明らかに格下であったが、残り3障害辺りまでは見せ場を作った。2017年のCheltenham Gold Cupの2着馬Minella Roccoはどうにも以前の状態になさそう。フランスからの移籍馬で、これがイギリス2戦目となるValtorは早々に後退してPU。どうにも左回りがダメとのことで、今後のレース選択に不安を残す結果となってしまった。

 

Ballymore Novices' Hurdle (G2) 2m4f56y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/cheltenham/510003/ballymore-novices-hurdle-grade-2-registered-as-the-classic-novices-hurdle

Brewin'upastromが逃げる展開も、これを追いかけたBirchdaleとのマッチレースに。しかし最終障害でBrewin'upastromがまさかの落馬。そのまま残ったBirchdaleが後続に18馬身差をつけて勝利した。

BirchdaleはこれでPTPも含めると3戦3勝とした。飛越に特に乱れはなかったのだが、Brewin'upastromが落馬したアクシデントもあったためここからどうこうというのはやや難しい。Brewin'upastromはChallow Novices' Hurdle (G1)にて4着に入った馬で、勝ち馬のChampとはやや差があるようなパフォーマンスであったことを考えると、BirchdaleはBrewin'upastromと同格、Champとはやや格下くらいのパフォーマンスであったと考えるのが妥当だろうか。

 

Cleeve Hurdle (G2) 2m7f123y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/cheltenham/510004/galliardhomescom-cleeve-hurdle-grade-2

Lil RockerfellerとSam Spinnerが主張して逃げる展開。残り3障害辺りからBlack Op、West Approach辺りが接近するも、これを馬群を縫って追い上げたPaisley Parkが交わすと、一気に後続に12馬身差をつけて圧勝した。West Approach、Black Opと続いた。

この路線はどうにもThistlecrackのChase転向後は混戦状態であったのだが、Paisley Parkの勝利は新たな主役の誕生を感じさせるものである。Paisley Parkはこれで4連勝。昨シーズンはLeamington Novices' Hurdle (G2)にてMir Whippedの2着がある程度の実績しかなかったのだが、今シーズンに入って一気に力をつけてきている。特にその内容を一戦ごとに向上させている点は特筆すべきであろう。今回のメンバーとの勝負付けはほぼ済んだ感があるため、Stayers' Hurdleではアイルランド組の動向が注目される。

Long Walk Hurdle (G1)にてPaisley Parkの2着に入ったWest Approachは連続して好走した。Thistlecrackの弟でさすがに身体能力は非常に高いのだが、どうにも真面目に走らない部分があり結果を残せていない。Chaseにも挑戦し、C2のNovice戦くらいは勝利していたのだが、どうにもChaseの緩いペースだと気を抜いて走るところがあり、Hurdleである程度締まったペースで走らせた方が内容は安定するのかもしれない。ただしフラットでスプリントをかけた時にフォームがバラバラになるのは何とかならないのだろうか。Mersey Novices' Hurdle (G1)の勝ち馬Black OpもHurdleに戻して好走した。Chaseではミスを連発していたようにやはりHurdleの方がいいのだろう。

Lil RockerfellerはHurdleに戻してようやくらしい競馬を見せた。フラットのスピードに長けた馬で、飛越もフラットのスピードを生かしつつ低く重心を抑えたものを特徴とするため、どうにもChaseであるとこのスピードを生かし切ることが出来ないようだ。どうにもズブいところがあるため強引にでも馬を動かせる人のほうがいいのだが、Bryony Frost騎手とのコンビももう少し見てみたい。Sam Spinnerは前走どうにも必要とする飛越動作を馬が勘違いしていたようで、Joe Colliver騎手との呼吸が合わず落馬に終わっていたのだが、今回はLil Rockerfellerを前に行かせることで飛越も安定した。やはりこの馬はオーバーペース気味にでも引っ張った方が持ち味を出すことが出来る。できれば逃げた方がいいのだが、今回はLil Rockerfellerとある程度ペースを上げて引っ張ることで、この馬のリズムをつかむことが出来たのではないだろうか。

 

*Doncaster Good

Lightning Novices' Chase (G2) 2m78y

https://www.attheraces.com/racecard/Doncaster/26-January-2019/1330

アイルランド競馬はRacing TVに移行したのだが、もともとATR管轄であったイギリスの競馬場はそのままATRに残った。Racing TVのお値段が高すぎるのはともかく、どうせなら統一してほしい。レースが多すぎるなら適当にRacing TVの中でチャンネルを分けて欲しい。

ゆったりと逃げたDynamite Dollarsがそのまま勝利。2着はBallywood。

Dynamite DollarsはこれでChaseは5戦4勝とした。ただし今回はかなりゆったりしたペースで進行したということもあり、あくまで勝負所からのスピード能力で押し切ったというものだろう。相手もこれまでと比べると格下であり、Cheltenhamへの叩き台になったという意味で有意義なレースではあったものの、ここからどうこうというのは難しい。Ballywoodは格下ながらDynamite Dollarsに迫ったが、あくまで良馬場のスローペースという条件であったことは注意すべきだろう。

 

River Don Novices' Hurdle (G2) 3m84y

https://www.attheraces.com/racecard/Doncaster/26-January-2019/1405

Commodore Barryが淡々と逃げるも、残り5障害辺りからこれに絡んでいったNadaitakが残り3障害辺りで抜け出すと、後続に大きな差をつけて勝利した。2着にはTruckers Lodge。

NadaitakはこれでHurdle4戦3勝とした。前評判としてはやや格下とみられていたようだが、Commodore Barryがある程度ペースを作って行った上にペースアップするタイミングがやや早かったため、結果的にタイムロスが生じる展開が生じており、その中で最後まで脚を伸ばした内容はステイヤーとして評価できるものである。Truckers Lodgeはしぶとく食らいついて2着まで来たが、どちらかというと逃げたCommodore Barryがバテたために浮上した結果だろう。

 

*Fairyhouse Yielding

Handicap Chase (0-109) 3m1f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-01-26/fairyhouse/510167/bobbyjo-bistro-great-food-great-deals-handicap-chase-0-109

16歳馬See You Doubleが出走しており、道中はスムーズに進行、残り2障害辺りから先頭に立つも、ゴール前でKayf Thouに差され2着。3着は13歳のFergiethelegend、4着には同じく13歳のWitness Of Fashionが入った。