にげうまメモ

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19/05/03 National Hunt Racing

*Punchestown Yielding (Good to Yielding in places)

Punchestown Champion Hurdle (G1) 2m

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-05-03/punchestown/523100/betdaq-punchestown-champion-hurdle-grade-1

前半からPetit Mouchoirが淡々と逃げる展開。好位からMelon、Apple's Jade。Buveur D'Airは中段から。やや手ごたえの悪くなったMelon、Apple's Jadeに代わってスムーズにBuveur D'Airが進出すると、じわじわと伸びてきたSupasundaeらを2馬身ほど突き放して勝利した。Wicklow Braveが3着。

Buveur D'Airは本来Barry Geraghty騎手が主戦を務めているのだが、落馬負傷でMark Walsh騎手に乗り替わっていた、と思いきやMark Walsh騎手も落馬のためDavy Russell騎手に代わっていた。Davy Russell騎手は本来この馬は初騎乗なのだが、このような複数段階の乗り替わりがあっても、きっちりと結果を残す辺りさすがはアイルランドの名手である。さて、Buveur D'Airは昨シーズンまでは16f Hurdleで無敵を誇っていた馬なのだが、今シーズンは飛越のミスによりリズムを崩した挙句、平地馬並みの機動力を持つVerdana Blueに足元を掬われたChristmas Hurdle (G1)、強引な飛越を試みた結果落馬したChampion Hurdle (G1)、Softな馬場と20fの距離延長で最後苦しくなったAintree Hurdle (G1)など、どうにもいまいちな競馬が続いていた。守備範囲に入った際は強烈な決め手を発揮できる馬なのだが、本来さほど守備範囲は広くないタイプであり、自らの守備範囲外の条件となるとどうにも苦しくなることが露呈したのが今シーズンのレースなのだろう。16fでさほどペースが流れるわけでもなく、かつ良馬場で行われた今回は、この馬本来の強烈な瞬発力を見せることが出来た。守備範囲の外でもこの馬の能力でカバーしてきたのが昨シーズンまでなのだが、おそらく瞬発力は加齢により少しずつ衰えるわけで、来シーズンにおいてはこの馬にとっての適した条件であるかどうかをよく吟味しなくてはならないだろう。

Supasundaeはさすがにしぶとく伸びて2着。今シーズンは6戦も厳しい競馬を続け、それでもStayers' Hurdle (G1)以外は崩れずに走っているのだから恐れ入る。道中かなり騎手が促して進めており、良馬場の16fに対応するための瞬間的なスピードとなるとやや厳しいようで、この馬に関してはもう少し馬場は渋った方がいいのだろう。一昨年の勝ち馬Wicklow Braveはこのコースは合うようで、見せ場を作って3着。どうやらCheltenhamの下り坂でも強烈な機動力を見せることが出来るタイプであり、Punchestownのコースは残り3障害辺りからコーナーにかけて急な下り坂となっているため、この地点で加速できるのがいいようだ。ただしどうにも前走んお落馬の影響か、だいぶ気を遣って飛越しているところが目立った。

人気を背負ったApple's Jadeは途中から苦しくなり5着。大きく負けているわけではないため悲観する内容ではないのだが、やはり良馬場のスピード勝負となるとどうにも苦しいようで、この馬のロングスパート能力を生かすために逃げるしかない部分がある。Petit Mouchoirは引っかかって行く馬だけに、共倒れを恐れたのかJack Kennedy騎手は慎重な競馬に終始したのだが、このような競馬ではどうしようもないだろう。Melonはさっぱり走らなかったが、そもそも良馬場となると夕張メロンからわたしがアメリカのホテルで食べたリンゴと同じ味がするメロンらしきなにかになるので仕方がない。

 

Alanna Homes Champion Novice Hurdle (G1) 2m4f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-05-03/punchestown/523101/alanna-homes-champion-novice-hurdle-grade-1

Royal RendezvousとAll For Joyが前に行くも、All For Joyが早々に落馬したためRoyal Rendezvousの大逃げとなる。しかし後続は誰もついて行かず、残り4障害辺りから早々にRoyal Rendezvousはフェードアウトし途中棄権。代わって先頭に立ったReserve TankがSams Profile、Eglantine Du Seuilを抑えて勝利した。City Islandは6着。

Reserve Tankはこれで今年に入ってからHurdleは4戦4勝、Mersey Novices' Hurdle (G1)から連勝とした。ただしSams Profileは最終障害で大きなミスをし、そこからDavy Russell騎手の剛腕に応えて一完歩事に差を詰めてきていた辺り、さほど抜けた存在ではないだろう。Robbie Power騎手がぶっ飛ばしていったRoyal Rendezvousを放っておいて、淡々としたペースを作ったことも幸いした。Sams Profileは惜しい2着。CheltenhamのBallymore Novices' Hurdle (G1)ではCity Islandから大きく離された5着に終わっていたが、最後の上り坂が厳しかったのだろうか。Eglantine Du Seuilは勝負所でぴったりとSams Profileに蓋を去れており、動ききれなかったのが痛かった。前走のFairyhouseのMares Novice Hurdle Championship Final (G1)ではHoneysuckleに完敗しており、逆にこの馬の走りがHoneysuckleの価値を上げるものかもしれない。4戦4勝で挑んできたCity Islandはさっぱり走らなかった。Derek O'Connor騎手に乗り替わっていたのだが、あまりそういう問題でもないだろう。